ランニングフォームを改善する5つのスタンダードトレーニング。
もっと気持ちよく走るためには、フォームの見直しが大事。フォームが乱れたままでは記録に影響を及ぼすばかりか、故障につながることも。より優先度が高い5つのポイント&エクササイズを紹介。
取材・文/石飛カノ 撮影/園山友基 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修/中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション最高技術責任者)
初出『Tarzan』No.897・2025年2月20日発売

教えてくれた人
中野ジェームズ修一(なかの・じぇーむずしゅういち)/1971年、長野県生まれ。スポーツモチベーションCLUB100最高技術責任者。PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー、アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないフィジカルとメンタルの両面を指導できるトレーナー。多くのオリンピック代表選手、青山学院大学駅伝チームなどを指導。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』が現在ベストセラーに。
目次
5つのポイントを意識してフォームを改善。
走力を養うのもいいけれど、基本に戻って自分のフォームがどうなっているのか、見直したいという中級者は少なくない。
フォームの乱れが走力アップを阻んでいるかもしれないし、そのまま続ければ故障に繫がるリスクもある。というわけで、正しいフォームのおさらいを。
「フォームのポイントは5つ。一番多いのは外側着地になってしまうこと。2番目が反り腰になっていること。3番目が体幹(臀筋)の安定で4番目が後ろ脚のたたみ込み、5番目が腕振りのバランスです。それぞれの動作ができていないのはそれに関わる筋肉がアクティベートしていないから。走る前に筋肉を活性化させることでフォームの改善が図れます」(中野さん)
ここに紹介しているすべての種目を行うのが理想的だが、当てはまるものだけ行ってもよし。脛や太腿横が張ったり痛む人は外側着地、腰が張る人は反り腰、股関節に違和感があるなら体幹安定、太腿前が張るなら脚のたたみ込み、肩が張るなら腕振り対応のアクティベートを。
1.反り腰になってしまう|プランク&レッグリフト(10回×2セット)。
- 椅子に両足を乗せてプランクの姿勢をとる。
- そのまま股関節から片脚を左右交互に上げる。腰を反らせたり丸めたりしないように。キツい場合は椅子なしで床に肘をついて行う。
2.脚が流れてしまう|ヒールタッチ(20回×2セット)。
- まっすぐに立ち、お尻の後ろに両手の甲を当てる。
- 左右交互に脚を上げ、左右の掌に踵を当てる。走るイメージでリズミカルに行う。ハムを刺激してたたみ込みの感覚を摑もう。
3.腕振りが甘くなってしまう|ファンクショナル・バックライン(左右各10回×2セット)。
- 2Lのペットボトルを片手に持ち、椅子の座面に同じ側の脚の膝を乗せる。
- 肘を曲げてペットボトルを引き上げると同時に逆側の脚を上げて股関節を伸ばす。10回行ったら逆側で。
4.体幹がブレてしまう|ヒールバランス・ランニングマン(左右各10回×2セット)。
- タオルの上に片足の爪先を乗せ、上体を前傾させたランの姿勢をとる。
- 後ろ足の踵で床を押すイメージで脚を前に振り上げ、臀筋で全身のバランスをとる。10回行ったら逆も。
5.外側着地になってしまう|クロスステップ(左右各10回×2セット)。
- 内腿に刺激を入れる。2Lのペットボトルを片手に持って立ち、片足を斜め内側後方に大きくステップさせて後ろの膝と前の爪先が一直線になるよう腰を落とす。10回行ったら逆。