喉を衰えさせないメンテナンス

40代、50代になり、老眼、聞こえにくさ、声の出しづらさ、虫歯の増加といった悩みが出てきたという人もいるのではないだろうか。喉の機能を長く維持するための正しいメンテナンス習慣を紹介する。

取材・文/神津文人 撮影/森山将人 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾

初出『Tarzan』No.880・2024年5月23日発売

教えてくれた人:市村恵一 先生

いちむら・けいいち/耳鼻咽喉科専門医。東京みみ・はな・のどサージクリニック名誉院長。自治医科大学名誉教授。日本小児耳鼻咽喉科学会理事長、日本鼻科学会常任理事などを歴任。近年は高齢者の補聴器診療に注力。

声の老化を防ぐには、積極的におしゃべり。

普段あまり意識していないかもしれないが、発声をするとき、飲み込むとき、喉の周辺の筋肉が働いている。日常的に運動をしない人の筋肉量は年間約1%ほど減少するといわれているが、喉の周辺の筋肉も当然使わなければ減ってしまう。

「おしゃべりは手軽で、習慣化しやすい喉のトレーニング。女性の方が男性よりも喉が衰えにくいといわれるのは、よくおしゃべりをしているから。おしゃべりが苦手ならカラオケで歌うのもいいでしょう。適度に喉を使うことが大切です」

おしゃべりで喉を鍛えよう!

喉の筋トレには、しっかりうがい。

コロナ禍を経て、手洗い、うがいがしっかりと習慣化したという人も多いはず。喉の力を維持するためにも、うがいは引き続き習慣にしたい。ガラガラうがいには、喉にある異物を洗い流す、喉に潤いを与えるといった効果に加えて、喉の筋トレ効果も期待できる。

「喉の筋力が衰えてしまうと、ガラガラうがいが難しくなることも。つまりガラガラうがいは喉の筋トレになるのです」