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キーワードは“抗酸化”。 注目食材アーモンドをミルクで摂るべき理由!

スーパーやコンビニのドリンクコーナーではもはや常連、カフェではラテの選択肢のひとつ。生活の中にすっかり溶け込んでいるアーモンドミルク。なんとなくカラダによさそうなイメージはあるけれど、実はおいしさだけで選んでいるという人、それはもったいない話。原料のアーモンドに秘められたカラダにうれしいポイントを知れば、より積極的に取り入れたくなるはず。専門家、井上浩義先生に話を伺ってみよう。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/沼田光太郎

Point 1 抗酸化・抗糖化のダブルの効果!

井上浩義 先生

教えてくれた人

いのうえ・ひろよし/慶應義塾大学医学部化学教室教授。16年前からアーモンドの若返り効果に注目し、研究を重ねてきた食と健康に関する専門家。著書に『食べても痩せるアーモンドのダイエット力』(小学館)などがある。

アーモンドがカラダにいいといわれる理由のひとつは抗酸化作用。カラダに取り込まれた酸素の一部は活性酸素など反応性の高い物質になり、細胞を酸化させる。細胞が酸化されて傷つくことで老化や病気の原因のひとつとなる。この酸化の害を防いでくれるのが抗酸化作用だ。

「とくにアーモンドに含まれるビタミンEには高い抗酸化力が期待できます。ビタミンの中では他にビタミンAやCにも抗酸化力があることが知られていますが、ビタミンEは油に溶けやすく、脂肪の臓器と呼ばれる肝臓に一旦貯蔵されます。ビタミンAやCよりも長くカラダに留まって抗酸化力を発揮してくれるのです」

また、アーモンドの薄皮部分に含まれるポリフェノールも抗酸化作用を発揮してくれるという。 そして、もうひとつアーモンドに期待できる効果が抗糖化作用。糖化は余分な糖とタンパク質が結びついて、カラダを焦げつかせる反応。そうしてできたものをAGEと呼ぶ。 AGEが体内で増えると、肌のくすみやたるみを引き起こしたり、病気の原因となったりすることもある。

「アーモンドを摂ることで、AGEが体外に排出されることが分かっています。AGEは食生活はもちろん、年齢を重ねると増えていく物質。その増加をアーモンドが防いでくれるのです」

つまり、抗酸化と抗糖化、ダブルの若返り効果が!

アーモンドを食べ続けると AGEが減っていく!?

1日25粒のアーモンドを6か月間食べ続けた結果、驚くべきことに体内のAGEが20%減少。これは食物からのAGEの吸収阻害と体内で合成されるAGEの抑制、両方を合わせた数値。資料提供/井上浩義

Point 2 特にスポーツの習慣がある人に!

多くの人はカラダによかれと思って運動を始める。ところが運動によって逆にカラダによくない反応が生じることもある。そのひとつが、酸化の害。

酸化反応はカラダに取り込まれた酸素の一部が活性酸素などに変換されることから始まる。適度な量の活性酸素は有効だが、過剰な活性酸素が細胞を傷つけることが老化の原因に。

「通常、運動すると活性酸素をたくさん産生します。そこでおすすめしているのが、運動前に少量のアーモンドを摂ることです。アーモンドに含まれるビタミンEやポリフェノールがカラダに吸収されるまでには1時間程度かかります(ピークは3時間後)。走っている人が途中でアーモンドを食べても本当に吸収されるのは走った後。なので、酸化の害を防ぐには運動前の摂取がおすすめです」

さらに屋外で運動する際は紫外線による酸化の害も気になるところ。これにもアーモンドのチカラが頼りになる。

「カラダの中にはグルタチオンという強力な抗酸化物質が備わっています。アーモンドを摂取する前と摂取した後に紫外線を照射した実験では、後者の方がグルタチオン濃度が上がるという結果になりました」

アーモンドの抗酸化作用で紫外線の酸化作用は十分防げる。よって体内の抗酸化物質は温存されるというわけ。日差しがますます強くなる季節、運動するすべての人にアーモンドは必須!

紫外線による酸化の害を アーモンドが防いでくれる?

尿中のグルタチオン濃度をアーモンド摂取前と摂取後で比較。摂取後はアーモンドの抗酸化作用によって、体内にもともと存在した抗酸化物質であるグルタチオンの消費が抑えられている。Am J Clin Nutr 2004; 80: 1270

アーモンドミルクで摂れば手軽に毎日の習慣に!

アーモンドの凄さは分かった。でも、毎日20粒以上を食べ続ける自信がないという人もなかにはいるかも。というのは、アーモンドに含まれている水分は1〜2.5%。つまりとっても嚙み砕きにくい。

「さらに植物細胞には柔らかい細胞膜があり、その周りをさらに硬い細胞壁が覆っています。これを壊さないと中の栄養を摂ることができません。お子さんや高齢者だけでなく、嚙むことに自信のない人はせっかくの栄養素を逃してしまう可能性があります」

ならば、最初から細胞壁が壊れた状態で、しかも滑らかな水分状のものがあれば申し分ない。そう、それが今スーパーやコンビニで手に入るアーモンドミルクというわけ。そのまま飲んでも、コーヒーに加えても。手軽に習慣化しよう。

知っておきたいアーモンドの素朴な疑問。

おすすめのタイミングは?

アーモンドを食べるなら断然、朝。

「その理由の一つは夜間は紫外線がまったくないので、朝紫外線対策ができていない状態で紫外線を浴びてしまうこと。もう一つは肺に入ってくる酸素量が寝ている間に比べて起きた後は約2倍になることです」

朝のアーモンドで午前中の酸化を防止!

ビタミンE以外の栄養は?

「食物繊維も含まれています。腸内環境を整えることで脳の活動も促されるのでこちらもアンチエイジングに繫がると思います。またアーモンドに含まれる55%の油の中心はオレイン酸で、いわゆる悪玉コレステロールを減らす働きも」

ひと粒は小さいけれど、まさに栄養の宝庫。

アーモンド製品の パイオニア〈Glico〉

創業者が海外視察でアーモンドと出合ったのが1930年。1950年代には、アーモンドを使ったお菓子を開発、飲料などへとカテゴリを広げながら、日本中のそして直近では世界のみなさんにも、その魅力をお届けしてきました。〈Glico〉はこれからもアーモンドとともに、すこやかな毎日に貢献していく。

●問い合わせ先/江崎グリコ 公式サイト