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  • 提供:松谷化学工業

専門家が対談!カロリーゼロ、体脂肪を燃やす 糖=「アルロース」に注目

専門家が対談!「アルロース」に注目

天然に存在するが、あまりに希少な存在の糖=「希少糖」。その代表格が、アルロースだ。甘みがあるのにカロリーゼロで、体脂肪を燃やし、糖のリカバリーの働きまであるという。※2020年3月27日の食品表示基準改正による

桑原弘樹さん

桑原弘樹さん

コンディショニングスペシャリスト

くわはら・ひろき/15年以上にわたりスポーツサプリメントの企画・開発に携わり、競技やプロ・アマの垣根を越えたコンディショニングの共有を目指す〈桑原塾〉を主宰。〈阪神タイガース〉コンディショニングアドバイザーなどを歴任している。

筧善行先生

筧善行先生

アルロース研究の牽引役

かけひ・よしゆき/香川大学前学長。医師(専門は泌尿器科)。京都大学医学部助教授、ピッツバーグ大学留学などを経て、香川大学教授に。2023年まで同大学の学長を務め、学部横断のアルロース研究組織の代表も務めた。

天然の糖なのに、カロリーゼロ! アルロースに注目

桑原弘樹さん(以下、桑原さん):アルロースを含めた「希少糖」と呼ばれる糖の存在は、以前から気になっていました。人工甘味料ではない天然の甘さのある糖なのに、カロリーがゼロって、凄いですよね!

カラダを動かすアスリートにとって、エネルギー源である“甘さ”を我慢せずに安心して摂れるので、今ではアルロースを積極的に使っています。

筧善行先生(以下、筧先生):地球上の生物は、その進化の過程で「希少糖」と呼ばれる糖類をエネルギー源に採用しませんでした。希少糖のひとつであるアルロースを、ヒトはエネルギーに変えることができないのです。それが、カロリーがゼロの理由です。

しかもアルロースは、砂糖の数百倍ともなる人工甘味料の持つ強い刺激を脳に与えません。人工甘味料を摂ると脳は、刺激があるにもかかわらずエネルギーが入らないため、さらに糖が欲しくなるという研究があります。アルロースは、砂糖に比べて70%ほどの甘さなので、脳への過剰な刺激の心配がないのです。

桑原さん:アルロースの研究が進んで驚いたのは、カロリーゼロで安全な糖という以外に、機能がある点です。最初に知ったのは、希少糖全般に言えるように、う蝕(虫歯)になりにくい作用でしたが、アルロースは脂肪燃焼を促進するんですよね。

糖なのに、体脂肪を燃やす! アルロースの驚きの働き

筧先生:高脂肪食を与えたラットの実験では、アルロースを与えると脂肪の燃焼に関わるタンパク質UCP-1を増加・活性化させることが分かりました。その後、ヒトでの脂肪燃焼も確認しています。

アルロースは、脂肪燃焼を高める

アルロースは、脂肪燃焼を高める

健常な成人男性39人を2グループに分け、それぞれがアルロース5gを含む飲料もしくはプラセボ飲料を摂取(二重盲検ランダム化比較試験)。その後、1時間の軽い運動(サイクリング)により、運動中の体脂肪燃焼の指標となる脂質酸化量を比較した。

アルロース摂取群の脂肪代謝量が増えた理由は、アルロースが脂肪の利用に関わる酵素や消化管ホルモンGLP-1を活性化させ、体脂肪燃焼のスイッチを入れるように働いたと推測できる。

桑原さん:僕は「空腹睡眠ダイエット」というのを提唱していまして、文字通り“空腹で寝ると、睡眠中の成長ホルモンの働きで体脂肪がよく落ちる”というモノです。寝る前に2時間、厳密には3時間前には、カロリーのあるものを断ちます。

ただし、長時間の空腹は筋肉の分解を招くので、筋分解を抑えるためにグルタミンを摂るのですが、一緒にアルロースを摂ることをアスリートに勧めています。ほんのりした甘さで“口さみしさ”もなくなり、しかも空腹睡眠ダイエットでの脂肪燃焼をアシストしてくれますから。

筧先生:私も夕食は早めに済ませるので、食後のゆっくりした時間にアルロースを入れたデカフェ(カフェイン抜きのコーヒー)を摂っています。その時に少量の茶菓を食べても、アルロースは血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。

アルロースは、食後の血糖値の上昇を穏やかにする

アルロースは、食後の血糖値の上昇を穏やかにする

糖尿病境界を含む健常な成人男女26人を2グループに分け、それぞれが食事とともにアルロース5gを含む飲料もしくはプラセボ飲料を摂取(二重盲検ランダム化比較試験)。食後の血糖値を比較したところ、アルロース摂取群の食後血糖値は穏やかに上昇した。

その理由は、食事に含まれる炭水化物がブドウ糖に分解される働きをアルロースが阻害すると同時に、血中のブドウ糖の肝臓への取り込みが素早く行われたためと考えられる。

桑原弘樹さん 筧善行先生

「アルロースを使った、腸内環境への影響の研究も始まっています」との筧先生の言葉に、桑原さんは興味津々のご様子。

持久系のスポーツ領域にもアルロースの可能性が拡がる

桑原さん:アルロースには、脂肪燃焼の働きだけでなく、運動で枯渇した筋肉や肝臓のグリコーゲンのリカバリーにも働く可能性があり、さらに注目しています。

競技アスリートのパフォーマンスを落とさないためには、トレーニング後の糖質を含めた栄養補給に、アルロースを加えて摂るように指導していますし、自分でも実践しています。

アルロースにはカロリーがないのに、こんな働きがあるのは本当に凄いと思います。ランニングやトライアスロンなど持久系のスポーツでも活用できそうですね。

筧先生:桑原さんのアルロースへの理解は素晴らしいですね。アスリートへの指導という形で実践されている専門家の存在は、私たち研究者にとっても心強い限りです。アルロースを含めた希少糖の研究は、香川大学の何森(いずもり)健先生(名誉教授)が始められ、現在は食品分野だけでなく、建築資材や農薬などさまざまな領域で進められています。

香川大学の各学部が横断し連携して研究を行っている、可能性に満ちた、まさに宝物なのです。

アルロース、5つの特性
  • 自然界にわずかにしか存在しない希少糖のひとつ
  • 天然の糖なのに、0kcal
  • 脂肪燃焼を促進する
  • おいしくて自然な甘みがある
  • 虫歯になりにくい

※2020年3月27日の食品表示基準改正による

INFORMATION

松谷化学工業

アルロースを詳しく知りたい方

※アルロースは、香川大学と松谷化学工業が共同開発しました。

取材・文・編集/大田原透 撮影/小川朋央

初出『Tarzan』No.871・2024年1月4日掲載

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