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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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フルマラソン4時間切り、つまり「サブ4」は大きな目標のひとつ。走力を上げるには普段の練習に加え、練習用シューズの「履き分け」もポイントになってくるという。〈東京マラソン2023〉でサブ4を狙うモデル・山下晃和さんは、レースまでの約3か月間でいかにしてシューズを履き分け、練習に取り組むのか。その挑戦を追う。
目次
2023年3月5日に開催される「東京マラソン2023」。約3万8千人が参加する国内最大のマラソン大会に、モデルの山下晃和さんも挑戦する。
『ターザン』のトレイルランニングページでも活躍する彼は野球、オフロードバイク、トライアスロンなどの趣味を持ち、スポーツトレーナーとしても活動。アスリート並みの肉体派だが、フルマラソンのベストタイムは4時間29分51秒と、なかなか4時間を切れないでいる。
「走るのは大好き。フルマラソンの経験もあるのですが、サブ4を目指すとなると少しハードルの高さを感じていて…。なので、今回はその壁を打ち破るために、ランニングの知識が豊富な〈アシックス〉が主催するプログラムに申し込みました」(山下さん)
山下さんが訪れたのが《アシックスラン 東京丸の内》。
東京駅丸の内口から徒歩3分の総合型ランニングステーションで、シャワー、更衣室はもちろん足形やフォーム計測ができるストアが設けられており、〈アシックス〉の最新シューズもレンタルできるためウエアさえあれば仕事帰りでも気軽に皇居ランが楽しめるスポットだ。
この日、《アシックスラン 東京丸の内》ではサブ4達成を目指すランナー向けの特別なプログラム〈ASICS Premium Running Program Road to 東京マラソン2023〉の練習会が行われた。※現在プログラムへの申し込みは終了
「このプログラムでは4時間を切るために、私たち専門家から効率的なトレーニング方法やアドバイスをお伝えしたり、フォームの分析などで皆さんのランニングの課題を解決するべくサポートできればと考えています。
また、皆さんはある程度のランニング経験を持ち、サブ4という同じ目標を持つ者同士。一緒に練習することで高いモチベーションを保つことができると思います」
そう話すのは「アシックスランニングクラブ」の小谷浩コーチ。
学生時代は駅伝で活躍し、国内外のレース経験も豊富。〈アシックス〉ではコーチとして1,000回以上のイベント経験を持つなど、メソッドと経験を融合させたユーティリティーなコーチングに定評がある指導者だ。
まずはランニングシューズの履き分けについて。
ランナーであれば自分の足に最もフィットした一足を練習でもレースでも履きたいというのが本心だと思うが、なぜ複数必要なのか。そして、いかにしてそれらを履き分けるのか。
「僕が皆さんに履き分けをおすすめする大きな理由は、サブ4達成のためにはメリハリをつけた練習が不可欠で、それには異なるタイプの2足のシューズを履き分けた方がいいからなんです。
42.195kmのフルマラソンを4時間以内で走り切るには、1kmあたり5分41秒よりも早いペースで走る必要があります。そのためには練習でただ闇雲に距離を重ねるのではなく、肺、心臓、筋力という3つの能力を高めて全身持久力をアップさせることが大きなカギとなります」(小谷コーチ)
全身持久力はATペース(有酸素運動と無酸素運動の境界線あたりの負荷で走るペース)を基準に、それより速いラン、それより遅いランをバランスよく組み入れることで発達する。つまり、練習の中で速さのメリハリをつけることが必要だ。
「具体的な練習方法はのちほど説明しますが、速く走る練習ではそれに合ったスピードモデルのシューズを履いた方がよりスピードを高めることが可能となり、“速く走るためのフォーム”も身に付きます。
逆にゆっくりめに走る時はサポート性の高いシューズを履けば、なるべく足に負荷をかけずに距離を重ねることができるのです」(小谷コーチ)
メリットはそれだけではない。スピードモデルの練習用シューズはソールが薄く、ランニング動作の際に足指が動かしやすくなり、その結果ふくらはぎの筋肉が使われる。
一方、サポート性の高いシューズは比較的ソールが厚めであることが多く、足指の動きが制限されることで、尻や太腿といった大きな筋肉が使われやすくなる。
このように、シューズの構造が変わるとランニング時に使われる筋肉も変わり、脚全体を強化する(弱点を少なくする)ことにもつながるのだ。
アシックスには数多くのシューズのラインナップがあるが、具体的にはどれを選べばいいのだろう。小谷コーチが山下さんに勧めるのは《TARTHER RP 3》と《NOVABLAST 3》という2足のシューズである。
「《TARTHER RP 3》はサブ4からサブ3を目指すランナーのスピードトレーニングにおすすめのモデル。ソールの中足部を強化することでシューズのねじれを抑え、安定したランをサポートする技術が搭載され、足で蹴る感覚とスピード感を高いレベルで両立した一足です。レースペース以上の速度で比較的短い距離を走る際に履くとより多くの筋肉が使われ、“速く走る感覚”が研ぎ澄まされます」(小谷コーチ)
もう一方のシューズは?
「《NOVABLAST 3》は特徴的な厚いソール形状を持ち、軽量で反発性に優れたミッドソール全面に採用。クッション性が高く、まるではずむような走り心地を感じられるのが特徴です。サポート性に優れているのでジョグペースで長距離を走るときにおすすめです」(小谷コーチ)
小谷コーチの説明に納得顔の山下さん。
「なるほど。そうやってタイプの違うシューズを履き分ければいいんですね。では実際に履いてみて感触を確かめたいと思います!」(山下さん)
まずは《NOVABLAST 3》を履いてランニングする山下さん。ゆったりと大きく、気持ちよく流すようなフォームだ。
「想像以上にバウンス感があって、このままずっと走り続けられる感覚が新鮮でした。これならジョグペースで10km、20kmぐらいは平気で走れますね。初心者の方でも脚に負担をかけることなく練習できると思いますよ」
続いては《TARTHER RP 3》に履き替えて周回コースへ。地面をタッタッタッと蹴り上げ、颯爽と走り抜ける姿が印象的である。
「推進力がすごい!というのが第一印象です。地面をしっかり掴んだ上で跳ねながらどんどん前進していくんです。あと、スピードは出るけど安定感がある。レベルアップを目指すなら、こうしたシューズでスピード感覚を養うといいんですね」
最後はサブ4向けの練習メニューについて小谷コーチが山下さんにレクチャー。
小谷コーチ:東京マラソン2023まで3か月弱の練習期間がありますが(※取材日は12月中旬)、ランは基本週3ペースでOKです。1日目はレース想定ペースかそれ以上の速さで走り、2~3日目はゆっくりめのジョグペース。走る距離も日によってメリハリをつけるのがポイントです。
山下さん:強度の高い練習が続くとケガのリスクが高くなるから、速く走る日とゆっくり走る日をきっちり分ける必要があるんですね。
小谷コーチ:その通り。サブ4を目指すレベルであればそれまでの蓄積があるでしょうから、距離は月間100km前後を目安にして、あまり最初から走り込まないようにする。これもケガの予防につながります。3か月を準備期、スピード養成期、走り込み期、本番前の調整期と4つに分けて、それぞれの目的に応じたメニューを組んでいくといいでしょう。
山下さん:今日のビルドアップ走を定期的に行えばスピードもスタミナもつきますよね。今までマラソンの練習はイーブンペースで走ることしか考えていなかったから、目からウロコでした
小谷コーチ:ビルドアップ走は徐々にスピードを上げていくので無理なく速いペースに到達できますし、短時間の練習でも心肺機能向上や脚の筋力アップといった効果が得られやすいんです。準備期とスピード養成期はこのビルドアップ走を週1回、5~12km程度行ってください。どの練習でも徐々に速度が遅くなるのではなく、必ず速度を上げた状態でフィニッシュすること。これが大切です
山下さん:わかりました。週1のビルドアップ走では主にスピードモデルの《TARTHER RP 3》を、残り2日のジョグ練習では《NOVABLAST 3》を履き分けて練習したいと思います。
今日のシューズの履き分けの話と効果的な練習方法のレクチャーで、目標に向けた具体的な道筋が見えてきてモチベーションが高まりました。3月5日の本番では念願のサブ4を目指します!
Tarzan Webでは、山下晃和さんの「東京マラソン2023」への挑戦もレポート予定です!
取材・文/黒田創 撮影/角戸菜摘