- 痩せる
- 走る
“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
PR
秋に旬を迎える、刀にも似た細長い魚、サンマの季節がやってきた。生でよし焼いてよし揚げてよし。脂肪燃焼を促すオメガ3系脂肪酸がダイエットの強い味方になってくれる。あの居酒屋で、自宅で、今宵はサンマ祭り!
小野澤雅丈さん
おのざわ・まさたけ/2010年に〈駒八目黒さんまセンター〉料理長に就任。以来、考案したサンマレシピは260以上。現在は〈駒八豊洲店〉の料理長としてサンマ料理に腕を振るう。
かつて目黒にあった居酒屋〈駒八目黒さんまセンター〉で料理長を務めていた小野澤雅丈さん。落語「目黒のさんま」にちなみ、サンマの町を象徴する独自のレシピを次々に開発した。
「ある日突然、夢の中に仙人が降りてきて、“これで何か美味しいものを作ってくだされ”とサンマを手渡されたんです。それで思い浮かんだのがサンマピザ。そこからワーッとレシピが増えました。お客さんを飽きさせないために、いろんな挑戦が始まったんです」
サンマのカツ、サンマのカプレーゼ、サンマのコンソメ…、現在の店に移ってもサンマ愛は止まらない。
「今作ってるのがサンマの魚醤。サンマ20本を塩水に浸けて発酵中」
奥から寸胴鍋を持ってきて見せてくれる。何重ものラップの蓋を取ると目と鼻の粘膜にツンとくる刺激臭! なれ鮨どころの騒ぎではない。
「今年の夏を越して、来年の7月に完成予定。刺し身につけて食べると旨味が倍増しますよ」
小野澤さんご自身がもはや“サンマ仙人”? では仙人、秋の味覚のサンマのとっておきの食べ方、教えてくだされ!
サンマは脂肪燃焼作用があるEPA、DHAなどのオメガ3系脂肪酸の含有量が青魚の中でもトップクラス。脂の乗った旬のサンマは、より脂肪酸が多いので、適量食べることでダイエット効果も期待できます。また、サンマは身の2割が血合い。鉄分が多いので血液中で酸素を運搬するヘモグロビンの材料になり、運動効率や代謝アップも狙える食材です。
(管理栄養士・河村玲子さん)
塩焼きならくびれ、刺し身なら細身を選ぶ
目が透き通っていて、くちばしが黄色いものは水揚げされてからあまり日が経っていない証し。これが目利きの基本。
さらに旬ならではの見分け方のポイントは、「後頭部が盛り上がっている部分を“くびれ”と言いますが、くびれのあるサンマは脂が乗っています。塩焼きにするならこちらがおすすめ」とのこと。
ただし刺し身の場合は後頭部が平らで全体に細身の方がベター。理由は「生で脂が強いと食べ飽きてしまうから」。さすがプロ。
内臓も骨も残さずに、滋養を120%活用
小野澤さんが考案したサンマの塩焼きは、ワタも骨も丸ごといただけるオリジナルレシピ。大根おろしと醤油、ワタを混ぜたものを塩焼きの身に挟む。骨はカリカリに揚げて骨煎餅に。頭から尻尾まで完食必至。食後は皿の上に何も残らない。
「ワタが苦手な人も大根おろしで優しい味になるので食べられます」
ワタに豊富なビタミンDは筋肉合成を強化、骨のカルシウムが神経伝達をサポート。丸ごと食べればサンマの恩恵総取り!
刺し身は一晩寝かせて旨味を熟成させる
当日、即食べなきゃ!と思ったら、「刺し身やなめろうのときは、その日に食べちゃダメ」なんだそう。
「三枚におろした身を2度洗ってザルに乗せ水分を切り、キッチンペーパーに包んで一晩冷蔵庫で寝かせてさらに水分を取ります。そうすると生臭さが抜けて旨味が真ん中に寄ってくる。おろしたてのサンマと比べて熟成した味を楽しめます」
こちらのなめろうは2日間冷蔵庫で寝かせた身を叩いたもの。ねっとりとした旨味満載、参りました!
辛味成分の力を借りてダブル効果を狙う
〈駒八〉が毎年秋に行う『さんまフェア』会期中は全店で食べられるというオフィシャルメニュー。味の決め手は、食べる直前に回しかける、温かい食べるラー油。
食べるラー油の材料、一味唐辛子に含まれるカプサイシンにも脂肪燃焼作用がある。褐色脂肪細胞を活性化して熱産生を高めてくれるのだ。サンマのオメガ3系脂肪酸とのダブル効果でさらに体脂肪減が狙えるというわけ。炭水化物を控えた糖質制限中の主菜として活用したい。
栄養価は生と同様。汁も残さずいただく
生のサンマ調理はハードルが高いという人は、サンマ缶を活用。旬の時期のサンマの栄養価を丸ごと閉じ込めた缶詰の痩せ効果は生のそれに劣らない。
「私が一番好きなのはサンマ缶の卵とじです。そばつゆにサンマ缶の身と玉ネギを入れて、沸いたら卵で閉じる。まず、汁をごはんの上にかけて1杯食べたら、2杯目はこの卵とじをかけて食べます」
ごはん2杯は太るので、読者諸氏は1杯でフィニッシュするように。
取材・文/石飛カノ 撮影/五十嵐一晴 栄養監修/河村玲子(管理栄養士)
初出『Tarzan』No.841・2022年9月8日発売