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太りにくいカラダに導く「タンサ(短鎖)脂肪酸」の増やし方
最近の研究で腸に良いとされる食事や生活習慣を取り入れ、腸の状態を良くする「腸活」で太りにくくなることがわかってきている。その理由は、腸に数多く存在する腸内細菌の代謝物である「タンサ(短鎖)脂肪酸」の作用によるもの。食事制限や激しい運動をしなくても健康なカラダに導いてくれる「タンサ(短鎖)脂肪酸」を増やすために実践すべきこととは?
編集・文/本田賢一朗 撮影/小川朋央、北尾渉(馬場さんプロフィール) スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/内山弘隆
初出『Tarzan』No.840・2022年8月25日発売
馬場悠平さん
教えてくれた人
江崎グリコ・商品技術開発研究所 乳業・洋生菓子グループ。菌類を使用した基礎研究をもとに、現在はタンサ(短鎖)脂肪酸と抗肥満についての研究活動とヨーグルトが健康に及ぼす作用の研究に取り組み、商品開発にも従事。
タンサ(短鎖)脂肪酸を作る、下地としてのビフィズス菌
タンサ(短鎖)脂肪酸(詳しくはこちらの記事:太りにくいカラダの作り方。抗肥満に導く新キーワード 「タンサ(短鎖)脂肪酸」)を作り、増やすにはどうしたらいいのか?
まずは腸内細菌であるビフィズス菌を直接体内に取り入れること。植物など広く自然界にある乳酸菌と違い、ヒトや動物の腸内に存在するビフィズス菌は食品、主にヨーグルトとサプリメントからしか取り入れることができない。
「発酵食品で摂取できると思いがちですが、それらに含まれるのは大半が乳酸菌で、ビフィズス菌を補給できる食べ物は実はかなり限られているんです。しかも熱などいろいろな刺激に弱く、調理法によっては菌がどんどん死滅してしまうので注意が必要です」(馬場さん)
ビフィズス菌は酸、酸素に弱く、摂取しても大腸にたどり着く前に胃酸等で死滅する菌も少なくない。また、ヨーグルト製品に必ずしもビフィズス菌が入っているわけではないので、製品を選ぶ際にはビフィズス菌が含まれているのか、かつ胃酸に対する耐性が強く、生きて腸に届いて腸の中で増えるものか、製品ごとにどんな種類の菌が入っているのか意識することが大事。
タンサ(短鎖)脂肪酸が多く作られる腸内環境にするためにビフィズス菌への意識を高めたい。
ビフィズス菌のエサとなる食物繊維を積極的に摂る
タンサ(短鎖)脂肪酸を多く作るにはビフィズス菌を補給することに加え、腸内の善玉菌が活発に働けるようにエサを与えることが大事。良い菌を持っていても、エサがなくてはタンサ(短鎖)脂肪酸は作られないからだ。そのビフィズス菌のエサとなるのが食物繊維やオリゴ糖。
ビフィズス菌摂取のためのヨーグルトには食物繊維が含まれているものもあるので積極的に選びたい。食物繊維は大きく分けて2種類あり、特に海藻類やタマネギ、チコリなどに含まれる水溶性食物繊維は腸内細菌によって分解されやすく、タンサ(短鎖)脂肪酸を増やしてくれる。
いっぽう野菜やきのこ、豆類などに含まれる不溶性食物繊維は便のかさを増し、腸の働きを良くする。腸内に補給したビフィズス菌は排泄で外に出てしまい、腸内に棲み続けることができないので、摂取をやめてしまうとすぐ減って、1〜2週間で元通りになってしまうとか。
タンサ(短鎖)脂肪酸が多く作られ、抗肥満などの健康機能が働くためにはビフィズス菌と食物繊維を少しずつ毎日、継続して摂ることが重要だ。
腸活コラム
質の高い睡眠をとることでタンサ(短鎖)脂肪酸も増える
腸と脳の機能が影響し合う「脳腸相関」の観点から、睡眠の質を高めることで腸内環境が良くなることがわかっている。その逆もしかり。質の高い睡眠でタンサ(短鎖)脂肪酸の増加も期待できる。
「グリコ独⾃のビフィズス菌×⾷物繊維イヌリン」が⼊ったヨーグルトは「タンサ(短鎖)脂肪酸」の産⽣⼒が⾼い
胃酸に対する耐性が強く、生きて腸まで届くグリコ独⾃のビフィズス菌(Bifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株)と⾷物繊維イヌリンを含むヨーグルトは、乳酸菌だけが使われているヨーグルトに比べ、48時間培養後のタンサ(短鎖)脂肪酸量が有意に多い結果が認められている。