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プラスチックのカップをリズムよく積み重ね、そのスピードを競うスポーツスタッキング。アメリカ発祥のこの競技が、日本でも子どもたちを中心にじわじわと人気が出始めていることをご存知だろうか? スポーツスタッキングの魅力を《WSSA-JAPAN》理事長の澤田康徳さんに教えてもらった。
澤田康徳さん
さわだ・やすよし 有限会社さわだスポーツクラブ取締役社長。一般社団法人WSSA-JAPAN(世界スポーツスタッキング協会日本支部)理事長。
スポーツスタッキングは、1985年ごろのアメリカで、子どもたちが紙コップをピラミッド型に重ねて遊んでいたことがルーツとされている。
1990年には、テレビ番組でカップスタッキングとして紹介され注目された。後にコロラド州の小学校教師だったボブ・フォックス氏が《WSSA・スピードスタック社》を設立。日本では2005年から広がりを見せている。
「私の本業は、子どもたちに運動プログラムを提供するスポーツクラブの運営なのですが、実は、偶然に近い形でスポーツスタッキングの普及に関わることになりました」とは今回スポーツタッキングについて教えてくれた澤田康徳さん。
「きかっけは、スポーツスタッキング用のカップが欲しくてアメリカの《WSSA》に連絡をしたことでした。『日本の窓口になりませんか?』と誘われまして、そのご縁で2015年に日本法人契約をし、2018年に現在の一般社団法人《WSSA JAPAN》を設立しました。
お恥ずかしい話ですが、当時の私は、スポーツスタッキングという競技を全く知らなかったので、1から勉強しましたね」
スポーツスタッキングは、12個のプラスチックカップを決められた順番に積み上げて崩して戻すというシンプルなルール。そのスピードを競うのだが、単純明快な競技なのでやはり子どもたちからの反響が大きかったという。
まったくの初心者でもすぐに遊べるのがスポーツスタッキングの魅力のひとつだ。主な道具は専用のカップ、スタックマット、タイマーの3つ。公式戦ではディスプレイも必要になるが、こちらは家庭で遊ぶ分にはなくてもOKだ。
「まず、カップですが、これはプラスチック製です。1セット12個でカップを重ねた時に空気圧によって抜けなくならないように、底の部分に穴が開いています。直径76.5mm、高さ95mmが協会公認のサイズです」
「次にスタックマット。これは、競技の際にカップを置くマットとして使用するもので、公認のものは、親指と手のひらの位置にスタートとストップのボタンがあります。素材はマウスパッドに使用されるようなラバー製です」
「最後のディスプレイは、観戦者にタイムが見えるように設置するものです。家庭で個人的に遊ぶのであれば用意しなくても問題ありません」
スポーツスタッキング競技として行われているルールには3つの種類がある。
基本的に3スタックが並んだ状態から始まる。9個のカップを使う初心者向けの「3・3・3」、12個のカップを使う中級者向けの「3・6・3」、そして上級者向けの「サイクル」の3種類。
まず、初心者の方が覚えるのは、3・3・3。3個のカップが3箇所に重なった状態でスタートし、利き手側のカップをピラミット型に重ね直し(アップスタック)、それらを崩して(ダウンスタック)元の状態に戻す。
「中級者向けの3・6・3は、3・3・3と同様のやり方ですが、真ん中のカップが6個になるので、少し複雑になります。上級者向けのサイクルは、ピラミッドの作り方がさらに複雑になります」(澤田さん)
上級者向けのサイクルができるようになるとかなり様になる。どの種目も圧倒的に子どもたちの方が大人よりも覚えるのが早く、いいタイムが出やすいという。
スポーツスタッキングの道具を揃えたら、公式サイトなどを参考に一通りやってみよう。すぐにおおまかな流れが掴めるはずだ。
「私たちは、スポーツスタッキングを広める活動をしていますから、まずは、体験に来てもらいたいです。正しいカップの持ち方や力加減、動画では分からないコツを細かくレクチャーさせていただきます」(澤田さん)
そして、ぜひ、大会にエントリーしてもらいたい、とも。
「大会に出ることが上達するための何よりの近道なんですよ。上手な競技者を見ることでコツが掴めるし、自分の弱点が分かります。数秒で決着が付く試合の迫力も魅力です。また、最近では、コロナ禍の影響からオンライン形式での大会も開催しています」(澤田さん)
場所も取らず、1人でもできるスポーツスタッキング。そのシンプルな競技性もあり全国でじわじわと愛好家が増えているそう。
「日本のメジャースポーツには遠く及びませんが、現在では国内で約1万人が競技しています。世界では54か国で楽しまれており、アジア大会や世界大会も開催されています」(澤田さん)
怪我の心配が少なく、左右の手を素早く動かす動作は脳を活性化させる効果も期待できる。教育機関のレクリエーションをはじめ、高齢者施設への導入も進んでいるそうだ。
「ほかにも企業の福利厚生や社内レクリエーションへの導入にもお薦めします。公式サイトには、大会、イベント、講習会のインフォメーションが掲載されていますので、チェックしてみてください。まずは、オンラインで開催中の体験会に参加していただきたいです。
ちなみに、日本の公式タイムでは、3・3・3が1.934秒、3・6・3は、2.473秒、サイクルは、7.004秒が記録されています。今から始める方でも、まだまだ競技人口が少ないので努力次第で、日本代表も夢ではありませんよ。一緒に世界を目指しましょう!」(澤田さん)
取材・文/菅野茂雄 写真/内田紘倫