その汗はいい汗? 漢方医学的に改善した方がよい3つの汗っかき(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回は汗っかきな体質について。
汗をかく = 代謝の良いカラダとは限らない
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
スポーツで汗をかくのは気持ちがいいですね。でも気温や湿度が高くなってくると、かきたくない場面でも汗は出てしまうもの。体温をコントロールする役目の汗ですから、必要に応じて汗をきちんとかけることは大事です。
一方で風邪をひきやすいし疲れやすいし、そのうえ汗っかきとか、ほんの少し歩いただけで顔が真っ赤になって汗が出るとか、動いてないのにいつも汗をかいている方はちょっと注意が必要です。
“汗をかく=代謝が良いステキなカラダ”とは限らないのです。
体質改善をした方がいい汗
汗をコントロールするには「気」のエネルギー、カラダの中の熱、水分のバランスなどが関係しています。これらが乱れていて汗をかくなら、それは体質改善の余地ありです!
① 漏れ出る汗:気不足の汗っかき
漢方の世界でいう気のエネルギーには、体表にある汗が出る穴を開いたり閉じたりする役割があります。気が不足すると汗の穴は開きっぱなしになり、汗が漏れ出ます。
カラダの表面をまもる気が充実していないことは、汗を漏れ出させるだけでなく、風邪をひきやすく疲れやすい体質を助長します。
② 発熱して出る汗:内熱が原因
普段から暑がりだったり、末端には冷えを持っているのに少し動くと顔や上半身が熱くなって汗がふき出るのは、どちらもカラダの内側にこもった熱が原因です。偏った食事やホルモンバランスの乱れが関係していることが多いです。
③ あふれる汗:水分溜めすぎの汗
余計な水分をカラダに溜め込んでいるタイプです。むくみや軟便を伴ったり、頭痛や重だるさを感じやすい特徴があります。「キャパオーバーにつき、溜め込んだ水分は不本意ながら汗として出させていただきます」というカラダの声が聞こえてきそうです。この汗もまた理想的なかき方とは言い難いですね。
食事と睡眠の見直しを
今述べた3つの体質はそれぞれ、気のエネルギーを補う、熱をとる、余計な水分を溜めない養生が必要ですが、なかには複合体質の方もいらっしゃいます。
小中学生ころまでの汗っかきな体質はまだ発達の途中ですのでそれは問題ないとして、大人になって変な汗のかき方をしていると思ったら、まずは食事と睡眠の見直しから始めてみましょう。
本当に代謝が良いカラダになれば、汗っかき体質だけでなく、思わぬところで体調が良くなる実感もあるはずです。
これからが旬の夏野菜はカリウムを多く含み熱をとってくれるものが多いです。もちろん食物繊維も豊富。これらも上手に活用して、本当に代謝の良いカラダを作っていきましょう!