GW休みこそ意識したい漢方の教訓「六不治(ろくふち)」(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
「漢方薬店kampo's(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里さんが漢方医学視点からのカラダづくりを提案する連載「漢方でつくるヘルシーボディ」。今回は病気を治すための心得をご紹介します。
GWの心得は漢方の古典にあり
漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
ゴールデンウィークですね! 今年は3連休が2回ありますが、うまく有給が取れて中には10連休という方もいらっしゃるでしょう。長いお休みに心浮き立つものですが、休み明けの日常を取り戻すのに毎年苦労する!!ということはありませんか?
疲れが残ったり、気持ちがついていかなかったり、いわゆる五月病に悩んだ経験のある方も多いはず。せっかくのゴールデンウィークですから、しっかり満喫した上で、休み明けを前向きにスタートさせるエネルギーも養っておきたいですよね。
こんなときに思い出してほしい漢方の教訓があります。
「どういう時に病気が治らないか」をまとめた六つの原理で「六不治(ろくふち)」と呼ばれます。これがなかなか鋭くて面白いのです。
古代中国の歴史書『史記』に登場する古い記述ですが、昔も今も同じだなぁと思わされます。今回は六不治のうち、ゴールデンウィークにぜひとも意識していただきたい三つの原理をピックアップしてご紹介します。
NG① おごりたかぶって、やりたいことしかやらない人
「自分は大丈夫!」「風邪なんか酒飲んで治す!」などと言って、自身のカラダを顧みずに無理なスケジュールを押し通したり、そんなことできるはずないのに飲酒で風邪を治そうとする人です。見たこと(したこと!?)ある風景ですね。
NG② 健康よりもお金を重視する人
カラダを思った食事や運動、養生をする時に「無駄遣い」という意識があると、こうなりがちです。安い菓子パンを喉に流し込むように食事を済ませたり、休憩や睡眠時間を削って活動するのは、一昔前に見られた美学かもしれません。
しかし現代のスマートな実業家・起業家さんほど、健康の大事さをよく理解されている方が多いですよね。お金も大事ですが、健康を蔑ろにしてはどうにもなりません。
NG③ 衣食住がなってない人
気候に合わせて、着る物や環境の温度・湿度を調節することは大事です。また過度の飲食、冷たいものの摂りすぎも現代人が陥りやすい不養生です。
ゴールデンウィーク時期は夏のように暑い日があったり、逆に冬のように寒い日があったり、過ごし方に器用な対応を求められることが多いです。快適な気候ばかり想定したスケジュールでは立ち行かないことも! 臨機応変に楽しむ準備もしておきましょう。
いかがでしょうか?ひとつでも当てはまるなら五月病予備軍です。ゴールデンウィークもその後も、前向きに楽しく過ごすためにちょっと心がけてみてください。素敵な連休になりますように。