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自律神経を整える、東洋医学3つのキーワード

東洋医学で自律神経を調える

陰と陽のバランスを重視する東洋医学は、交感&副交感神経とも関わりがありました。3つのキーワードから考える「東洋医学と自律神経」

教えてくれた人

瀬戸郁保さん/〈源保堂鍼灸院〉院長。東洋医学の学問と技術を集約させた伝統的な「本治法」を中心に治療を行う。短時間でカラダに負担をかけない鍼灸治療には定評あり。genpoudou.com

キーワード① 陰陽(いんよう)

中国四千年の歴史で育まれた思想の根幹、それが「陰陽」という考え方。森羅万象はすべて陰と陽という対立する気で成り立っている。たとえば太陽、光、夏、男性は「陽」、月、闇、冬、女性は「陰」。

「それでいうと、日中太陽が出ているときに働く交感神経は陽、日没から夜明けにかけて働く副交感神経は陰と考えられます。自律神経は陰陽を分ける神経と言い換えても差し支えないでしょう」(鍼灸師・瀬戸郁保さん)

東洋医学が得意とするのは外科的治療ではなく、全身のバランスを調整して病気を未然に防ぐこと。自律神経の乱れで起こる不調改善にはまさにもってこいのメソッドだ。

キーワード② 経絡(けいらく)

自律神経に関わりが深いのは、東洋医学でいう五臓六腑の「」。西洋医学の胆囊に相当する臓器だ。

「夜空に見える“”と、太陽が地平線に昇ってくる“”を合わせた漢字が“”。 夜と昼の切り替わりという意味で自律神経のバランスに関わる代表的な臓腑です」(瀬戸郁保さん)

東洋医学ではエネルギーの通り道を経絡と言う。12本ある経絡(下のイラストはその一部)にはそれぞれ担当の臓器があり、胆の経絡からもそのことが窺える。

「胆の経絡は顔から側頭部を経由してカラダの横を通ります。カラダの前は陰、後ろは陽なのでその境界を走る胆の経絡は陰陽バランスに関係していると考えられます」(瀬戸郁保さん)

12本の経絡図

キーワード③ 流注(るちゅう)

12の経絡と干支を一日24時間に配当し、これに即して過ごすという子午流注(しごるちゅう)という考え方がある。下の図がその概要。

子午流注の概念図
子午流注の概念図

12の経絡と干支を組み合わせた生活時間帯。経絡の気の流れは2時間単位で変化していき、その時間帯に従って睡眠、排泄、食事、日中の活動を行えば健康維持に繫がる。

「自律神経に関わる胆の時間帯は23時から午前1時に当たります。前日と翌日を分かつ、夜と昼の真ん中ということでもあるので、やはり胆が自律神経と関係していることが分かります」(瀬戸郁保さん)

午前3時〜5時は起床の準備時間。これは西洋医学でいう血糖値を上げるコルチゾールが分泌される時間帯。午前5時〜7時には起床して日中は精力的に活動し、21時〜23時には眠りにつく

深夜の胆の時間にはぐっすり熟睡。これぞまさに自律神経の働きに即した過ごし方。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/小野寺光子 編集/阿部優子

初出『Tarzan』No.821・2021年10月7日発売

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