リラックスのための自己催眠。4ステップで実践「自律訓練法」| 夜の自律神経メンテ術⑨
自律神経の働きを支える良質な睡眠、その鍵を握るのは「交感神経→副交感神経」の切り替えだ。幸い、交感神経から副交感神経優位な状態へと移行する方法は多々ある。【夜の自律神経メンテ術】は仕事後〜就寝の間にできるメソッドを紹介。今回は「自律訓練法」。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾 監修/中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション)
初出『Tarzan』No.821・2021年10月7日発売
自律訓練法で自己催眠をかける
就寝時刻が迫ってもリラックスできないと感じたら、試したいのは、自律訓練法。一種の自己暗示だ。
「カラダの内面に意識を向けて雑念を払い、副交感神経を優位にする調整法です。大事な試合の前夜、気持ちが高ぶって寝付けないアスリートにも自律訓練法を薦めており、入眠しやすくなると好評です」(トレーナーの中野ジェームズ修一さん)
自律訓練法には長い歴史があり、副交感神経がオンになるというエビデンスは多いけれど、フルコースでやるのは大変。そこで今回はトレーナーの中野さんに、短時間で自律訓練法のエッセンスが味わえるショートバージョンを教えてもらった。
最後に呼吸の長さに注目する以外は、あえて回数を決めず、ゆったりした動きに意識がしばらく向けられたらOK。
① 胸郭の動きに意識を向ける
- 床にあぐらをかいて坐る。
- 両手を肋骨の下に添える。
- 鼻からゆっくり深く息を吸って胸郭を広げたら、
- 口からふーっとゆっくり深く息を吐いて胸郭を閉じる。
- 両手で胸郭の動きを感じつつ、
- 意識をしばらく呼吸に向ける。
② 心拍に意識を向ける
- 両手を心臓(みぞおち)に重ねて軽く押さえる。
- 鼻から息を吸い、
- 口から息を吐く呼吸を普通に続けながら、
- 両手で心臓のトクトクした拍動を感じつつ、
- しばらく意識を向ける。
③ 脈拍に意識を向ける
- 手首の外側から反対の手のひらを巻き付け、
- その手首を心臓(みぞおち)の高さに持っていく。
- 鼻から息を吸い、
- 口から吐くゆったりとした深呼吸をしながら、
- 脈拍を指でしばらく感じる(注意散漫になるので、脈拍はあえてカウントしない)。
- 左右どちらかの腕で行えばOK。
④ 呼吸の長さに意識を向ける
- 両手をヘソに重ねて軽く押さえる。
- 4カウントで、鼻からゆっくり深く息を吸ってお腹を膨らませる。
- 8カウントで、口からゆっくり深く息を吐いてお腹を凹ませる。
- 最後はあえて回数をカウントして呼吸の長さを意識する。
- これを6回繰り返す。