睡眠前にココロとカラダの力を抜く「筋弛緩法」| 夜の自律神経メンテ術⑧
自律神経の働きを支える良質な睡眠、その鍵を握るのは「交感神経→副交感神経」の切り替えだ。幸い、交感神経から副交感神経優位な状態へと移行する方法は多々ある。【夜の自律神経メンテ術】は仕事後〜就寝の間にできるメソッドを紹介。今回は「筋弛緩法」。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾 監修/中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション)
初出『Tarzan』No.821・2021年10月7日発売
筋弛緩法でココロとカラダの力を抜く
日中の興奮がいつまで経っても抜けないなら、心身の力みを消し去る筋弛緩法の出番。アスリートは力のオン・オフが自由自在だが、一般の人はカラダの力を抜くのが苦手。それでは心身の緊張が取れず、交感神経から副交感神経へバトンタッチできない。
筋弛緩法は、あえてカラダに一度力を入れてテンションを高めてから、一気にストンと力を抜くメソッド。
「緊張と弛緩の落差がそれだけ大きくなりリラックスを感じにくいタイプでも弛緩しやすいのです」(トレーナーの中野ジェームズ修一さん)
ポイントは、力を込めて緊張させる際、全力の60%程度の力に留めておくこと。フルパワーでテンションをかけすぎると、脱力しても緊張が抜け切れない恐れがあるからだ。
① 両腕(左右各3回)
- 床にあぐらをかいて坐る。
- 利き腕(この場合は右手)を床と垂直に高く上げ、
- 拳を握る。左手はラクなところに置く。
- 右腕を天井へ向かって力を込めて伸ばして、
- 一気にストンと脱力して右手を床に下ろす。
- 右腕の重みをしっかり感じる。
② 背骨(3回)
- 両手を膝の上に置いて力を抜き、
- 手のひらを天井に向ける。
- カラダを反らして背すじをグーッと伸ばし、
- 背中の筋肉を緊張させる。
- そこから一気にストンと脱力して背中を丸める。
- 脱力した背中の重みをしっかり感じる。
③ 背骨+背中(3回)
- 両腕を斜め下に大きく広げ、
- 手のひらを正面に向ける。
- 左右の肩甲骨を寄せて胸を張り、
- 背すじをグーッと伸ばして背中の筋肉を緊張させる。
- そこから一気にストンと脱力し、
- 両手を床について左右の肩甲骨を離して背中を丸める。
- 脱力した背中と腕の重みをしっかり感じる。
④ 両脚(左右各3回)
- べッドに移動して仰向けになり、枕に頭を乗せる。
- 両脚を腰幅程度に開いてまっすぐ伸ばす。
- 両腕は体側で伸ばす。
- 利き足(この場合は右脚)の足首を曲げ、
- 太腿の前の筋肉を緊張させて30度ほど持ち上げる。
- そこから一気にストンと脱力し、右脚をベッドに自由落下させる。
- 脱力して右脚の重みをしっかり感じる。