仕事パフォーマンスもUP!「計画仮眠」4つのルール|昼の自律神経メンテ術④
昼のタイミングでも自律神経を意識することは大切。ランチやマッサージでうまく気分転換をしつつ、集中力をキープしたい。さらに日中の過ごし方は、夜の睡眠にも大きな影響を及ぼす。【昼の自律神経メンテ術】では日中に実践できるメソッドを紹介。4つめは「計画仮眠」について。
取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗 ヘア&メイク/天野誠吾 スタイリスト/高島聖子 取材協力/菅原洋平(作業療法士)
初出『Tarzan』No.821・2021年10月7日発売
「計画仮眠」を取り入れよう
夜にぐっすり眠り、昼はシャキシャキ行動するのが当たり前、と多くの人は思っているが、実はヒトの睡眠リズムは2層性。起床時間から約8時間後と22時間後に眠気が襲ってきてまったりとした気分になる。朝6時に起きたとすると、午後2時と午前4時の時間帯だ。
ランチ後に瞼が重くなる、眠れない夜でも明け方にはウトウトするという経験をしたことは誰にでもあるはず。睡眠学ではこの状態を「睡眠圧が高まる」と表現する。じrどうして2層になっているのか、その理由はまだ分かっていない。
ヒトの睡眠リズムは2層性
作業療法士の菅原洋平さんは、この睡眠リズムを逆に利用し、日中、計画的な仮眠をとることをすすめている。
「日中の眠気を我慢し続けた果てに居眠りをすると、ハッと目を覚ました後、またウトウトするということを繰り返します。これは“睡眠慣性”という現象。計画仮眠をとるとこうした眠気を感じる時間は短くなります。昼間のパフォーマンスを上げるためにタイミングよく仮眠をとることをおすすめしています」(菅原さん)
自宅でのリモートワーク中、下記のルールに従ってぜひお試しあれ。
ルール① 眠くなる前に目を閉じる
眠気を自覚してから仮眠をとるのは禁物。一度睡眠の脳波が出てしまうと目覚めたときに覚醒モードに切り替わりにくく、頭がぼーっとする睡眠慣性に陥るリスク大。というわけで計画仮眠は眠気を感じる前、朝6時に起きた場合なら眠くなる2時間前の12時頃に。眠くなくても目を閉じるだけで脳はリラックスし、目覚めもスッキリ。
ルール② 座ったまま目を閉じる
リモートワークなら仮眠の姿勢はいかようにもできるが、頭を立てて目を閉じるのがセオリー。理由は頭を横にして眠ると深い睡眠に入ってしまい、夜間の眠りの質が落ちるから。基本的にはソファに寄りかかるなどの姿勢で目を閉じる。避けたいのは頭がぐらぐら動く「船を漕ぐ」状態。重力方向が変わると脳波が安定せず目覚めが悪くなる。
ルール③ 仮眠時間は最大30分までとする
計画仮眠では実際にグーグー眠る必要はない。目を閉じるだけでリラックス状態の脳波、アルファ波が出現する。もちろん、ウトウトしても構わないが、仮眠時間は長くても30分以内。それ以上になると眠りの深度が深くなり、やはり睡眠慣性に繫がる。年齢が若いほど短時間で睡眠深度が深くなるので、20〜30代は15分程度で切り上げること。
ルール④ 何分後に起きるかを3回唱える
「30分後に起きる」と3回唱えてから目を閉じると、30分の少し前から心拍数が高まり、カラダが起きる準備をする。これを「自己覚醒法」という。仮眠後の眠気がより改善し、実行するほどにスッキリ目覚められる練習効果も確認されている。
声に出して唱えるとより脳に情報がインプットされやすい。むろん、夜寝る前の習慣にしてもよし。