デスクワークで疲れたら…。4種目のリセット・ストレッチ|昼の自律神経メンテ術③
昼のタイミングでも自律神経を意識することは大切。ランチやマッサージでうまく気分転換をしつつ、集中力をキープしたい。さらに日中の過ごし方は、夜の睡眠にも大きな影響を及ぼす。【昼の自律神経メンテ術】では日中に実践できるメソッドを紹介。3つめは「筋肉の過緊張をほぐすストレッチ」について。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/ヤマウチショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾 監修/中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション)
初出『Tarzan』No.821・2021年10月7日発売
目次
まずは「カラダの前面」をリセット
リモートワークなどで坐りっ放しだと筋肉はこわばり、新陳代謝を促す血液とリンパ液の流れが悪くなる。それは自律神経の疲労を招くだけ。まず問題なのは、前面を覆う筋肉の連なり=フロントラインの過緊張。
「フロントラインは、筋肉を屈曲させる屈筋群の集まり。硬くなるとカラダが丸まって縮こまり、自律神経が乱れる一因になります」(トレーナーの中野ジェームズ修一さん)
フロントラインを一つひとつ伸ばすと時間がかかるから、今回は前面の屈筋群を「面」でまとめて効率的に緩めるストレッチの提案。また、“自然に直線はない”というように、カラダの動きも本来捻りを伴うから、スパイラルなポーズもやってみよう。
① フロントラインストレッチ
左右各20〜30秒×2〜3セット
- 両手にタオルを肩幅で持ち、しっかり張り、両腕を体側で下ろす。
- 左足を1歩分後ろに引き、爪先立ちになる。
- タオルを左右に引っ張りながら、
- 伸ばした両腕を半円を描くように天井へ引き上げて背中を反らし、
- カラダの前面をストレッチする。
- 呼吸を続けながら20〜30秒キープ。
② ファンクショナル・フロントラインストレッチ
左右各20〜30秒×2〜3セット
- 椅子の座面に左膝をつき、
- 座面から右足を半歩離して膝を曲げ、左の太腿の内側を軽くストレッチ。
- 両腕は体側に下げる。
- 右腕を後方斜め上方向へ伸ばして、右手を目線で追い、
- 左膝から右手までの対角線を伸ばすようにストレッチする。
- 呼吸を続けながら20〜30秒キープ。
続いて「カラダの背面」を伸ばす
フロントラインの屈筋群を柔らかくほぐしたら、引き続いてカラダの背面を走る筋肉の連なりであるバックラインも整えたい。バックラインには、前面と対照的にカラダを伸ばす伸筋群が連続している。
フロントラインとバックラインは、まさにコインの裏表。フロントラインの屈筋群が緊張しっ放しだと、バックラインは身動きが取れない。逆にフロントラインがほぐれても、バックラインの伸筋群がガチガチでは、自律神経のバランスは良くならない。
前面と同じように、背面も線ではなく面で一挙に伸ばすのがポイント。直線的な動きのストレッチと、カラダの機能を踏まえて捻りをプラスしたストレッチを組み合わせたい。
③ バックラインストレッチ
20〜30秒×2〜3セット
- 両手にタオルを持ち、椅子に浅く坐る。
- タオルを後頭部に回し、肘を曲げて脇を締める。
- 両脚を肩幅より広めにまっすぐ前に伸ばし、
- 膝を軽く曲げ、爪先を上げる。
- 両膝の間に上体を倒し、
- 両手でタオルを引いて首すじを伸ばし、
- 後頭部から腰背部まで満遍なくストレッチする。
- 呼吸を続けながら20〜30秒キープ。
④ ファンクショナル・バックラインストレッチ
左右各20〜30秒×2〜3セット
- 背もたれを左に向けて椅子を横にセットし、
- 背もたれに右足の裏をつけ、右脚の膝下を座面につける。
- 左脚は後ろに伸ばし、
- 爪先立ちになる。
- 左手で背もたれ、右手で座面を持つ。
- 左手を前方斜め右上へ伸ばし、
- 左足の踵と左手で大きな弧を描くように体側をしならせる。
- 呼吸を続けながら20〜30秒キープ。