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神保彰(じんぼ・あきら)/フュージョンバンド〈カシオペア〉を経てソロとして活動。『ニューズウィーク』誌の特集「世界が尊敬する日本人100」に選ばれる。国立音楽大学客員教授。
職種は違えど、そのスラッとした背すじは共通。なぜそんなに姿勢がいいのか、3名の著名人に聞いてみた。今回伺ったのは、ドラマー・神保彰さん。
神保さんは日本を代表するドラマー。高度なテクニックとダイナミックな演奏は、海外でも高い人気を誇る。それにしても姿勢がいい。ドラマーは猫背と思っていたのは偏見だったか。
「いやいや、腰をやられる人が多いんです。腰痛とかギックリ腰とか。演奏中カラダの軸が安定していないと、いろんな場所に負担がかかる。長いスパンで考えると姿勢は大事だと30代後半から考え始めて、今のスタイルへと変わってきたんです」(神保さん)
ただし、健康のためだけではない。背すじを伸ばすことで、演奏もよくなると考えたのだ。
「骨盤と脊髄を立てると、リズムもブレないと思いました。ドラムセットは四方を楽器に囲まれているから、それを叩く度にカラダが振られるのはよくない。
だから、自分のドラムのセッティングも、カラダの近くということを考えた。スネアという一番よく使う太鼓も、自分の両脚の間に挟むように置く。普通はもっと離して置くのですが」(神保さん)
写真中央にある白い楽器がスネアドラム。神保さんの脚に挟まれるように収まっている。普通はもっと膝から離して置かれる。
そして、コンパクトに配置することで、音色も変わってきた。
「楽器との距離があると、腕を伸ばさないと届かない。でも、近いと腕を曲げて叩ける。肘や手首のスナップを使うことで、スティックのスピードが上がったし、脱力して叩けるからドラム本来の胴鳴りするようなふくよかな音になったと思います」(神保さん)
実は、神保さんの奥さんはヨーガの先生だ。「ありがたいことに、家にパーソナルトレーナーがいるんですよね」と笑う。
「今、60代の入り口ですが、少なくとも80歳まではやろうと思っているんです。自分のカラダがどう変わっていくかは未知数ですが、姿勢はピンとしていたい。イスに座るときに背もたれを使わない、日々そんなことにも気をつけていますね(笑)」(神保さん)
取材・文/鈴木一朗 撮影/下屋敷和文
初出『Tarzan』No.818・2021年9月9日発売