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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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自分の思うままに自由に生きてきた窪塚洋介が信じてやまないのが腸の力。腸活が世界を変えると確信している。(雑誌『ターザン』No.817〈2021年8月26日発売号〉より全文掲載)
「昆布、ヒジキ、ワカメ、納豆、バーン!」。ラップのように言葉を継いでいくのは俳優の窪塚洋介だ。切れ味鋭い演技で人気を誇る彼のインスタグラムで話題となった。
窪塚のイメージと昆布はまったく合わないのだが、実は彼はSNSで「窪塚腸介」と名乗り、腸活をライフワークにするほどの実践者なのだ。きっかけは一冊の本だ。
「敬愛する兄貴で、不良だけど健康優良児という魅力的な人がいるんです。彼に、千葉にある酒蔵・寺田本家の先代(寺田啓佐)が書いた『発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方』(河出書房新社)という本を薦められた。これを読んで、腸活が大事とわかったんです」
ちょうどコロナの渦中、仕事はほぼキャンセル。腸に関連する本を何冊も読んで、寺田本家にも自身のYouTubeの取材で足を向けた。
「寺田さんは、あらゆる菌を大切にしていると言っていました。これがいると(酒がダメになり)酒蔵が廃業してしまうという“火落菌”もいる。普通の酒蔵は消毒滅菌するそうなんですが、寺田本家ではいろんな菌が共存することで各々がタフになり、共栄してバランスを保っていると。
悪さする強い菌に対して、弱いんだけどコイツだけには強いという菌がいたりして。そんな自然な状態が、非常に好ましいと思ったし、人間もそうあるべきなのではと。誰一人、無駄な人間なんていないって」
つまり、人間も腸も多様性が重要だということ。これがあるからこそ、何かが突出して不都合なことが起きることなく、調和された状態が持続できるのだ。
ただ、今ほとんどの人の腸は、多様性があるとはいえない。現代は、衛生的に菌が管理されているからだ。そして、この事実を突きつけられたときから、窪塚の腸活実践者としての生活が始まったのだ。
では、彼は実際には、どのような日常を送っているのであろうか。
「食事はビーガンというか、野菜穀物中心に、発酵食品とか“まごわやさしいな”を中心に食べています。でも、フレキシタリアン(フレキシブルなベジタリアン)だから柔軟に。酒は飲むし、たまには肉も食べる。
こだわりすぎてストレスは溜めたくないですから。食べる量は少ない。1日1.5食という感じです。具体的には朝はヨーグルトとかナッツやヘンプシード、それにミックスジュースに酵素を入れてとか。これが0.25食。
昼は好きなもので1食。今日ですか? 一風堂(ラーメン)です(笑)。夜は仲間と動くこともあるので、一緒に外食することもある。家では妻の腸活メニューで、“まごわやさしいな”のコンビネーションでちょこっと出してもらって、これが0.25食。
毎日、たくさん食べるのはよくないと思う。そして、寝る前の3時間は絶対に食べないし、できる限り夕食から朝食まで16時間は空けています」
このような日々を送るなか、食に対する考察も深度を増していった。
「日本は発酵天国ですね。これは本当にすばらしいことで、何の知識がなくても味噌汁飲むだけで腸活になっている。味噌汁、納豆、漬物、見渡せば植物性の発酵食品です。
先人たちはすごいなって思います。ずっと時間が経っても、僕たちを守ってくれているんだから。それから、野菜はオーガニックのものがいい。値段は高いけど、味はいいし栄養価も高い。
地球の環境や、そこで作られる野菜、そして菜食について興味のある人は『キス・ザ・グラウンド』と『ゲームチェンジャー』という映画を見てほしい。まじオススメです」
腸活を始めてから、体調はよくなったし、これまで以上に活力も湧くようになった。そして何より変わったというのが、なんと性格である。
「前は、駅でも電車でも道でも、腹が立ったら“この野郎!”ってなってたんだけど、そういうのが全然なくなった。穏やかになったというか。そもそも、子供の頃は普通で、後天的に荒れたタイプなんです(笑)。だから、元に戻った感じ。いろいろあって遠回りしたぶん、より安定感が出たかなと思ってます(笑)」
今、窪塚にはひとつの思いがある。それが、腸活を広めていくことだ。
「腸はすべてを司る宇宙だと確信しています。ここまでの話だって、僕がしゃべっているというより、僕の腸内細菌が話していると思っている。
腸活は間違いないという感覚があって、だからいろんな人に知ってもらいたい。みんながそれに気づけば、運命はいい方向に向かっていくと思う。穏やかで、豊かに、安全に暮らせる世の中。すべての人が腸活をすれば、そんな世界があっという間にできるはず。
YouTubeで『今をよくするTV』をやっているんですが、タイトルの通り今をよくする方法を探っていく番組。もちろん、腸活はそのメインテーマで、自分が俳優やミュージシャンをやってきたのは、腸活によって世界をよくするための、きっかけだったとすら思ってるんですよ」
取材・文/鈴木一朗 撮影/山城健朗
初出『Tarzan』No.817・2021年8月26日発売