問1. 上半身を構成する、主要な筋肉の名称を答えよ。
ストレングスを学ぶうえで頭に入れておきたいのが、筋肉の名前だ。今回は上半身(前面)の主要な筋肉の名称と、それらがどのような動作のときに働くかを確認していこう。
A:三角筋(さんかくきん) 肩を覆うように付着する筋肉で、前部・中部・後部に分けられる。腕を前に向かって持ち上げる、横にあるものに手を伸ばす、ものを頭上に持ち上げるといった動きなどで働く。
B:大胸筋(だいきょうきん) いわゆる「胸板」にあたる、胸の大きな筋肉。腕立て伏せの動作をはじめ、目の前にあるものを強く押す、大きな荷物を抱えるなどの動作で働く。
C:上腕二頭筋(じょうわんにとうきん) 上腕の前面の筋肉で、肘を曲げたときに「力こぶ」として現れる。肘を曲げた状態で荷物の入った買い物袋を持つ、箸を口に運ぶといった動作のほかにロープクライミングなどでもこの筋肉が働く。
D:腹斜筋(ふくしゃきん) 表層に位置する「外腹斜筋」と、深層にある「内腹斜筋」からなるお腹の側部にあたる筋肉。後ろを振り向くといった上体をひねる動作で働くほか、フッキンを行う際は腹直筋の働きを助ける。
E:腹直筋(ふくちょくきん) カラダの正面に位置する平たく長い筋肉。横に走る溝(腱画)と縦に走る溝(白線)によって区切られており、腹直筋が発達してなおかつ脂肪が薄いと、外からでも割れているように見える。脊柱を前に倒すときに働き、椅子から立ち上がる動作やあらゆるスポーツで使われる。
問2. 上で答えた筋肉のうち、大筋群を選べ。
- 大胸筋
- 上腕二頭筋
- 三角筋
- 腹斜筋
- 腹直筋
カラダに400ほどある骨格筋のうち、大きな筋肉またはいくつかの筋の集合体を「大筋群」という。上半身(前面)の中で大筋群に分類されるのは、大胸筋。鎖骨のあたりに位置する上部、真ん中あたりを指す中部、みぞおちあたりに位置する下部の3つに分けられる、大きな筋肉だ。
大筋群は骨格を支え、あらゆる動作の大もとになるという重要な役割があるほか、トレーニングをした際にカラダに大きな刺激が入り、効率的に基礎代謝や活動量を増やすことができるというメリットもある。そのため、日頃トレーニングの時間が限られている人や太りにくいカラダを作りたい人、短期間で筋肉を増やしたいという人は大筋群から鍛え始めるのが望ましいとされている。
大筋群は筋肉が大きい分、高い負荷にも耐えられる。しかし追い込んだときの回復が遅いという特徴があるため、大筋群をトレーニングする場合は頻度を落として1回のボリュームを増やすとよい。
一方小筋群(ここでは上腕二頭筋、三角筋、腹斜筋、腹直筋)は、扱える重量が小さい分疲労が溜まるスピードは早いが、回復も早い。ゆえに小筋群をトレーニングする場合は大筋群よりも頻度を増やし、ボリュームを少なくするとよい。
小筋群を鍛えると細部までバランスの取れたカラダを作ることができるため、ボディコンテストなどで美しさを極める目的がある人や、とくに引き締めたい部位がある人は取り入れるべき。疲労を分散させるためにも、大筋群のトレーニングと間隔を空けて導入を。