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【棚橋弘至・連載】第3回:肩を鍛えると増すもの、それはヒーロー感

©新日本プロレス

新日本プロレス「100年に一人の逸材」棚橋弘至。『Tarzan』本誌で連載していたコラムが、TarzanWebにお引っ越し。大胸筋のように厚く、起立筋の溝のように深い筋肉コラム第3回のテーマは「肩」について。

お家時間で、「筋肉」学んでますか?

全国のトレーニーの皆さん、朗報です。お家時間を有効に使う方法を見つけました! それは、多くのボディビル関連のYouTubeを見ること。そして、それを見ることによって、専門知識とトレーニング意欲を高めることです。

えっ!? すでにみんなやってる!? 今さら何を言っているんだ棚橋は。…という声がエアで聞こえてきそうですが、あらためて、お伝えさせて下さい。

最初に観たのは、なかやまきんに君さんの「ザ・きんにくTV」。先日の東京ノービスボディビル大会75キロ超級で見事に優勝されましたね。食事や大会までの調整法など、とても分かりやすいです。他にも、時間があればずっと観ていられる、ためになるモノが多いです。

しかし、これらのYouTube動画をよりよく理解するためには、最低限の基礎知識が必要となってきます。受験勉強で例えると、応用問題を解くには基礎問題を解く力をつけておく必要があるということです。そこで、繰り返し基礎知識を丁寧に教えてくれるトレーニング雑誌が必要になります。探しました。そして、見つけました。『ターザン』でした。

はい! というわけで、こうして僕は社会を生き抜く知恵と筋肉知識を身につけてきた訳ですが(笑)、今回のコラムでは「」をピックアップして書いていきます。

「肩」はクセが強い!

「肩」。一言でいうとクセが強い部位ですね。カラダの目立つ部分にあるのに、大きい筋肉とは言えない。大きい筋肉とは言えないのに「肩前」「肩横」「肩後ろ」と、分けてトレーニングしないといけない。この3つをすべて総動員して、プレス系も必要かと思えば、アップライトローなどの持ち上げ系もやりたい。

さらに、鍛え方も、バーベルでできるし、ダンベルもやりたいし、ケーブルでもできるし、ジムには肩トレのマシンがたくさんあるし…もうっ!

しかも、こんなにもたくさんトレーニング方法があるのに、1番デリケートでケガをしやすい部位だという曲者。肩関節は関節の中でも複雑な構造になっているし、痛めやすいし、効かせ方も難しいのです。

まず、レイズ系をやるときは、上げすぎない、下げすぎない、つまり筋肉のテンションが抜けないことが必要となります。また、プレス系種目をやるときも同じで上げすぎず、下げすぎない。加えて、ちゃんと真上にプレスできているかどうか?も大事です。カラダを反らし過ぎると胸上部を使ってしまうし、ダンベルなどは上げる方向がズレると腕に効いてしまうからです。

肩の大きさ、それはヒーロー感。

さて、皆さん。肩ですが、こんなにもたくさん鍛える方法があるのに、効かせ方が難しく、しかも、ケガをしやすい。さらに言うと、筋肉の中では小さい部位に入り、すぐ効いてしまう…。って、やっかいですよねー。やっかいなんですけど、だからこそ、肩が発達している人には、同じトレーニーからリスペクトの眼差しを向けられることになるのです。

特にフィジークの選手は肩の発達が大事になってくるので、丁寧にトレーニングされている姿をジムでお見かけします。単純に肩が発達すると、自然と肩幅が広くなり、逆三角形のカラダに近づきますよね。プラス背中を鍛えると、さらにそれが際立ちますね。

新日本プロレスでも胸の大きい選手、腕が太い選手はたくさんいますが、肩が発達している選手は限られてきます。僕から見て羨ましい肩の持ち主は、飯伏幸太選手SHO選手でしょうか。

肩が大きいと何がいいかって? それは、ヒーロー感が増すということです。皆さん、漫画やアニメのヒーローを思い出してみて下さい。キン肉マンや北斗の拳、ドラゴンボールの悟空など、肩の筋肉が顔と同じか、それ以上に大きく描かれているのです。つまりヒーローは肩が違うんですね。そして、これは2次元だけでなく、3次元でも同じことが言えるのです

話をまとめると、肩の筋肉の構造は複雑で鍛えるのが難しいけど、その分しっかり鍛えて、発達した大きな肩を持っていると見返りが多いということです。

さぁ、みんなで肩を鍛えまくりましょう。「人は見た目で判断してはいけない」と、小さい頃から教わってきましたが「トレーニーは肩で判断される」のは、まぁ受け入れるしかないですね(笑)。

さ、僕も今月は肩強化月間にします。けど、このコラムを読んでくれた皆さんが、肩トレを一斉にやり始めるかもしれない…となると、ジムの肩トレスペースが混みそうで困るなぁ。

次回は「100日間ダイエットに挑戦中です」の予定です。

棚橋弘至

たなはし・ひろし/1976年生まれ。新日本プロレス所属。立命館大学法学部卒業後、1999年デビュー。低迷期にあった同団体をV字回復に導き、昨今のプロレスブームをリング内外の活動で支える。

本連載『モテ筋肉でいいじゃないか』は毎月・第2金曜日に公開予定。次回は、2021年7月9日に公開予定です。

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