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不安定な姿勢でも、しなやかに動けるか。
アスリートでもない限り、自らのモビリティ (=可動性|自分のカラダを思い通りに動かせる能力)のレベルがどの程度かは、まったく想像できないもの。
運動不足だと基本的にモビリティは落ちる。そして、コロナ禍ではおうち時間が増えて活動量が減り、モビリティの低下には拍車がかかっていると覚悟した方がいい。
そこでトライしたいのは、自らのモビリティのレベルを知るテスト。
モビリティを確かめるうえで重要なのは、あえて接地面が狭く、全身を連動させて行う動きを選ぶこと。坐って両腕を伸ばす長座体前屈のように、安定した姿勢だと、モビリティよりもフレキシビリティ(柔軟性)が問われやすい。けれど、全身の連動が求められる場面でも動きをしなやかにコントロールできて初めて、モビリティが高いと言えるのだ。
テスト1|両腕を上げてフルスクワットを行う。
「オーバーヘッド・フルスクワット」で股関節、足関節、胸椎のテスト
- 両手でバー(または傘)を肩幅より広めに持ち、両腕を耳の真横でまっすぐ伸ばす。
- 両足を肩幅程度に開き、爪先を平行にする。
- お尻が膝よりも低くなるまで深くしゃがむ。
テスト2|片脚立ちでバランスを取りながら手足を伸ばす。
「ワンレッグ・リーチ」で股関節、胸椎、肩甲胸郭関節のテスト
- 両足を揃えてまっすぐ立つ。両腕を体側で下げる。
- 左脚を後ろにまっすぐ伸ばしながら、上体を股関節から前傾させる。
- 両腕を床に伸ばし、指先で床にタッチするイメージで上体をさらに深く倒す。
- 左右を変えて同様に行う。
テスト3|片脚立ちで両腕を左右に大きく広げる。
「ワンレッグ・リーチ・ウィズ・サムアップ」で股関節、胸椎、肩甲胸郭関節のテスト
- ワンレッグ・リーチと同じように、片脚を上げながら上体を倒す。
- 親指を天井に向けるサムアップをして両腕を伸ばして肩の高さで左右に広げる。
- 左右を変えて同様に行う。
テスト4|片足を大きく踏み出し、胸郭をツイストする。
「ランジ・ローテーション」で股関節、胸椎のテスト
- 両手でバー(または傘)を肩幅より広めに持ち、首の後ろに乗せる。
- 両足を腰幅に開いて爪先を平行にする。
- 左足を大股1歩分前に踏み出し、前後の膝を60度曲げてしゃがむ。
- 胸を左に向けるように胸郭をツイストさせる。
- 左右を変えて同様に行う。
テスト5|片足を大きく踏み出し、胸郭を真横に倒す。
「ランジ・フレクション」で股関節、胸椎のテスト
- 両手でバー(または傘)を肩幅より広めに持ち、首の後ろに乗せる。
- 両足を腰幅に開いて爪先を平行にする。
- ランジ・ローテーションと同じように右足を大股1歩分前に踏み出してしゃがむ。
- 腕を伸ばして上体を右側に倒したら、正面に戻り、左側にも倒す。
- 左右を変えて同様に行う。
テスト6|世界でもっとも偉大なストレッチに挑む。
「ワールド・グレイテスト・ストレッチ」で股関節、胸椎、肩甲胸郭関節のテスト
- 両足を揃えてまっすぐ立ち、右足をできるだけ遠くへ踏み出して、しゃがむ。
- 左手を肩の真下で床につき、右肘を曲げて右膝につける。
- 胸郭を右側へ捻り、右腕を左腕の延長線上に伸ばし、指先を天井に向けて顔も天井に向ける。
- 左右を変えて同様に行う。
テスト7|スモウの蹲踞の姿勢でストレッチ。
「スモウストレッチ」で股関節、足関節のテスト
- 両足を肩幅よりも広めに開き、スモウの蹲踞をするようにフルスクワットをしてしゃがむ。
- 両手で爪先を持つ。
- 両手で爪先を持ったまま、背中をまっすぐに保ちお尻を高く引き上げる。
テスト8|蹲踞の姿勢のままで胸郭をツイストする。
「スモウストレッチ・ウィズ・ローテーション」で股関節、足関節、胸椎、肩甲上腕関節のテスト
- スモウストレッチのスタート姿勢を取る。
- 右腕を後ろに伸ばしながら、胸を右側に向けて胸郭をツイストして指先を見る。
- 左右を変えて同様に行う。
ここで紹介した8つのテストをやってみて、各々のチェックポイントがオールクリアできなかったら、モビリティが衰えている恐れが。各テストに、その動きの鍵を握る関節を明記したので、弱点と思われる関節を意識しながら、目的別ストレッチに励もう。