転ばぬ先の杖ならぬ、ベルト。転倒リスクを予測する《SMART BELT PRO》、+Style本店で発売開始

文/本田賢一朗

〈プラススタイル〉は、歩行パターンから転倒リスクを検知するスマートベルト《SMART BELT PRO》を+Style本店で発売開始した。

SMART BELT PROとアプリ画面
電源のOn/Offの必要がなく、ベルトとして使用するだけ。2万9700円(税込み)

《SMART BELT PRO》は、ウエストサイズや歩数、食べ過ぎの感知といった機能はもとより、腰回りのセンサーで左右の足のバランスと踏み出すスピード、踏み込む力の「歩行パターン」を分析し、転倒する確率を予測する。

ニューヨーク市のアメリカ老人学会とソウル大学病院で50歳以上の男性106名を対象に臨床実験も行ない、この「転倒リスク予測」機能で、昨年のCES2020のinnovation awards(革新賞)を受賞している。

これまでも高齢者の転倒・転落に備えた製品はあったものの、そのほとんどが屋内施設など特定の場所に設置されたもので、転倒したことを事後に伝えるにとどまっていた。

日本国内では65歳以上の3人に1人が年に1回以上転倒するという統計もあり、骨折など外傷によりその後の生活の質を下げかねない。普段身に着けるベルトが転倒リスクを予測してくれ、注意して行動ができる点で画期的だ。

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アプリの転倒リスク予測画面
歩行スピードとカラダの左右バランスを見える化。リスクをLOW、HIGHで評価する。
アプリの表示
ウェスト、歩数、カロリー計算、非活動時間を表示。

日々の生活、特に歩くという基本活動から身体機能が低下していないかを推測。健康管理に必要なデータをアプリで管理するので、本人だけでなく離れて暮らす家族もカラダの小さな変化を確認できる。ウェアラブルデバイスが予防医学の一助になるべく進歩していると感じるアイテムだ。

バックルに埋め込まれた磁器センサーでウエストサイズをリアルタイムで計測、また食べ過ぎでベルトを緩めた状態で一定時間過ごした回数をカウントし、食べ過ぎを教えてくれる説得力はベルトならでは。

ベルトをしなくなっているファッションのトレンドにあって、ファッション小物の復権としてみても面白い。

転ばぬ先の杖ならぬ、ベルト。スマートかどうかの物差しは、やはり腰ということか。