筋肉の柔軟性から関節可動域を数値化、自己のモビリティ分析にも役立つギアが誕生。その名も《TE3モビリティスティック》だ。
全長約1mのスティック状の本体には複数のセンサーが内蔵。関節の動きに沿って本体を動かしボタンを押すだけで、基準点に対する関節の角度に加え、回転や傾きなど立体的な測定も可能にする。測定値はBluetoothを介して専用アプリに瞬時に自動転送される仕組み。
《TE3》とは? 13項目のテストで何が分かる?
- 測定種目名
- 一般的に目標となる角度(基準値)(TE3社の独自調査によるビッグデータに基づく)
- 左側の測定値
- 角度における左右差
- 右側の測定値
- 一般基準と比較した可動域の高低
- Immobility:基準値よりも10%以上低い
- Target:基準値の±9%以下
- Hypermobility:基準値よりも10%以上高い
年齢と性別、痛みや張りを感じる部位の有無を入力して、全身のモビリティを総合的に把握できる計13項目のテストムーブメントを実践。各国で収集されたビッグデータに基づく基準値が、一つの目安。
それと比較しながら可動域の角度と低中高の3段階のレベル、左右差がアプリで確認できる。人並み外れた高度なパフォーマンスを求められるアスリート以外は、Target(緑色)に匹敵する値となるのが理想的。
モビリティを熟知するトレーナー・齊藤邦秀さんの監修のもと、《TE3》で判定できる13の可動域について徹底解剖!
判定できる13の可動域。
1/20
テスト1:脊柱回旋
脊柱起立筋の柔軟性とそれに拮抗する筋力をチェック。胸椎を中心とした脊柱の回旋ができるかが鍵となる。直立姿勢の状態で両腕をクロスさせてスティックを持ち、骨盤の向きをなるべく固定したまま、上半身を左右に回旋させる。
テスト2:脊柱側屈
脊柱起立筋の柔軟性とそれに拮抗する筋力をチェック。腰椎や胸椎を中心とした脊柱の側屈状態などを見る。直立姿勢の状態で両腕をクロスさせてスティックを持ち、骨盤の水平をなるべく保ったまま、上半身を左右に側屈させる。
テスト3:足関節背屈
足首の曲げ伸ばしを通して底屈筋(伸ばし)の柔軟性と背屈(曲げ)の筋力を確認。仰向けになり膝を伸ばしたまま足を背屈させる。片足の足裏にスティックを踵から第2趾のラインに沿わせて測定。
テスト4:足関節背屈位の股関節屈曲
股関節伸筋群の柔軟性と屈筋群の筋力を確認。この動作には脚全体の裏側の柔軟性も関与。仰向けになり膝を伸ばす。足首が直角になるように曲げて、膝を伸ばしたまま片脚を真上に。一連の脚の動きにスティックを沿わせて測定。
テスト5:股関節屈曲
股関節伸筋群の柔軟性と屈筋の筋力をチェック。股関節をどこまで屈曲できるかを確認。仰向けになり膝を伸ばす。足首をリラックスさせた状態で、膝を伸ばしたまま片脚を真上に。一連の脚の動きにスティックを沿わせて測定。
テスト6:股関節外転
股関節内転筋群の柔軟性と外転筋群の筋力を確認。脚を開く=股関節を外転した状態を見る。横向きになり肘を立てて頭を支える。カラダをまっすぐに保ちながら片脚を上げる。一連の脚の動きにスティックを沿わせて測定。
テスト7(1):股関節伸展
股関節屈筋群の柔軟性を確認。脚を後方に伸ばす=股関節を伸展させた状態をチェック。高さのある机に腰背部を乗せて仰向けに。両手で膝を抱えてから、片膝を離して下ろしていく。股関節から膝にスティックを沿わせて測定。
テスト7(2):股関節伸展時の膝屈曲
股関節を伸展させた時の膝関節の可動域を確認。高さのある机に腰背部を乗せて仰向けになる。両手で膝を抱えてから片膝を離し、下ろしていく。この状態における膝から外くるぶしにスティックを沿わせて測定。
テスト8:股関節外旋
股関節内旋筋群の柔軟性と外旋筋群の筋力を確認。うつ伏せになり前頭部を手の上に乗せる。頭の位置を保ったまま片膝を直角に曲げ、膝下をカラダの内側に倒す。この状態における膝から外くるぶしにスティックを沿わせて測定。
テスト9:股関節内旋
股関節外旋筋群の柔軟性と内旋筋群の筋力を確認。うつ伏せになり前頭部を手の上に乗せる。頭の位置を保ったまま片膝を直角に曲げ、膝下をカラダの外側に倒す。この状態における膝から内くるぶしにスティックを沿わせて測定。
テスト10:股関節内転
股関節外転筋群の柔軟性を確認。横向きになり肘を立てて頭を支える。下側の脚の股関節と膝関節を直角に曲げ、上側の手を床につく。上側の脚を床に近づけていき、股関節から膝にスティックを沿わせて測定。
テスト11:肩関節屈曲
肩関節伸筋群の柔軟性を確認。仰向けになり脚を伸ばす。片腕を真上に伸ばしてからバンザイするようなイメージで手を床に近づける。肩関節の付け根から上腕骨外側顆にスティックを沿わせて測定。
テスト12:肩関節外旋
肩関節内旋筋群の柔軟性を確認。仰向けになり脚を伸ばす。片肘を直角に曲げ、肘を肩と同一線上につけたまま、前腕を頭部側に倒していく。上腕骨外側顆から尺骨の遠位端にスティックを沿わせて測定。
テスト13:肩関節内旋
肩関節外旋筋群の柔軟性を確認。仰向けになり脚を伸ばす。片肘を直角に曲げ、肘を肩と同一線上につけたまま、前腕を下肢側に倒していく。上腕骨外側顆から尺骨の遠位端にスティックを沿わせて測定。
「可動域のデータは、日々の運動で自分の強みを活かしたり、課題を解決するアプローチを考えるうえで便利です。また、自分のモビリティを把握する一つの指標としても役立ちます」(齊藤邦秀トレーナー)