骨盤矯正Naokoさんの特別講座|腹筋をソフトに割るなら、おしり筋を伸ばす!

硬くなったお尻の筋肉が、実は腹割りの障害となっていた! Naokoさん監修の、おしり筋のストレッチとトレーニングで、美しく割れたお腹を手に入れよう。

取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 ヘア&メイク/Mien イラストレーション/中村知史

初出『Tarzan』No.809・2021年4月22日発売

腹筋を割りたいなら、まずお尻の筋肉にアプローチすることから始めよう。

と言うのは、1万人以上の女性のボディケアを手がけ、絶大な支持を得ている骨盤矯正パーソナルトレーナー、Naokoさん。でも割りたいのは腹筋なのに、なにゆえお尻?

教えてくれた人
骨盤矯正Naokoさん
Naoko/骨盤矯正パーソナルトレーナー、〈Naoko Bodyworks〉代表。最新刊『体が硬くてもラクにできる! 1分おしり筋を伸ばすだけで劇的くびれ・美脚! 動画で動きがよくわかる!』(学研プラス)が発売中。

「お尻は骨格の土台です。お尻が怠けるとカラダが歪み、動かさない筋肉が多くなり、そこに脂肪がついてしまいます」

とくに動きが悪くなるのはコアの筋肉、すなわち腹。よってまずお尻の筋肉を整えるべし。いわば急がば回れの論法だ。

「アウターの大臀筋は縦方向に走っていて、インナーの筋肉は深層になるほど横に走っています。横に走っている筋肉は股関節を外旋させる、たとえば木登りのような動きで使われます。デスクワークの多い普段の生活ではほとんど使われないので硬くなり、結果的にコアが動かしにくくなってしまうんです」

骨盤矯正Naokoさん
左側が表層部の筋肉。縦斜め方向に走る大臀筋は歩行などで使われる。一方、横方向に走るインナーの小臀筋、梨状筋はデスクワークが多い普段の生活では使われず、硬くなる傾向が。

フッキンしても腹が割れるどころか首を痛めてしまう。プランクしても効いてる気がしない。そんな人はお尻の筋肉がガチガチになっている可能性大。そこで呼吸とお尻の動きを連動させたストレッチからスタートする。これが“Naoko流腹筋割り”の極意。

「呼吸で横隔膜や腹横筋などのインナーマッスルに働きかけるとお腹が引き上がり、おヘソが縦に伸びた魅力的なお腹になります」

エクササイズのやり方
  1. まずは呼吸法を習得。
  2. ストレッチ&トレーニングを週3回目安で行う。

まずは「呼吸とストレッチ」を習得!

お尻ストレッチの呼吸法

骨盤矯正Naokoさん
  1. 背中を壁につけて立ち、両足を1歩前に出す。両手は胸の高さで組み、4秒かけてゆっくり息を吸う。肩を上げないように。
  2. そのまま8秒かけて息を吐く。みぞおちを壁に押し付けるようなイメージで行うと横隔膜の動きを自覚しやすい。

ストレッチ

凝り固まったお尻まわりを伸ばして、コアを覚醒させる。ストレッチは全て左右とも行い、各3〜5呼吸ぶんキープする。

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股関節ほぐし

骨盤矯正Naokoさん
  1. 正座をし、上体を軽く前傾させて床に両手をつく。
  2. 掌ではなく指を床に押し付けるように。
  3. 片脚を後ろに伸ばし、逆側の脚の膝を外に開く。
  4. 息を吐きながらお尻を下げ、骨盤を床と平行に。
  5. そのままゆっくりお尻を左右に振る。
  6. 逆も。

ぶんぶんごま

骨盤矯正Naokoさん
  1. 立て膝姿勢から膝を左に倒す。
  2. 両手を後ろにつく。
  3. 左のお尻をカラダの真ん中にずらす。
  4. 右のお尻を浮かせる。
  5. 右手を上げて、カラダの上から左手の横に回して床につける。
  6. 背中と腰まわりの捻りを感じながら3〜5呼吸キープ。
  7. 逆も。

背骨ひねり

骨盤矯正Naokoさん
  1. 仰向けになって膝を立て、脚を組む。
  2. 両膝を右に倒し、左手で右足の爪先を摑む。
  3. 息を吐きながら左膝を床に近づける。このとき顔は左に向ける。
  4. 背中と脚、腕の隙間に円を作るようなイメージで3〜5呼吸キープ。
  5. 逆も。

実践! 美しい腹を作るトレーニング。

お尻まわりの筋肉を伸ばしたら、いよいよ本丸の腹割りエクササイズ。最初は立った姿勢でお腹を引き伸ばし→床に手をついた立体バランスで下半身中心に刺激を入れ→仕上げは床に仰向けになりお腹を縮めて引き締める。

これを1セットフローで行う。今回はA、Bの2パターンを用意した。週3回行うなら、1週目はAパターン、2週目はBパターンと刺激を変えて続けてみてほしい。余裕があるときは立位→立体バランス→仰向けの順でA、B両方やってみよう。

Aパターン(ストレッチとセットで週3回目安)

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立位|のばし腹筋(左右交互に1分間)

のばし腹筋
  1. 両足を肩幅に開いて立つ。
  2. 両手を頭上に伸ばして左手で右手の手首を摑む。
  3. 息を吸いながら左に上体を側屈。
  4. 息を吐きながらゆっくり上体を元へ。
  5. ポイントは右足に体重を乗せて踏ん張ること。
  6. 左右交互にゆっくりと側屈を繰り返し。

立体バランス|開脚バランス(左右各30秒)

開脚バランス
  1. 両手を床につき、両足を前後に大きく開く。
  2. 前側の足は両手の外側で床につく。
  3. カラダを真ん中でキープしようとするとお腹に自動的に力が入る。
  4. そのまま後ろ足の踵を30秒間前後に動かす。
  5. 逆のポジションでも同様に。

仰向け|尾てい骨上げ(左右各30秒)

尾てい骨上げ
  1. 床に仰向けになって両脚を上げ、足首をクロスさせる。
  2. そのままコアを引き締めて尾てい骨を持ち上げる。
  3. 脚をカラダ側に引き寄せるのではなく、真上に引き上げるのがポイント。
  4. 30秒上下させたら足首のポジションを変えて。

Bパターン(ストレッチとセットで週3回目安)

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立位|トライアングル(左右各30秒)

トライアングル
  1. 両足を前後に大きく開いて立つ。
  2. 爪先を正面に向けるように。
  3. 両手は腰骨に当てる。
  4. そのままお腹に力を入れて後ろ足の踵をゆっくり上下させる。
  5. 息を吸いながら踵を上げ、吐きながら戻す。
  6. 30秒行ったら、逆ポジションで。

立体バランス|サイドヒップリフト(左右各30秒)

サイドヒップリフト
  1. 右手と両足を床についてサイドプランクの姿勢をとる。
  2. 左手は頭上にまっすぐ伸ばす。
  3. 両足を前後に開くとバランスをとりやすい。
  4. そのまま体側が床と平行になるまでお尻を引き上げる。
  5. 30秒お尻を上下させたら逆ポジションで同様に。

仰向け|肘つきコアトレ(1分間)

肘つきコアトレ
  1. 仰向け姿勢で両肘を床につく。
  2. 両脚を床から浮かせて膝を伸ばす。
  3. 交互にクロスさせながら低い位置からできるだけ高い位置まで上げていく。
  4. 呼吸を止めずリズミカルに行うこと。
  5. 脚を上げていくとき肩が上がらないよう注意。

これ、なにも女性向けのメソッドというわけではない。お尻や股関節まわりのアウターがガチガチ、お尻の筋肉が動かないから腰まわりに余計な負担がかかり、腰痛を引き起こしやすい男性にもかなり有効。

壁を使った壁呼吸で横隔膜の動きを意識し、呼吸と同時に行うセルフ整体でおしり筋ストレッチ。土台のお尻が整ったらエクササイズ。この3ステップ方式で、効率的にお腹割りを!