カラダを自在に操れるか? 全身連動力トレーニング|『ターザン』からの挑戦状(6)
ターザンのような、偏りのない身体能力を備えるため、8つのボディスペック[上半身力(前面)、上半身力(後面)、下半身力、体幹力、持久力、全身連動力、機能的柔軟力、バランス調整力]を手に入れよう。今回は、全身連動力のトレーニング課題に挑戦だ。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/齊藤良介 ヘア&メイク/天野誠吾 トレーニング監修/清水 忍(IPF代表)
初出『Tarzan』No.808・2021年4月22日発売
自らのカラダを自在に操れるか?
挑戦状への応え方
挑戦状の種目と条件がクリアできたら、合格。クリアできなかったら、負荷を落として合格水準クリアを目指してトレーニングを重ねる。バーベルがないなど挑戦状の種目が行えない場合、「挑戦状に応えるための自宅トレ(後述)」の2種目で研鑽を重ねる。
「(4)体幹力」と「(7)機能的柔軟力」は、挑戦状の種目と「挑戦状に応えるためのトレーニング」をどちらも行う。
ターザンからの挑戦状(6)クリーン(体重×10回)
- バーベルを肩幅で持ち上げ、股関節から上体を倒して太腿の前でバーベルを下げる。
- 左右の肩甲骨を寄せて、胸を張る。
- 踵で床を思い切り押し込んで軽くジャンプ。
- その勢いでバーベルを上方へ浮き上がらせる。
- けん玉で上げた玉を下からけん先でキャッチするように、上方へ強く跳ね上がったバーベルの下に素早く潜り込む。
- 手首を返して肘を前に出し、落ちてくるバーベルを強く握る。
パーツごとに磨きをかけても、すべてを連動させて使えないと宝の持ち腐れ。全身連動力を問うクリーンは、筋力があっても、上半身、下半身、体幹の力伝達がスムーズでないとこなせない。シャフトのみで動きのコツを摑んでから、負荷を徐々に足そう。
バーベルを用いないで全身の連動性を上げるなら、ジャンプが手軽だ。垂直方向のタックジャンプと、水平方向のロングジャンプを組み合わせて行う。
『ターザン』が考える理想のボディとは?
理想のボディの持ち主=アスリートというイメージは、実は正しくない。アスリートは競技に特化した練習を重ねるため、スペックには偏りがある。水泳選手の大半は走るのは不得手だし、長距離ランナーの多くは重たいウェイトを上げるのが苦手なのだ。
お手本にしたいのは、本誌のアイコンである、まさにターザンのようなボディ。彼は“ジャングルの王者”の異名を持ち、どんな状況でも自らと愛する存在を守る実力を備える。これからの不透明な時代を力強くサバイブするには、同じように偏りのない身体能力を備えたいもの。それが、8つのボディスペック[上半身力(前面)、上半身力(後面)、下半身力、体幹力、持久力、全身連動力、機能的柔軟力、バランス調整力]だ。
それぞれに定めたトレーニング課題をオールクリア、がベスト。達成できないなら、負荷を抑えながらトレーニングを続けてフィジカルを磨き、合格を目指したい。
挑戦状に応えるための自宅トレ。
評価に必要なバーベルなどのギアが手元にない場合は、自体重で行えるエクササイズを試そう。設定された回数&セット数をこなすことを目標にしたい。いずれも週2〜3回ペースで行うのが定石だ。
1. タックジャンプ(10回×3セット)
- 両足をジャンプしやすい幅に開く。
- 左右の肩甲骨を寄せて、胸を張る。
- 両腕を体側で下げる。
- 両腕を後ろから真上にスイングしながら、できるだけ高くその場でジャンプ。
- 同時に両膝を高く引き寄せ、両腕で抱えてから着地。
- 体幹を固めた状態で行うこと。
2. ロングジャンプ(10回×3セット)
- 両足をジャンプしやすい幅に開く。
- 左右の肩甲骨を寄せて、胸を張る。
- 股関節と膝を曲げて軽くしゃがみながら、両腕を後ろにスイング。
- 腕を前へ振りながら、全力で前方へ立ち幅跳びをする(3m以上跳べるのが理想)。
- 跳ぶときに上体をのけ反らせず、45度ほどの前傾を維持する。
- 着地したら踵まで床につけて完全に静止する。