春は「肝」が主役! 胃腸をいたわる3つのポイント(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)

漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、漢方薬店kampo’s(カンポーズ)薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。

漢方の考えで春は肝が主役の季節。この肝はストレスを感じやすいのが特徴です。特にイライラを始めとする情緒の不安定さは色々なところに飛び火します。まっ先にダメージを受けるのが脾(ひ)つまり胃腸なんです。

脾は消化吸収を司るところ。脾の機能不全はエネルギーの生成を妨げますから、疲れ、冷え、免疫力などあっという間に全身症状になります。春の肝(ストレス)ケアがいまいちで胃腸が疲れていそうなあなた、ここでうまいこと食い止めて巡りのよいカラダを早急に取り戻しましょう。

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脾の健康のために意識すべき3つのポイント。

① 睡眠

まずは睡眠です。朝と夜の切り替えはカラダのリズム、いい巡りを作る基本です。これは脾だけでなく全てのカラダケアにおいて大事にすべきポイントと言えます。体調の乱れを感じたら即ケアを。夜はやっと自分だけの自由時間、やりたいことはたくさんあると思います。

が、それって今、睡眠時間を削ってやるほど大事なことでしょうか? そもそも睡眠より大事なことってそんなに多くないはずです。体調がよく気持ちのいいカラダでお楽しみ時間を満喫するほうが二倍も三倍も楽しいです。とにかく睡眠時間を確保してください。

余った時間で眠るなんて、言語道断ですよ! 寝る前の深い呼吸は休息モードのスイッチですから、いい睡眠の助けになります。

②空腹の時間を確保する。

消化吸収に関わる「脾」ですから、胃腸を休ませましょう。現代人は多くの場合食べすぎです。暴飲暴食をしているつもりはなくても、食事の回数が必要以上に多いケースがあります。時間や習慣に任せて、カラダが必要としていないのに食べていることはありませんか?

おすすめは1日だけやるポイント断食です。お昼の12時に食事をしたら、次の食事は翌朝の6時というタイムコースがおすすめ。断食時間は18時間ですが、夜の睡眠時間に胃腸がしっかり休息できて、翌朝の食事で活動が再開する理想的なやり方です。中枢の体内時計と消化器系の体内時計がうまくリンクすることもおすすめの理由です。

③温める。

温かいことは巡りのいいカラダの必須条件です。お食事には最低でも一品、温かいメニューを取り入れてください。胃腸の動きがよくなり、血流などの巡る力が高まります。

漢方家としては気の巡りと水の巡りも一緒にととのうことを期待しています。逆に冷たい飲食物は注意です。とくに日頃から消化器系の強くない方、末端の冷えやすい方、筋肉不足の方、冷えは大敵です。入浴することと足首を温めることは、カラダの温まりにくいところを温めるうえで有効ですので実践してみてください。

足首をあたためる

春に起こりやすいストレスからの飛び火が起こらないよう上手に乗り切ってくださいね。

INFORMATION

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