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「前腕の陰影」を強調する|部位別・深彫りトレ

腕橈骨筋と前腕伸筋群/前腕の外側を走る腕撓骨筋と手の甲側の前腕を広く覆う前腕伸筋群。ここに明確なカットを作れば女子ウケ間違いなし。血管が出やすいパーツなので、腕まくりすれば春先から初夏にいちはやく精悍さをアピールできる。

筋肥大で大きくするより、普通に服が着こなせて、脱いでも着てもサマになる。そんなフィットしたカラダを目指すなら、「深彫りトレ」がおすすめだ。今回は「腕橈骨筋と前腕伸筋群」のトレーニング。

前腕を鍛えて脱がずにアピール。

盛るのではなく刻む。個々の筋肉を大きくするのではなく筋肉と筋肉の境目を強調する。深彫りトレーニングで理想のカラダづくりを実現しよう。これまでの筋肥大を目的としたトレーニングはアウトラインに着目したもの。一方、深彫りトレが着目するのは筋肉と筋肉の境目=セパレーション。これを強調した、いわゆるカット出しだ。

ひとつのカットを形成するふたつの筋肉を個別に使い込んでいくというのが最大のポイント。重いウェイトを持ち上げるのではなく、筋肉単体を最大に収縮させたり伸展させてカットを深くしていく。この方法なら1〜2か月で目的部位のカット出しは十分可能だ。

今回鍛えるのは「腕橈骨筋・前腕伸筋群」。

腕橈骨筋+前腕伸筋群

細かいパーツだが、前腕にカットを入れると日常的に“鍛えてる感”をアピールできる。カットによる陰影と浮き出た血管のダブル効果で女子ウケすることも間違いなし。動きは地味だが、効果は抜群。

自体重トレで鍛える2種目。

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ハンマーカール(腕橈骨筋)

ハンマーカール
  1. 右腕を伸ばし、左手で右手首を摑み、上からできるだけ大きな抵抗をかける。
  2. その力に逆らい、肘を巻き上げるように曲げる。
  3. フィニッシュで力を入れたまま2秒キープ。
  4. 15回行ったら逆も同様に。

リストエクステンション(前腕伸筋群)

リストエクステンション
  1. 床に立て膝をついて座る。
  2. 膝の上に掌を下にして片手の手首を乗せ、拳を握る。
  3. 反対側の手で拳を押さえ、できるだけ大きな抵抗を下向きにかける。
  4. その抵抗に逆らうようにして手首を返し、拳を持ち上げる。逆も。

ギアを導入したトレーニング。

自体重トレを15回×3セット、きっちり行えるようになったら段階的にダンベルやベンチ、チューブを取り入れたトレーニングへと駒を進めよう。常に刺激の種類を変えて筋肉を混乱させることが、短期間でカット出し効果を得るコツだ。

チューブで鍛える2種目。

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チューブハンマーカール(腕橈骨筋)

チューブハンマーカール
  1. 両足の下にチューブを通す。
  2. チューブのグリップを左右の手で持つ。
  3. 腕を体側で垂らしたときチューブがたるまないよう調節。
  4. 背すじを伸ばし、親指を上にしてチューブを胸の高さまで引き上げる。

チューブリストエクステンション(前腕伸筋群)

チューブリストエクステンション
  1. 柱やテーブルの脚などにチューブの片側を固定する。
  2. 床に座り、反対側のグリップを両手で持つ。
  3. 両膝は揃えて立て、腕を上に乗せて固定。
  4. この状態で手首を立てる→寝かせるを交互に繰り返し。

ダンベルで鍛える2種目。

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ダンベルハンマーカール(腕橈骨筋)

ダンベルハンマーカール
  1. 左右の手にダンベルを持ち、両脚を揃えて立つ。
  2. 腕を伸ばしてダンベルを体側にセット。
  3. 背中はやや丸めた姿勢をキープ。
  4. そのまま肘を曲げてダンベルを胸の高さまで持ち上げる。
  5. 肩を上げないこと。

ダンベルリストエクステンション(前腕伸筋群)

ダンベルリストエクステンション
  1. ダンベルのシャフトを左右の手に持つ。
  2. ベンチなどの上に上腕を乗せて固定する。
  3. 上腕をベンチにつけたまま手首だけを起こす→寝かせるを繰り返し。
  4. 手首を起こすときは限界までしっかりと。

「深掘りトレ」のポイント。

基本的に2種目ワンセットでひとつのカットを出していく。まずは自体重トレを15回×3セット、きっちり行えるようになったらダンベルやチューブなどを使ったアドバンスト種目へ進もう。

ちなみに、ダンベルはすべてのレンジで負荷をかけることができるが、垂直方向にしか負荷をかけられないので体勢が限定される。一方のチューブはレンジが限られるが主にフィニッシュ動作で最大負荷をかけられる。それぞれのメリット、デメリットを理解したうえで導入してほしい。

深彫りトレで最も重要なことは筋肉の最大収縮(筋肉を最大まで縮ませる)最大伸展(筋肉を最大まで伸ばす)を狙うこと。短期間でのカット出しはそれができてはじめて実現する。とくに最大収縮させたときの筋肉の“ギュッ”という感覚を大切に。

深彫りトレ4つのポイント
  1. 筋肉をギュッと縮める意識を持つ。
  2. まずは自体重トレをクリアすることから。
  3. レップ数は15回、丁寧に。
  4. 頻度は最低週2回、できれば3回。

取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修・指導/岡田隆(日本体育大学准教授)

初出『Tarzan』No.805・2021年2月25日発売

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