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歯周病を直すと血糖値が落ち着く?【イチから学ぶ血糖値⑥】

高くなっても痛くもかゆくもない血糖値。けれど放置すると、やがて体内は大変なことに。日本人に多い糖尿病の予防のためにも、正しく血糖値を知り、上げ過ぎない方法を知ろう。今回のギモンは、歯周病を直すと血糖値が下がるという噂について。

歯周病を直すと血糖値が落ち着くってほんと?

A. 高血糖の黒幕、歯周病をケアすれば効果あり。

歯科に通院を開始し、歯周病を治した患者の多くは、ただそれだけで血糖値が数%下がることが多数報告されている。2つの疾患を同時に治療することが非常に重要なようだ。

血糖値と歯周病? どうしてこの2つに関係があるのか。歯周病になると、歯周ポケット内の歯周病菌が毛細血管に侵入し、血流に乗って全身に回り、やりたい放題となる。

これに対抗する免疫細胞は、炎症を惹き起こす生理活性物質を産生し、殲滅を図ろうとする。そしてこの物質のせいで体内は炎症状態に陥り、血糖値を下げる唯一のホルモンインスリンの効きを悪くしてしまう。歯周病の影響は全身に及ぶ。

歯周病の放置は全身に悪影響を!
歯周ポケットから血中に流れ込んだ歯周病菌は、細胞壁の外側にエンドトキシン(内毒素)を持ち、これに対する免疫の応答で慢性炎症が起こり、インスリン抵抗性をもたらすと考えられている。
出典/「歯周病と全身疾患の関連口腔細菌による腸内細菌叢への影響」(山崎和久/『化学と生物』(54(9): 633-639)日本農芸化学会, 2016)

事実、糖尿病の疑いのある患者を診察する際に、口腔内の状態をチェックする医師が増えている。多くの人が歯周病も抱えているからだ。

「歯周病は、糖尿病の第6の合併症とも呼ばれています。治療しないと、血糖値の管理も難しくなります」(かたやま内科クリニック院長・片山隆司先生)

多くの人は歯周病はまだ口の中だけの問題だと軽視している。

「手をこまねいていると、最終的には歯を失うことにもなりかねません。歯を失えば嚙む力は弱くなり、食物繊維の豊富な食べ物が食べにくくなります」

そう、ベジファースト、そして血糖値コントロールのためには、歯のケアもマストなのだ。

取材・文/廣松正浩 イラストレーション/しりあがり寿 取材協力・監修/片山隆司(かたやま内科クリニック院長、日本糖尿病学会専門医、医学博士) 
参考文献/『名医が教える! 血糖値コントロール27の新常識!』(片山隆司監修/笠倉出版社)

初出『Tarzan』No.804・2021年2月10日発売

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