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ウサイン・ボルトから直に学んだ走法を多くの人に。筋肉図鑑 vol.41|和田賢一(ライフセーバー)

トレーニングの軌跡を偽りなく物語るもの、それが筋肉だ。第41回は砂浜に立てた旗を数人で競い合って取るビーチフラッグス。この競技で、全豪2位、世界2位、日本3連覇を達成したライフセーバーの和田賢一さんの筋肉に迫る。

【今回の筋肉】和田賢一さん
和田賢一
身長170.0cm、体重71.7kg、体脂肪率11.9%、骨格筋量59.9kg。1987年生まれ。2014年には単身ジャマイカに渡り、ウサイン・ボルト選手らから走力強化の方法を学ぶ。YouTube『走りの学校 presented by 走り革命理論』では、スプリント走法による走力アップの動画を公開。

速く走れるほど、救える命が増える。

海で人を救助するためには走力、持久力、筋力など幅広い能力が求められます。ライフセービングから派生したビーチフラッグスは、競技を通じてそのスキルの一部を高められるのが魅力です。

カラダで一番自信があるのは肩甲骨の可動域。肩甲骨には前鋸筋をはじめ多くの筋肉が関与しますが、自由自在に動かせます。ビーチフラッグスでは、砂浜に腹這いになった状態から、スタートの合図を受けて瞬時に振り向く。その際に腕の力だけでなく肩甲骨から地面を押せると、立ち上がりが速くなります。

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和田賢一さんの【肩甲骨まわり】

和田賢一

ビーチフラッグスのスタート時、一瞬で強い力で地面を押さねばならない。「肩甲骨をグッと動かすことが重要!」。

和田賢一さんの【大臀筋】

和田賢一

「スプリントの走法では脚を高く上げるので、必然的に臀筋群を使います」。特にお尻の“頂”にあたる大臀筋が大きい。

和田賢一さんの【腹斜筋】

和田賢一

大臀筋同様、スプリントを行うなかで発達。「脚を引き上げる動作で上半身が回旋。腹筋トレは何もしていません!」。

僕は筋トレを好き嫌いで判断せず、目的を達成するための“ツール”と捉えて続けてきました。今は週3日のジムトレと週2のスプリントの個人練がメインです。

ライフセービングとの出合いはスポーツトレーナーになる過程で出席した、日本ライフセービング協会が主催する講習会。そこで、ライフセービングは誰かを救いたいという想いから生まれた競技だと学びました。自分が強くなるほど、速く走れるほど、救える命が増える。カラダを鍛えることが誰かのためになるサイクルが、僕にはしっくりきたんです

ウサイン・ボルトから走法を学ぶ。

6年前にジャマイカでウサイン・ボルト選手からスプリント走法を直に学んだこともあり、100m走のタイムが3か月で1秒速くなった。その驚きを多くの人に伝えるために〈走りの学校〉というコミュニティもつくりました。アスリートから子供まで指導しています。

今の目標はビーチフラッグス世界一。競技を始めた大学4年生の頃、やるからには世界一を目指すというより、それまで重ねた運動経験と競技性を照らし合わせた時に“自分は世界一になれる”と確信した。その気持ちは、今も変わりません。

取材・文/門上奈央 撮影/北尾渉

初出『Tarzan』No.804・2021年2月10日発売

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