- 鍛える
フィットネスの習慣化を助ける新感覚ライト《ライフコンディショニングシリーズ》を体験
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トレーニングの軌跡を偽りなく物語るもの、それが筋肉だ。第41回は砂浜に立てた旗を数人で競い合って取るビーチフラッグス。この競技で、全豪2位、世界2位、日本3連覇を達成したライフセーバーの和田賢一さんの筋肉に迫る。
海で人を救助するためには走力、持久力、筋力など幅広い能力が求められます。ライフセービングから派生したビーチフラッグスは、競技を通じてそのスキルの一部を高められるのが魅力です。
カラダで一番自信があるのは肩甲骨の可動域。肩甲骨には前鋸筋をはじめ多くの筋肉が関与しますが、自由自在に動かせます。ビーチフラッグスでは、砂浜に腹這いになった状態から、スタートの合図を受けて瞬時に振り向く。その際に腕の力だけでなく肩甲骨から地面を押せると、立ち上がりが速くなります。
僕は筋トレを好き嫌いで判断せず、目的を達成するための“ツール”と捉えて続けてきました。今は週3日のジムトレと週2のスプリントの個人練がメインです。
ライフセービングとの出合いはスポーツトレーナーになる過程で出席した、日本ライフセービング協会が主催する講習会。そこで、ライフセービングは誰かを救いたいという想いから生まれた競技だと学びました。自分が強くなるほど、速く走れるほど、救える命が増える。カラダを鍛えることが誰かのためになるサイクルが、僕にはしっくりきたんです。
6年前にジャマイカでウサイン・ボルト選手からスプリント走法を直に学んだこともあり、100m走のタイムが3か月で1秒速くなった。その驚きを多くの人に伝えるために〈走りの学校〉というコミュニティもつくりました。アスリートから子供まで指導しています。
今の目標はビーチフラッグス世界一。競技を始めた大学4年生の頃、やるからには世界一を目指すというより、それまで重ねた運動経験と競技性を照らし合わせた時に“自分は世界一になれる”と確信した。その気持ちは、今も変わりません。
取材・文/門上奈央 撮影/北尾渉
初出『Tarzan』No.804・2021年2月10日発売