寒くなって冬の気配を感じたと思ったら急にぽかぽか陽気、そしてまた寒くなり…。着る服も今夜のメニューも何にしようかと悩ましい今日この頃ですね。漢方医学的視点からカラダづくりを応援する、「漢方薬店kampo’s(カンポーズ)」薬剤師・薬学博士の鹿島絵里です。
皆さんはご自身の血流を普段どれくらい意識されるでしょうか。胸や手首に手を当てたり、ウェアラブルデバイスを使ったり、心臓が血液を力強く押し出すのを感知することはそう難しいことではありません。では、心臓に血液が戻るのを感じることはどうでしょう?
カラダの末端から心臓に戻ろうとする静脈血は、心臓を出発した時の勢いをすでに失っています。この勢いを失った静脈血はなかなか意識されづらいもの。でもきちんと心臓に戻ってこないと、冷えやむくみを引き起こしてしまいます。
リモートワーク中にもできる呼吸の整え方とは。
静脈血を心臓に戻すには、お腹をめいっぱい使った腹式呼吸が有効です。横隔膜を動かして行う腹式呼吸は肋骨を使う胸式呼吸と異なり、自律神経の副交感神経を刺激します。カンタン3ステップで巡るカラダを手に入れましょう!呼吸を整えて息を吐いたら、
- お腹を膨らませながら「もうこれ以上は無理!」というところまで鼻から空気を吸い込みます。
- 吸い込んだ状態を2~3秒ほどキープしてお腹いっぱいの空気を感じてください。このとき、肺とともに胸腔の大静脈がふくらんで身体から戻る静脈血を吸い上げています。
- ゆっくり静かに「ふーーーーー」と口から息を吐き出します。肺とともにふくらんだ大静脈が元の大きさに戻り、心臓に血液を返しています。「もうこれ以上は無理!」というところまでしっかり吐き切ると、次の吸い込みをより効率よく行うことができます。
1~3を適宜繰り返します。デスクワークや電車通勤など同じ姿勢を続けるときなどでも、この呼吸で血液の循環を促すことができます。副交感神経を優位にする腹式呼吸はリラックスしたい睡眠前にもおすすめです。
ヨガや太極拳などで呼吸のトレーニングをされている方でなければ、きっちりと行う腹式呼吸に苦しさを感じるという方もいらっしゃるかもしれません。でもそれは呼吸が上手になっていくことで血流が良くなる可能性を大いに期待させるサインです。
よく「ふくらはぎは第二の心臓」と言います。これは筋肉の塊であるふくらはぎが、身体の下のほうから心臓のほうに向かって血液を送り返す役割を担うからです。ふくらはぎのパワーに深い呼吸をプラスしたら、冷えも浮腫みも効率よく撃退です!