“2か月目ランナー”のための「効率よく痩せる」3つのQ&A

ダイエット目的で走り始めて1か月。“最初の1か月の壁”をクリアできたなら、習慣になるのは目前だ! 2か月目に疑問に感じるポイントを解決して、“習慣化”まで一気に走り抜けよう。この記事では「1か月走ったのに、あんまり痩せない!」の対策を紹介する。

取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 スタイリスト/齊藤良介 ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/Yunosuke 取材協力/三浦直樹(JRTA 日本ランニングトレーナー協会代表)

初出『Tarzan』No.798・2020年10月22日発売

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Q. 走り始めが相変わらずキツい…

A. ラクに走れていない証拠です。

もう1か月も走っているのに、相変わらず走り始めがキツい。原因のほとんどはスピードの出し過ぎ。自分の能力やその日のコンディションに見合ったスピードで走っていないのだ。

本人は無自覚。これくらいでちょうどいいと思って走っているが、明らかにペースオーバー。時間が経つとともに自然にペースが落ちてくるので楽になる、という図式。

そもそも、その速すぎるペースでは糖質が主なエネルギー源となるので脂肪燃焼も効率的に進まない。苦しいし痩せないしで、骨折り損のくたびれ儲け。とくにせっかちな人、運動経験のない人にこの傾向あり。頑張らなくていい。走り始めはこれでいいの?というくらいゆっくりペースで。

Q. 1か月経ったのに痩せない…

A. 基礎代謝が上がってないからです。

これまでまったく運動をしていない人が走り出せば、そりゃ痩せる。とはいえ、ファンランレベルのランニングではやがて限界が訪れる。ざっくり「体重×距離」で消費エネルギーを計算すると、体重70kgの人が3km走ったときには210キロカロリー。走った後に大盛りご飯をおかわりしたらチャラになってしまう消費量だ。

ランニングなど運動で消費するエネルギーは活動代謝、ただ生きているだけで消費するのが基礎代謝。脂肪燃焼は実は後者の基礎代謝を底上げするのが最も効果的だ。基礎代謝の2割以上を占めるのは骨格筋なので、筋肉量を増やすほど痩せやすくなるという仕組み。

となると走るだけでは筋肉量は頭打ち。ランニングでは使わない筋肉を活性化し、基礎代謝を上げることを視野に入れよう。水泳、フットサル、野球、縄跳び。ある程度長時間動き続けられる運動がより望ましい。

また、水分不足も痩せにくい理由のひとつ。筋肉中の水分が不足すると血流が滞り、筋肉の動きも悪くなる。3km走るなら、走るまでに250ml、走った後に250mlの水をチビチビ補給。1日当たり2Lの水分補給を目安に。

Q. 走った後のご褒美はOKですよね?

A. ご褒美は走る前だと痩せやすいです。

スイーツにスナック菓子、お寿司に唐揚げ。今日は頑張って走ったので、自分にご褒美。気持ちは分かるが、これ非常にもったいない。

前述したように気分的にはとても頑張っているつもりでいて、実際の消費エネルギーは期待したほどではない。せっかく3km走っても、ショートケーキを1個食べたら、すべて帳消し。それどころか100キロカロリー程度のカロリーオーバーになってしまう。

しかも運動後は筋肉中のグリコーゲンが減少している状態なので、栄養吸収の効率がガンガンに上がっている。そこへケーキを送り込めば余すことなく吸収されて痩せるどころか逆効果に。

効率よく痩せるには

というわけで、ダイエット目的で走るのならば、走る前にご褒美をいただいてしまおう。明日走るために今日スイーツを食べる。昨日食べたから今日は絶対走らなきゃというモチベーションにもなる。