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今のカラダはどのくらい疲れている? 4つの項目でセルフチェック
すべてのチェックを行ってみて、クリアした項目の数で疲労度の目安を導き出してみよう。むろん、いずれも一発勝負でズルはなし。 さて、あなたの今の疲れ具合はいかに?
目次
疲労は、自分ではわかりにくい。
たとえヘトヘトに疲れていてもぐっすり眠って目覚めたら、翌朝はスッキリとリフレッシュ。これが凹んでも元に戻るゴムまりのような人間の恒常性。
ところが、必ずしもそうはいかないこともある。ヘトヘトに疲れて眠って起きたら「ヘト」くらいには回復するが、その日の終わりには「ヘトヘトへト」になり、翌日は「ヘトヘト」状態で目覚める。というように疲労が降り積もっていくと恒常性が保てなくなり、いずれとても厄介なことになる。
そこで、うすうす疲れを感じている人は、まず疲労度を客観的に自覚することから始めたい。
12種目、一発勝負のチェックリスト。
「平衡性」、「柔軟性」、「筋力」、「敏捷性・巧緻性」の4つの項目に、それぞれ3種目。全12種目を行い、それぞれ基準を満たせたら1点とし、合計点数であなたの疲労レベルを判定するこのテスト。
トータルの点数は体力レベルに左右される。もともと体力がある人は疲れていても高得点、体力がない人は元気でも低得点という可能性も。
1週間ごとに同じチェックを行い、自分のアベレージを把握したうえで点数を比較すると、より正確な疲労度が分かる。

チェック① 平衡性をチェックする3種目
平衡性、いわゆるバランス感覚は手軽にトータルな疲労度がチェックできる項目。平衡性を支えているのは筋力であり、カラダの使い方に偏りがあると、どうしても左右差が表れ姿勢の維持が難しくなる。
片脚立ちになるテストは、どちらか得意な軸脚でチェック。閉眼でのウォーキングは廊下など安全な場所で行うこと。
チェック② 柔軟性をチェックする3種目
柔軟性もまた、最も分かりやすい疲れの指標のひとつ。とくに、リモートワークの機会が多くなった昨今。PCとにらめっこしながら同じ姿勢で一日過ごすことで血流が低下し、筋肉の粘度が上がって柔軟性が失われやすい。
しゃがむことで下半身、腕で耳に触れることで上半身、上体を反らすことで体幹の柔軟性をチェック。
チェック③ 筋力をチェックする3種目
デスクワークやストレスなどで、ちっともカラダを動かさないのにやけに疲れてしまうのが静的疲労。これに対して、慣れない重労働やハードなスポーツを行うことで生じるのが動的疲労である。
筋力チェックのこの項目は主に後者の疲労の指標になる。ポイントは、単なる回数クリアではなく、一定ペースで行えるか否か。
チェック④ 敏捷性・巧緻性をチェックする3種目
「ティッシュキャッチ」では敏捷性を、「スパイラルムーブ」と「ノーハンズ・スタンディングアップ」では巧緻性をチェック。どちらも出力は小さいが脳・神経系の能力でコントロールする必要のあるチェック項目だ。
普段であれば絶対にしないケアレスミスが多くなった。こうした脳・神経系の疲労度はこれらのパフォーマンスに即、表れる。できるかな?
定期的なテストで疲労度が明確に。
疲れて真っ先に低下するのは出力系のパフォーマンス。代表的なものが平衡性、柔軟性、筋力、敏捷性や巧緻性などの身体パフォーマンスだ。まずは各テストを行って全体的な疲労レベルを自覚してほしい。
ただし、この時点での成績の良し悪しはあくまで目安。体温と同じで、ある人にとっては37度が平熱でもある人にとっては高熱レベル。このように疲労レベルのスタンダードにも個人差がある。 先週できたものが今週はできない、というのが真の疲労度を測るスケールとなる。ゆえに今回一発目のテスト結果を目安にして定期的にテストを行うと、より精度の高い疲労度が判明する。
取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修・指導/坂詰真二(スポーツ&サイエンス)
初出『Tarzan』No.797・2020年10月8日発売