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こんなパンを待っていた! 豆でつくられたグルテンフリーの《ZENB ブレッド》
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昨年、列島が熱狂したラグビーW杯の閉幕から数日後、ある競技の日本代表がW杯ベスト4まで進出していたことをご存じだろうか? ラモス瑠偉前監督が率いるビーチサッカー日本代表がそうだ。
そんな破竹の勢いを見せるチームで、新たに指揮を執るのが茂怜羅オズ氏。ブラジルのリオデジャネイロで生まれ、初めて訪れた日本に惚れ込み、帰化して代表選手になったのが2012年。以来、昨年のW杯で大会MVPを獲得するなど、八面六臂の活躍をしてきた彼が、選手を続けながらプレイングマネージャーとなる。
「自分以外の選手やプレーの分析はこれまでもやってきたし、“いつかは”と思ってました。ラモスさんはじめ、歴代の監督たちが築き上げてくれたベースを基に挑戦できることが嬉しいです」
ビーチサッカーの聖地に生まれ、母国の代表候補にも選ばれたことのあるオズ氏。現チームをどう捉えているのか。
「日本人のテクニックは海外に負けてません。リフティングや浮き球をコントロールする力が問われるビーチでは大切なことです。それに、メンタルがすごく強い。ドリブルで抜き去られても最後まで諦めないところは、頼もしい武器でしょう」
続けて、直近の目標についても教えてくれた。
「まずは来年のW杯アジア予選を1位通過すること。出場が懸かっている緊張感があるので、本戦以上に厳しいかもしれません。今はコロナで時間ができた分、相手チームを分析したり、練習のプログラムをじっくり考えています」
まだまだこの国ではマイナー競技であるビーチサッカー。サッカーの才能を認められながらも、幼少期にビーチの道を選んだ彼が語る魅力とは。
「オーバーヘッドキックのようなアクロバティックなプレーが飛び出すところでしょうか。いかにボールを落とさないでパスやシュートにつなげるかが肝だから、練習はボールコントロールがメイン。コートはフットサルと同じくらいで、ゴールはフットサルのそれより少し大きい。どこから蹴っても点が入る可能性があって、退屈な時間が短いんです。最近は都心でもサンドコートが増えているので、ぜひやってみてください!」
敵を見定め、冷静に分析し、時に熱弁を振るうオズ氏は、さながら大和の侍である。
取材・文/木戸智士 写真提供/JFA
初出『Tarzan』No.795・2020年9月10日発売