メインとサブを作り置き。いつでも、痩せレシピを冷蔵庫にストック

主菜と副菜の作り置きを2〜3品ストックしておくと、自炊のコストと手間暇が大幅削減できてラクになる。

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 料理製作・栄養監修・スタイリング/美才治真澄(管理栄養士)

(初出『Tarzan』No.792・2020年7月22日発売)

食事の基本は、主食、主菜、副菜の3アイテムを揃えること。主食はご飯にしてもパンにしても、買ってくればすぐ食べられるので、主菜5品と副菜5品の作り置きレシピを公開する。自分の好物や、できそうなものから、気軽にチャレンジしてほしい。


この記事で紹介する「ストック“痩せ”レシピ」10品目

  • 主菜

    • ① しっとり鶏ハム
    • ② 合い挽き肉のそぼろ
    • ③ 塩サバの柚子コショウマリネ
    • ④ 焼き鮭
    • ⑤ 茹で豚しゃぶ肉
  • 副菜

    • ① ニンジンの酒炒り
    • ② ホウレンソウのおひたし
    • ③ 薄味なめたけ
    • ④ カボチャとパプリカのマリネ
    • ⑤ ブロッコリーとナスのレンチン蒸し

主菜① しっとり鶏ハム

鶏ハム

低脂質&低カロリーでタンパク質が多い鶏胸肉は、サラダチキンでおなじみ。2分の1枚で1食分のタンパク質約35gが摂れる。炊飯器の保温モードによる低温調理なら手間要らずでしっとり仕上がり、冷めても美味しい。

材料(作りやすい量)

  • 鶏胸肉(皮なし)…2枚(600g)
  • 砂糖…小さじ2
  • 塩…小さじ2

作り方

  1. 胸肉に砂糖、塩をすりこみ、ポリ袋に入れて空気を抜いて口を閉じる。
  2. 炊飯器の釜に①を入れて、沸騰した湯を鶏肉が隠れるくらいまで注ぎ入れる。
  3. 炊飯器を保温モードにして1時間半ほど置く。保温が終わったら取り出し、茹で汁とともに冷ます。

主菜② 合い挽き肉のそぼろ

合い挽き肉のそぼろ

挽き肉は脂分が多くて高カロリー。茹でて脂を減らす方法もあるが、今回はより手軽にフライパンでソテーして出てきた脂をキッチンペーパーで徹底的に拭き取る。調味料の汁気がなくなるまで炒めると、保存性も上がる。

材料(作りやすい量)

  • 合い挽き肉(牛・豚)…300g
  • A

    • おろし生姜(チューブ)…小さじ1
    • みりん…大さじ2
    • 醬油…大さじ11/2
    • 酒…大さじ1

作り方

  1. フライパンを中火にかけ、合い挽き肉を加えて炒める。
  2. 色が変わり、脂が出てきたら、フライパンを傾けてキッチンペーパーで余分な脂を丁寧に拭き取る。
  3. フライパンにを入れて汁気がなくなるまで炒める。

主菜③ 塩サバの柚子コショウマリネ

塩サバの柚子コショウマリネ

サバは1切れで25gほどのタンパク質が摂れる。しかも、食欲を抑える消化管ホルモンであるGLP-1の分泌を活性化させるEPA(エイコサペンタエン酸)を多く含む。レンチンしたタマネギと組み合わせてマリネしよう。

材料(作りやすい量)

  • 塩サバ…2枚(280g)
  • 紫タマネギ(または通常のタマネギ)…1個
  • 片栗粉…適量
  • A

    • 水…大さじ2
    • 酢…大さじ2
    • オリーブオイル…小さじ1
    • 柚子コショウ(チューブ)…小さじ1

作り方

  1. 塩サバはキッチンばさみで幅3cmに切り、片栗粉をまぶす。フライパン用ホイル(またはオーブンシート)を敷いたフライパンに皮目を下にして並べ、両面を色よく焼く。
  2. 紫タマネギは薄切りにしてラップで包み、電子レンジ(600W)で1分ほど加熱する。
  3. 保存容器に紫タマネギを敷いて①を乗せ、合わせたを回しかけて味をなじませる。

主菜④ 焼き鮭

焼き鮭

鮭は1切れでタンパク質が20g前後摂れるし、筋合成や免疫機能に欠かせないビタミンDを含む。臭みが出ないように、焼く前に塩、コショウを振り、キッチンペーパーで水気を取る。塩鮭ではなく生鮭の方が使いやすい。

材料(作りやすい量)

  • 生鮭…3切れ(300g)
  • 塩…小さじ3/4
  • コショウ…適量

作り方

  1. 鮭は表面に塩、コショウを振る。
  2. キッチンペーパーで包んで10分ほど置く。
  3. フライパン用ホイル(またはオーブンシート)を敷いたフライパンに②から取り出した鮭を並べて、皮目から両面を色よく焼く。

主菜⑤ 茹で豚しゃぶ肉

茹で豚しゃぶ肉

豚しゃぶ肉は湯通しして、余分な脂をカットする。茹でる際は、面倒がらずに1枚ずつ広げて湯に入れると、肉がくっつきにくい。水分が残っていると傷みやすいのでしっかり切り、保存容器にもキッチンペーパーを敷く。

材料(作りやすい量)

  • しゃぶしゃぶ用豚肉…300g
  • 酒…大さじ1
  • 塩…小さじ2
  • 水…1L

作り方

  1. 鍋に湯を沸かして酒、塩を入れる。
  2. しゃぶしゃぶ用豚肉を広げて1枚ずつ入れる。
  3. 色が変わったらすぐに取り出し、キッチンペーパーを敷いたバットに移して水気と粗熱を取り、キッチンペーパーを敷いた保存容器に入れる。

副菜① ニンジンの酒炒り

ニンジンの酒炒り

ニンジンはβ-カロテンやカリウムなどの栄養素がリッチな緑黄色野菜。スライサーを使って千切りにすると火の通りが早いし、食べやすい。酒炒りすれば、ニンジンの甘味に旨味が加わり、さらに美味しくなる。

材料(作りやすい量)

  • ニンジン…3本(450g)
  • 塩…小さじ1/3
  • 酒…大さじ3

作り方

  1. ニンジンは皮を剝いて千切りスライサーで3mm程度の細切りにする。
  2. フライパンに①、酒、塩を入れて中火にかける。
  3. ニンジンが少ししんなりするまで炒り、粗熱が取れたら保存容器に移して保存する。

副菜② ホウレンソウのおひたし

ホウレンソウのおひたし

ホウレンソウはβ-カロテン、ビタミンC、鉄を含む緑黄色野菜。冷凍食品も便利だが、生で買って調理するとコスパ抜群。レンジ活用でおひたしも簡単だ。熱の通りを均一にするため、根元と葉を互い違いに重ねよう。

材料(作りやすい量)

  • ホウレンソウ…大1束(300g)
  • A

    • 出汁…大さじ6
    • 薄口醬油…小さじ2

作り方

  1. ホウレンソウを洗って根元を除き、株ごとに根元と葉先が互い違いになるように重ねてラップで包む。電子レンジ(600W)で2分ほど加熱する。
  2. 水を張ったボウルに、ラップに包んだままホウレンソウをさっと入れて粗熱を取る。
  3. ホウレンソウの水気を絞り、長さ4〜5cmに切る。保存容器に入れて、合わせたをかけ、ホウレンソウをほぐす。

副菜③ 薄味なめたけ

薄味なめたけ

外食では食べる機会が限られるきのこを作り置き。きのこは低カロリーで食物繊維が多く、腸内環境を整える作用が期待できそう。代謝を活性化するビタミンB群も多い。薄味に調味すると、のちのちアレンジしやすい。

材料(作りやすい量)

  • シメジ…1袋(100g)
  • エノキタケ…大1袋(200g)
  • A

    • 出汁…1/4カップ
    • めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ1と1/2

作り方

  1. エノキタケは根元を除いてざく切りにする。
  2. シメジは根元を除いて長さ1cmに切ってほぐす。
  3. 鍋にを入れて火にかけ、煮立ったら①と②を入れる。混ぜながら加熱して、しんなりして嵩が減ったら火を止める。

副菜④ カボチャとパプリカのマリネ

カボチャとパプリカのマリネ

カボチャにもパプリカにも多いβ-カロテンは脂溶性だから、オリーブオイルでソテーすると吸収率が高まる。酢を加えてマリネすれば保存性もアップする。パプリカは、赤色以外の黄色やオレンジ色などでもOKだ。

材料(作りやすい量)

  • カボチャ(スライス済みの市販品)…1/4個分
  • パプリカ(赤)…1個
  • オリーブオイル…小さじ1
  • A

    • 酢(あればワインビネガー)…大さじ2
    • オリーブオイル…小さじ1
    • 塩 …小さじ1/2
    • 粗挽き黒コショウ…適量
    • 水…大さじ3

作り方

  1. カボチャは1枚を2〜3等分に切り、ヘタと種を除いたパプリカは乱切りにする。ボウルに入れてオリーブオイルを回しかけ、オイルが全体になじむように混ぜる。
  2. 中火にかけたフライパンに①を並べて焼く。
  3. 保存容器に②を入れて、合わせたを回しかけ、味をなじませる。

副菜⑤ ブロッコリーとナスのレンチン蒸し

ブロッコリーとナスのレンチン蒸し

ブロッコリーは小房に分けて、ナスはそのままレンチン蒸しにする。ブロッコリーの茎も捨てずに、皮を剝いて使おう。蒸し上がったナスは変色しないように冷水に取り、ブロッコリーと同じくらいのサイズに乱切りする。

材料(作りやすい量)

  • ブロッコリー…1個
  • ナス…2本

作り方

  1. ブロッコリーは同じくらいの大きさの小房に分ける。耐熱皿に重ならないように並べて、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で3分ほど加熱。
  2. ナスはラップでぴっちり包み、電子レンジ(600W)で3分ほど加熱する。
  3. ナスはラップごと冷水につけ急速に冷やし、色止めをする。ヘタを除いて乱切りにする。

理想は、時間があるときに主菜と副菜を2〜3品ずつ用意すること。ストックできたら、あとはその日の気分で主菜が計約100g、副菜が計約150gになるように取り合わせる。すると栄養バランスが整い、過食せずに痩せられる。