おこもり太り脱却! 昼の外食で「完食NG」なもの【時間栄養学・昼食編】
体内時計のリズムを乱さない、時間栄養学。今回は、昼食編。いつもの外食メニュー、完食はNGだった!
取材・文/石飛カノ イラストレーション/わたなべろみ 料理製作・栄養監修/河村玲子(管理栄養士) 取材協力/柴田重信(早稲田大学理工学術院先進理工学部 電気・情報生命工学科教授)
(初出『Tarzan』No.792・2020年7月22日発売)
定番料理の「許容量」を、知っておこう。
1日3食のうちで、ある程度制約なしで楽しめるのが昼食。日中は消化器から消化酵素がバンバン出るので、消化吸収がスムーズに進みやすい。
また、各栄養素をエネルギーとして消費したりカラダづくりに役立てる代謝システムの働きもいいので、多少ボリューミーな食事でも持て余しにくい。
昼を外食で摂るという人も増えてきたと思われるので、ここでは定番の外食ランチをご紹介する。摂取エネルギーの目安は600キロカロリー。定食のごはんは150g、丼ものは200gに設定し、この摂取エネルギーの範囲で食べられる分量を示した。完食できるメニューも少なくないので、残すのがイヤという人はそちらをどうぞ。
基本的に昼食はいつ食べても体内時計に影響しないが、過食や血糖値の急上昇を防ぐという意味で、朝食から5〜6時間以内のタイミングで摂るのがおすすめだ。
次の7品は「完食NG」! では何割ならOK?
① ステーキ定食
ステーキのポーションは200g。半分弱残す勇気が持てるならトライしよう。ごはんの量は150gの小盛りにすることを忘れずに。ちなみに、付け合わせはポテトやニンジンといった糖質を多く含むものではなく、ブロッコリーがおすすめ。
② うな重
うなぎは蒲焼き150g、ごはんを200gとした場合、6割で箸を置けば600kcal以内に収まる。もちろん、事前にごはん少なめオーダーを。肝吸いは飲んでよし、お新香がついてきたらポリポリしてもよし。
③ ミートソースパスタ
一皿ものの麺類はノリで完食してしまいそうだが、挽き肉ががっつり乗ったミートソースパスタは8掛けでいただくこと。卵と生クリームで仕上げたカルボナーラもやはり8掛けがセオリーだ。
④ とんかつ定食
ダイエット期には絶対に手を出してはいけない悪魔の定食。でも、時間栄養学に基づいた食事法では量さえ加減すれば食べてもノープロブレム。とんかつが6つ切りなら4.2切れ食べられる。キャベツのおかわりはOK。
⑤ 唐揚げ定食
みんな大好き唐揚げ定食は8割いただける。唐揚げが5個入りだったら4個にするだけだから簡単だ。ランチの同行者に最初にあげてしまえば、喪失感もほとんどない。ごはんは小盛り、付け合わせの野菜は残さずいただくべし。
⑥ オムライス
デミグラスソースが盛大にかかったものではなく、シンプルにケチャップをかけたタイプのオムライスなら、全体の8割を食べていい。2割残せば、ごはんは200gになる。ノンオイルならサラダを追加してもよし。
⑦ ビーフカレーライス
定食ではない一皿ものはカロリーの調整が難しい。なので、上に乗ってる具だけ食べてごはんは残すとか、その逆で食べる目論見は捨てて、どっちも潔く残す勇気を持とう。7割食べてあとは残すとごはんの摂取量は200gになる。
このメニューなら完食してもOK!
① 生姜焼き定食
豚肉の生姜焼き、ごはん150g、味噌汁、お新香すべて完食してよし。
② 刺し身定食
刺し身の内訳はマグロの赤身、サーモン、イカ、タイ、サンマ。
③ エビチリ定食
ごはんは150gの設定。スープと杏仁豆腐をつけても全然セーフ。
④ チャーシュー麺
具はチャーシュー5枚、なると、わかめ。スープはクリアな醬油ベース。
1日3食を3:3:4にして、夕食は早めに切り上げる。
夕食偏重スタイルは体内時計の邪魔をする。1日の総摂取エネルギーを2000kcalとして、現実的なところで朝3:昼3:夜4のボリューム、600:600:800kcalくらいのバランスを目指す。
毎日10時間以内で食事を完結させるのはキビしいので、せめて12時間以内に。朝7時に食べたら昼は13時、夜は19時に食事をして一日の食事をフィニッシュ。これで、おこもり太り解消だ。