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ちょっとした食事の工夫で血糖値の上昇はセーブできる。5つの実践メソッド

血糖値をちゃんとコントロールすれば、肥満リスクや血管の老化ともオサラバできる。血糖値を安定させる基本を紹介した記事に続き、実際の食事で生かせる5つのメソッドを解説します。

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1. 1日2Lの水を飲むことは代謝の質を上げるうえでも大事

よく知られているが、人間のカラダの約6割は水。しかも1日当たり汗や尿などで約2.5Lの水分を排出しているので、それと同等の約2Lの水を飲む必要がある。

よく糖尿病患者は季節を問わず喉が渇くといわれるが、これは血中のブドウ糖が多くなりすぎて腎臓が大量の水分とブドウ糖を一緒に尿として排出し、脱水状態になるため。糖尿病の気がある人もそうでない人も、1日2L頑張って飲もう。

また、糖質の摂取量を制限すると肝臓に貯蔵されているグリコーゲンが使われ、その代謝時に大量の水分を必要とするのも水をたくさん飲まないといけない理由の根拠。

糖質制限中の人はグリコーゲン代謝の質を高めるためにも、食事に気を遣うだけではなく意識的に水分補給を。

2. パン+油で血糖値上昇が緩やかに。特にオススメはオリーブオイル

医学誌『European Journal of Clinical Nutrition』によると、健康体の人を対象に「パンだけを食べた場合」「パン+バターを食べた場合」「パン+オリーブオイルを食べた場合」「パン+コーンオイルを食べた場合」の血糖値の変化を調べたところ、パン単独よりも、油と一緒に食べた方が血糖値の上昇を抑えられることがわかったという。

それでもバターは食後90分あたりまで血糖値が上がっているが、オリーブオイルの場合は低い数値のまま推移している。

血中のコレステロール値を低める不飽和脂肪酸が多く、カラダにいいといわれるオリーブオイル。血糖値の点でもオススメなのだ。

3. 万能食材のお酢。肉を焼く前に漬けるとAGE値を下げる効果も

お酢はいい

酢にはクエン酸や酢酸が含まれており、これが疲労物質を分解したり筋疲労を回復させることはよく知られている。

加えてアミノ酸が善玉コレステロールを増やして血管を拡張し、血液をサラサラにする効果も。ドレッシングに積極的に使おう。

酢は血糖値にも大事な役割を果たしている。酢の酢酸には消化酵素の働きを弱めたり、食べ物を胃から小腸に送り出す時間を遅くする働きがある。つまり酢を糖質と一緒に摂ると消化がゆっくりになり、血糖値の急激な上昇を抑えられるというわけ。

さらに酢は食べ物のAGE値を下げてくれる。例えば生肉をグリルするとAGE量が約5倍になるが、グリル前に酢に漬けてマリネにすると半分以下に減らせるのだ。その際はなるべく天然の醸造酢を使おう。

4. ワインなら血糖値を気にせず飲める。赤よりも白をチョイスしよう

医学誌『The American Journal of Clinical Nutrition』に掲載された報告によると、ビール、ワイン、ジンを飲み比べると、ビールよりジンやワインの方が血糖値は上がりにくいという(下グラフ参照)。

ジンと同じ蒸留酒のウイスキーや焼酎でも同様の結果になると推測される。

ワインの方は白がおすすめ。血圧を抑えるカリウムに加え、製造過程で生まれる酒石酸と呼ばれる有機酸が多いのがポイント。この酒石酸に整腸作用が期待できるのだ。

ただし、白ワインは辛口を選ぶことが大事。甘口は糖分が多いため、逆に血糖値が上がる恐れがあるのでご注意を。

5. コーヒー&シナモンも効果あり。ただし、砂糖は足さないように!

コーヒーとシナモン

こちらも、前出の『European Journal of Clinical Nutrition』によると、コーヒーを飲む習慣がある人はそうでない人と比べて糖尿病の発症比率が低いことがわかっている。

そのメカニズムは現時点では不明だが、血糖値を下げる可能性は高いらしい。ただし、砂糖をたっぷり含むタイプの缶コーヒーや、カフェのコーヒーに砂糖を加えるのでは意味がない。ブラックで飲むこと。

また、クスノキ科の常緑樹の樹皮を剝ぎ取って作られるスパイスの一種、シナモンに含まれるプロアントシアニジンという成分に血糖値降下作用があることがわかっている。

シナモンは抗酸化や血行促進作用もある優良スパイス。スティックをコーヒーに添えたり、パウダーを振りかけたりして飲むといいだろう。

取材・文/黒田 創 撮影/内田紘倫 スタイリスト/高島聖子 取材協力/牧田善二(AGE牧田クリニック院長)

(初出『Tarzan』No.738・2018年3月22日発売)

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