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関節を動かさないと、凝りや痛みにつながる。
リモートワークに移行してはや数か月。通勤のストレスは減り、時間的余裕もある。いいことずくめじゃん!…と思いきや、どうもそればかりではないらしい。
「会議などもリモートで行うため、今まで以上に長時間椅子に座りっぱなしの人が増えています。人間は一度姿勢を固定するとそれを維持しようとするもの。ゆえに肩関節や股関節など、使わない関節が出てきます。関節を動かさないと周りの筋肉は固まり、凝りや痛みの原因につながります。ピラティスや、動物の動きを取り入れたグラウンドムーブメントで“関節の運動不足”を解消しましょう」(トレーナー・菅原順二さん)
菅原さんが提案するのは8つのエクササイズ。特にうつ伏せは動きが固定され、代償動作が出にくいためターゲットとなる関節を確実に動かせる利点がある。
回数は10回。左右があるものも各10回。できれば毎日、朝や夕方に通しで行おう。あくまで気持ちよく動かすのがポイント。
① PC作業が多い人は必見。凝りやすい胸郭を動かす。
Sシットローテーション|胸郭・股関節
床に座り、左膝を曲げて右膝の内側に足裏をつけ、右膝を曲げて足先を外側後ろへ。上体を前傾させて手は床に。次に息を吐きつつ右手を左脇の下にくぐらせ、右腕を大きく伸ばす。同時に胸郭と胸椎を左へ回す。続けて息を吸いながら右腕を右側へ引き、真上に伸ばす。反対側も同様に行い、胸郭を内外旋させる。
② 椅子やソファでもOK。しっかり回してあげよう。
フットサークル|足首・股関節
床に座り、背すじを伸ばす。両膝を曲げて爪先を上げた姿勢に。次に膝を開くと同時に両足首を外側へ回し、そのまま内側へ回すとともに膝を伸ばす。両方の動きをリズミカルに行おう。足首の底屈と背屈、股関節の外旋と内旋を連続で行うことで、双方の関節の柔軟性を高められる。
③ 股関節と脊柱を重点的に。ついでに胸椎も動かそう。
Sシットエクステンション|脊柱・股関節
④ 上半身の反り&屈曲動作。これが結構気持ちいい。
アーチアンドカーブ|胸椎 ・脊柱
床に座り、両膝を曲げて爪先を上げる。背すじを伸ばし、手は膝に。次に息を吸いながらお腹を引っ張り上げる意識で胸を大きく反らし、頭を後ろに倒す。続けて息を吐きながら背中を丸め、頭を前に倒していく。同時に膝を伸ばし、両手は前へ。胸椎をしっかり反らすのと、背骨全体を大きく屈曲させるよう意識。
⑤ うつ伏せはターゲットの関節に絞って動かせる。
ソラシックツイスト|脊柱
床にうつ伏せになり、膝を揃えて90度に曲げ、足先を真上に向ける。手は顔の下に。次に膝を揃えたまま両脚を左右交互に振り子のようにリズミカルに振る。膝で動かさず、みぞおちから動かすイメージ。骨盤が浮いてもいいので、脊柱を左右に捻りながら脚を振るよう意識すること。
⑥ 在宅ワークで使わない関節の代表格は股関節!
ロックバック|股関節
床に四つん這いになり、肩の真下に両手をつく。膝は腰幅に開く。次に腕を伸ばしたまま尻を後方の斜め下に引き下げ、元に戻す。この動きを繰り返す。背すじを曲げずに尻を下げられる所まで下げるのがポイント。デスクワーク中心だとあまり使うことのない股関節の屈曲運動になる。
⑦ 肩と肩甲骨の回旋が鍵。毎日続けて柔軟性UP。
ショルダームーブメント|肩 ・肩甲骨
床にうつ伏せになり、両腕を真横に広げる。次に片腕を顔の横に上げ、反対の腕をカラダの横に下げる形にし、そのまま肘を曲げて背中の後ろで手を組む。肩関節と肩甲骨をしっかり回旋させるよう意識すること。続けて反対側も同様に行う。片方の手は背中に回せても片方は届かないなど、左右差があっても構わない。
⑧ 脊柱の揺らぎを感じつつ横にしならせるイメージ。
ワグザテイル|脊柱
床に四つん這いになり、肩の真下に両手をつく。膝は腰幅に開く。次に脊柱をしならせるイメージで横に側屈させ、同時に頭と尻を同じ方向に振る。続けて反対側に側屈させ、頭と尻を振る。一連の動きの間、背中を上下させないよう意識しながら行うこと。