CONDITIONING
2020.05.28

骨の連なりに偏りがない、それが目指すべき「いい姿勢」

骨の連なりに偏りがない、それが目指すべき「いい姿勢」

いい姿勢とは骨と骨の連なり=アライメントが整っている状態。あれ、ずれてませんか?

どんな体型になりたいか。そう聞かれたら、答えは千差万別だろう。でも、どんな姿勢になるべきかという問いに対する答えは、たった一つ。ニュートラル(標準的)な姿勢を目指すべきなのだ。

では、ニュートラルな姿勢とは?

「姿勢の基本を作るのは、骨格。その骨と骨の連なりであるアライメントに偏りがないのが、ニュートラルな姿勢と言えます」(早稲田大学スポーツ科学学術院の広瀬統一教授)

骨の連なりに偏りがない、それが目指すべき「いい姿勢」
姿勢の土台を作っている骨格のアライメント。頸椎、胸椎、腰椎などからなる背骨(脊柱)、胸郭、肩甲骨、骨盤、股関節などの配列が、姿勢の良し悪しを決める。

姿勢の評価は通常、じっと立っている状態の静的アライメントで行う。生まれつきの骨格の異常を除くと、静的アライメントを左右するのは、骨と骨に付いて関節を動かしている骨格筋。要するに筋肉である。

「筋肉が硬く短くなったり、伸びて弱くなったりするインバランスがあるとアライメントが乱れてしまい、姿勢が崩れる一因となります」

静的アライメントのチェックは、まっすぐ立った姿勢を真横と真後ろから見て行う。坐位は、立位の上半身部分で評価。自分の姿勢を写真に撮り、下にイラストで示したニュートラルなお手本と比べてみよう。

これがお手本! 「ニュートラル」な姿勢。

・立位

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骨の連なりに偏りがない、それが目指すべき「いい姿勢」
耳たぶ、肩峰(鎖骨の延長線上にある肩の出っ張り)、大転子(太腿の付け根の出っ張り)、膝のお皿の後ろ側、外踝の前側という5点を結ぶラインが、床と垂直にまっすぐ並んでおり、背骨の生理的なS字カーブが保たれている。
骨の連なりに偏りがない、それが目指すべき「いい姿勢」
後頭隆起(左右の耳たぶを結んだ真ん中にある出っ張り)、背骨全体、臀裂(左右のお尻の間にある溝)、「気をつけ!」をしたときの両膝の間と内踝の間という5点を結ぶラインが床と垂直で、頭蓋骨、胸郭、骨盤が水平。

・坐位

骨の連なりに偏りがない、それが目指すべき「いい姿勢」
横から見たとき、立位と同様に耳たぶ、肩峰、大転子を結ぶラインが床と垂直で、背骨のS字カーブが保たれている。後ろから見たときに後頭隆起、背骨全体、臀裂が垂直。肩の高さに左右差があるなら、体幹部分に問題がある。

歩くフォームもチェックを!

たとえ普段の姿勢がそこからズレていたとしても、「いい姿勢を取って!」と声をかけられたら、一時的にしろ正しく修正できる人が大半だろう。

だとしたら、それは骨格の異常ではなく、筋肉のインバランスによる不良姿勢である証拠。硬くなった筋肉の柔軟性を高め、弱くなった筋肉を強化すれば、ニュートラルなアライメントは取り戻せるのだ。

静的アライメントを整えたら、次はそこから動いたときの動的アライメントにも目を向けてみたい。まずは歩くフォームをチェックして。

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骨の連なりに偏りがない、それが目指すべき「いい姿勢」
肩と腰の高さが地面と平行。両脚を骨盤の幅で前に振り出し、着地時に膝や足首が内側にも外側にも倒れない。脚を出すときに同じ側の骨盤を前に出し、腕を後ろに振るときに肩を後ろに引く動きを左右バランス良く行う。
骨の連なりに偏りがない、それが目指すべき「いい姿勢」
右足からの歩行には、初期接地(右足の踵が接地する瞬間)、荷重反応期(左足の爪先が地面から離れる瞬間まで)、立脚中期(右足の踵が離れる瞬間まで)、立脚終期(左足の初期接地まで)、遊脚前期(右足が地面から離れるまで)、初期遊脚期(真横から見て両脚が交差するまで)、遊脚中期(右足の脛が床と垂直になるまで)、遊脚終期(次の右足の初期接地まで)というフェイズがあり、各々が全体の何%を占めるかの標準値(表参照)がある。
骨の連なりに偏りがない、それが目指すべき「いい姿勢」
出典/『観察による歩行分析』(医学書院)

取材・文/井上健二 イラストレーション/黒木仁史 取材協力/広瀬統一(早稲田大学スポーツ科学学術院教授)

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