テニスの動きを取り入れた、独自の体操。
正しい運動は確実にヘルシー。なかでも寿命を長くする効果がもっとも高いのが、テニスといわれている。
「筋トレと有酸素の両方の要素があり、動きが多彩でさまざまな刺激が入るからでしょう」(同志社大学スポーツ健康科学部の石井好二郎教授)
かといってテニスを始めるのも大変。そこで齊藤邦秀トレーナーにテニスの要素を加味したオリジナルの「ターザン体操」を作ってもらった。
この体操は、運動時のエネルギー供給システムに注目。瞬発的運動で使われるATP-CP(クレアチンリン酸)系、筋トレなどで糖質を酸素なしに代謝する解糖系、ランなどで酸素を介して糖質や脂質を代謝する有酸素系という3タイプを網羅した。
「ターザン体操」のやり方は?
エネルギー供給システムが異なる3タイプの運動を計6種目行い、テニスのようにカラダに多様で適度なインパクトを与える。これを3サイクル×週3〜4回が効果的だ。
(1)ATP-CP系15秒 →(2)解糖系30秒 →(3)有酸素系30秒 → 15秒休憩 →(4)ATP-CP系15秒 →(5)解糖系30秒 →(6)有酸素系30秒 → 15秒休憩×3サイクル。所要時間は約10分。
初めに低負荷な「第一」を試し、物足りなくなったら「第二」に挑戦しよう。
実践! ターザン体操第一
1. シャッフル|ATP-CP
両脚を腰幅に開いて立ち、膝を軽く曲げ、両腕を曲げる。1で左足で左へサイドステップ。2、3で中央で右足→左足と2ステップしたら、4で右足で右へサイドステップ。
5、6で中央で左足→右足と2ステップ。これを左右交互にできるだけ速く続ける。走るときのように踏み出した足と反対側の腕を後ろに引きながら行う。
2. スクワット|解糖
両脚を肩幅に開いてまっすぐ立ち、両腕を肩の高さでクロスさせる。背すじを伸ばして胸を張る。後ろの椅子に坐るように、お尻を後ろに引きながら、両膝が90度まで曲がるまでしゃがみ、元に戻る。
3. Vステップ(フロント&リア)|有酸素
両脚を揃えて腰幅で立ち、両手を腰に添える。V字を描くように右足を右斜め前に踏み出し、続いて左足も左斜め前に踏み出す。
右足→左足の順に元に戻ったら、V字を描くように右足を右斜め後ろに踏み出し、続いて左足も左斜め後ろに踏み出す。右足→左足の順に元に戻ったら、左右を変えて交互に続ける。
4. フロントリア・リアフロント|ATP-CP
両脚を腰幅に開いて立ち、膝を軽く曲げ、両腕を曲げる。1で右足を半歩前に踏み出して左膝を曲げて左足を浮かせたら、2、3で左足→右足と後ろへ2ステップ。
左右を変えて同様にできるだけ速く続ける。走るときのように踏み出した足と反対側の腕を後ろに引きながら行う。
5. ニーベント・プッシュアップ&アームスイング|解糖
両手と両膝を床についてうつ伏せになる。両手は乳首のラインで肩幅よりも少し広めにつく。頭から膝までまっすぐ保ったまま、肘を曲げて胸を床すれすれに下ろし、両手で床を押して戻る。
胸を左へ向けるように左腕を床と垂直に伸ばし、元に戻る。左右を変えて交互に続ける。
6. ニー・トゥー・エルボー|有酸素
両脚を肩幅に開いてまっすぐ立ち、両腕をY字に上げる。左肘と右膝をお腹の前で合わせたら、元に戻る。左右交互に続ける。体幹が曲がらないように注意する。
詳しいやり方は、斎藤トレーナーが実践する動画でどうぞ!
実践! ターザン体操第二
1. ラテラルステップ&タッチ|ATP-CP
両脚を腰幅より少し広く開いて立ち、膝を軽く曲げ、両腕を曲げる。スタンスを保ったまま、反復横跳びのように1ステップしたらしゃがみ、右手で左足の爪先にタッチ。同じように真ん中に戻り、左右を変えて交互にできるだけ素早く繰り返す。
2. 3ウェイ・ランジ|解糖
両脚を揃えて立ち、両手を腰に添える。左足を大股1歩分前に踏み出し、前後の膝が90度曲がるまでしゃがむ。左足を蹴って元に戻り、真横に大股1歩分踏み出し、体重を乗せて膝を90度曲げる。
左足を蹴って戻り、真後ろに大股1歩分前に踏み出し、前後の膝が90度曲がるまでしゃがむ。左足を蹴って戻る。左右を変えて交互に続ける。
3. Vステップ&アームスイング|有酸素
Vステップに手の動きをつけて強度アップ。両脚を揃えてまっすぐ立ち、両手を胸に添える。V字を描くように右足を右斜め前に踏み出して右腕を上げ、続いて左足も左斜め前に踏み出して左手を上げる。
右足を戻して右手を胸に引き寄せ、左足を元に戻して左手を胸に引き寄せる。V字を描くように右足を右斜め後ろに踏み出して右腕を下に下げ、続いて左足も左斜め後ろに踏み出して左腕を下に下げる。
右足→左足の順に元に戻ったら(手は胸に引き寄せる)、左右を変えて交互に続ける。
4. フロントリア・ステップ|ATP-CP
左足を後ろに引いてしゃがみ、左手で右足の横の床にタッチ。前へ左右交互に2ステップしたらしゃがみ、右手で左足の横の床にタッチ。後ろへ左右交互に2ステップして戻る。これをできるだけ素早く繰り返す。
5. プッシュアップ&アームスイング|解糖
両手を床についてうつ伏せに。両手は乳首のラインで肩幅よりも少し広めにつき、両脚を腰幅に開いてまっすぐ伸ばし、爪先立ちになる。
頭から踵までまっすぐ保ったまま、肘を曲げて胸を床すれすれに下ろし、両手で床を押して戻る。胸を左へ向けるように左腕を床と垂直に伸ばし、元に戻る。左右を変えて交互に行う。
6. ジャンピング・ニー・トゥー・エルボー|有酸素
ニー・トゥー・エルボーを軽くジャンプしながら行う。両脚を肩幅に開いてまっすぐ立ち、両腕をY字に上げる。その場で軽くジャンプして着地したら、軽くジャンプしながら左肘と右膝をお腹の前で合わせ、元に戻る。
ジャンプをしながら左右交互に続ける。体幹が曲がらないように注意する。