バレエダンサー・宮尾俊太郎さんに聞いた、肩こり・腰痛克服法
肩、腰に特段負荷のかかるその道のプロたちは、どのようにその不安を克服しているのか。
取材・文/門上奈央 撮影/大内香織 ヘア&メイク/佐野健行
初出『Tarzan』No.780・2020年1月23日発売

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リフトやジャンプは最大の見せ場。
「4年ほど前から、毎年5回はギックリ腰になっていました」
Kバレエ カンパニーでプリンシパルとして活躍する宮尾俊太郎さん。バレエにおいて男性が女性ダンサーを軽やかに持ち上げるリフトやジャンプは最大の見せ場のひとつ。と同時に男性ダンサーにとってそれは腰に最大の負荷がかかる瞬間でもある。
「膝の怪我から来る左右のボディバランスのずれが原因だと思っていました。治療をすれば良くなるけれど、新しい作品に取りかかるたびになってしまうのは死活問題」
こう見えて、僕の第1頸椎ユルユルです。
自身の肉体と常に対峙してきた宮尾さん。あらゆる研究の末辿り着いたのがアレクサンダー・テクニークとピラティスを組み合わせた井手利江子先生のボディワークだったそう。
「第1頸椎周辺の盆の窪と呼ばれる場所の脱力を意識して生活するだけで、ギックリ腰を完璧に克服することができたんです!」
その上、意識的に脱力することでカラダがストレスを感じなくなり、心身ともにすこぶる快調、とも。
「踊っていても背骨の動きが全然違うのが分かります。人は緊張やストレスを感じた時、無意識に肉体が反応して必ず力が入ってる場所があります。そこの力を意識的に抜いておくことで、人間本来の骨格を生かした効率的なパフォーマンスが引き出せるそう。以来、稽古前に欠かせないストレッチでは、とにかく脱力を意識しています。力まずに30秒キープ。息をしっかり吸って吐き切ることもポイントです」
宮尾俊太郎さんのMY克服法。
1. 第1頸椎周辺を広げる感覚で脱力。

2. 大腿四頭筋の前面をゆっくり、じんわり伸ばす。

3. 腰をひねって上体を開き、ハムに効かせる。

4. 爪先、太腿、腰から肩まで一度にまとめて。

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