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「より速く走りたい」を実現する“進化した推進力”。あの《アディゼロ》シリーズが、生まれ変わった

1秒でも速く。ベスト更新を目指すランナーに向けて開発された〈アディダス〉の《Adizero》シリーズ。推進力をキーワードにラスト(木型)が改良され、さらなる進化を遂げた。

もっと速く、もっと前へと足が出る設計。

日本人ランナーに最高のフィット感を提供することを目的に生まれた《Adizero》。実業団、大学生などのトップレベルのランナーから、記録の更新を狙って走る市民ランナーまで、多くのランナーから支持されてきた人気シリーズだ。少しでも速く走りたい。そんな現代のランナーの気持ちに応えるかたちで、12月10日に発売されたばかりの新作は、ラスト(木型)から見直された。

EVERGREEN PACK」と名付けられたパッケージで登場したのは4モデル。「いつもまでも衰えることのない、時を経ても色褪せない色」を意味する“エバーグリーン”と、近年の大学駅伝シーンを牽引している青山学院大学陸上競技部のユニフォームにインスパイアされたカラーリングをまとっている。

EVERGREEN PACK(エバーグリーンパック)
「EVERGREEN PACK」を構成するのは右から《Adizero Japan 5》、《Adizero Takumi Sen 6》、《Adizero RC 2》、《Adizero Bekoji 2》の4モデル。推進力とともに、心地よいフィット感とクッション性があるのも特徴。

ランナーがスピードを出しやすくするために、まず変更されたのは爪先と踵の高低差である“ドロップ”。それぞれ前モデルと比較して1〜2mm、ドロップがアップしている。もちろん、ただドロップをアップすればいいというわけではない。ラストをいじってドロップを変えれば、《Adizero》シリーズの魅力であるフィット感も変わってしまう。

生まれ変わったマイクロフィットラストは、シューズクリエイターの大森敏明氏が監修。0.01mm単位でこだわり抜き、従来の心地よいフィット感をキープしながら、ドロップを変更。前への推進力が生まれる設計となった。

シューズクリエイターの大森敏明氏
シューズクリエイターの大森敏明氏が新しいマイクロフィットラストの製作を監修。《Adizero》シリーズの魅力である日本人の足に合うフィット感はそのままに、推進力を生む仕様となった。

推進力を生み出す3つの機能。

注目すべきは、マイクロフィットラストだけにとどまらない。推進力を生むための仕掛けは他にもある。まずは《Adizero Japan 5》《Adizero Takumi Sen 6》《Adizero RC 2》の3モデルで採用されている“LIGHTSTRIKE(ライトストライク)”というフォーム素材。一般的なEVA素材よりも40%ほど軽く、反発性の高いアディダスのBOUNCEフォームと同等の反発力を備えている。

また、LIGHTSTRIKEはバスケットボールシューズにも使われている素材で、安定性の高さも特徴。着地時の横ブレが少ないためエネルギーロスが少ないのだ。《Adizero Japan 5》《Adizero Takumi Sen 6》では、このLIGHTSTRIKEと、クッション性と反発性に優れたBOOSTフォームを組み合わせることで、抜群の推進力を生み出している。

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着地衝撃を緩衝しながら次の一歩を踏み出す力に変えるLIGHTSTRIKEとBOOSTフォーム。写真は《Adizero Japan 5》。
着地衝撃を緩衝しながら次の一歩を踏み出す力に変えるLIGHTSTRIKEとBOOSTフォーム。写真は《Adizero Japan 5》。

着地から蹴り出しまでをサポートするトルションシステム。写真は《Adizero Japan 5》。
着地から蹴り出しまでをサポートするトルションシステム。写真は《Adizero Japan 5》。

グリップ力に優れたコンチネンタルラバー製のアウトソール。写真は《Adizero Japan 5》。
グリップ力に優れたコンチネンタルラバー製のアウトソール。写真は《Adizero Japan 5》。

ミッドソールに組み込まれたTPUパーツの“トルションシステム”もポイントの一つに挙げられる。アディダスのランニングシューズファンにはおなじみの機能だが、このトルションシステムが着地から蹴り出しまでをサポートし、スムーズな重心移動を実現してくれるのだ。

そして、《Adizero Japan 5》《Adizero Takumi Sen 6》に採用されている“コンチネンタルラバーを使ったアウトソール”も、推進力の一助となる。自動車やレース用自転車でも使われるコンチネンタルラバーは、速いスピードで走った際も確実に路面をグリップ。スリップによるエネルギーロスを軽減してくれる。

推進力のあるシューズは、レースに出場するランナーだけのものでもない。日々のコンディションを整えるため、はたまた脂肪燃焼を目的としたランだとしても、心地よい推進力を感じさせてくれるシューズはモチベーションを上げてくれる。《Adizero》の推進力を借りて2020年も突き進もう。

4足であらゆるシーンに対応する。

《Adizero Japan 5》《Adizero Takumi Sen 6》《Adizero RC 2》《Adizero Bekoji 2》の4モデルは、走力によって、そしてシーンによって最適なものが選べるようになっている。目的に合った1足を選ぶか、複数足をシーンによって使い分けよう。

1. 《Adizero Japan 5》

アディゼロ ジャパン 5
アディゼロ ジャパン 5/反発力が高く、軽やかな履き心地が特徴。ミッドソールの厚さはヒール部が21.5mm、前足部が12mmで、ドロップは9.5mm。価格14,000円(税別)。

サブ3.5〜4.5を目指すランナーに適した機能を有したモデル。ミッドソールは、LIGHTSTRIKEとBOOSTフォームを組み合わせ、クッション性、安定性、反発性、軽量性を高いレベルでバランスよく備えている。アウトソールはコンチネンタルラバーを使い、アッパーにはアディダスが使用するメッシュ素材の中でも最軽量のセラーメッシュを採用している。

2.《Adizero Takumi Sen 6》

アディゼロ タクミ セン 6
アディゼロ タクミ セン 6/アッパーにはアディダスが使用するメッシュ素材の中で最も軽いセラーメッシュを採用。ドロップは5mmに設定されている。価格16,000円(税別)。

10km、ハーフマラソンなど比較的距離の短いレースをスピーディに走り抜くことに適したシューズ。フルマラソンであれば2時間半〜3時間を目指すようなランナーに最適。

もちろんそこまでのレベルの高いランナーでなくとも、トラック練習、スピード練習には使用可能だ。ミッドソールはLIGHTSTRIKEとBOOSTフォームのコンビ。コンチネンタルラバーを使ったアウトソールを採用している。

3.《Adizero RC 2》

アディゼロ アールシー 2
アディゼロ アールシー 2/クッション性を重視したミッドソールの厚さはヒール部が24mm、前足部が14mm。ドロップは10mmに設定されている。価格9,490円(税別)。

サブ4を目指すランナーのトレーニング用、サブ5を目標とするランナーのレース用に適したモデル。もちろん高い推進力は備えているが、クッション性が高いのも《Adizero RC 2》の魅力。

ミッドソールには、LIGHTSTRIKEを全面的に採用。トルションシステムとの相乗効果で、安定した足運びが行えるので、脚力が不足気味のランナーも安心して足を任せることができる。

4.《Adizero Bekoji 2》

アディゼロ ベコジ 2
アディゼロ ベコジ 2/コストパフォーマンスに優れたトレーニング用モデル。エリートランナーのスピードトレーニングにも対応。価格8,490円(税別)。

《Adizero Takumi Sen 6》をレースで使用するランナーのジョグはもちろん、スピードトレーニングに対応する高機能トレーニングモデル。軽量で耐久性にも優れており、フィット感や履き味は《Adizero Takumi Sen 6》に近い仕上がり。

INFORMATION

アディダス tel.0570-033-033(土日祝を除く、09:30〜18:00)

https://shop.adidas.jp/running/adizero/

取材・文/神津文人

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