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ヨガでカラダは変わる。アシュタンガヨガの第一人者・更科有哉が教えてくれた「ヨガをやる理由」

ヨガ指導者・更科有哉さんも、始めた頃のカラダは「普通」だったようです。

ポーズをとることがヨガ、ではない。

ヨガはカラダの柔軟性が高い人たちが楽しむもの、男性よりも女性が適しているもの。そう考えている人がいたなら、それは大きな勘違い。忙しい日々を送り長時間のデスクワークをこなしているビジネスパーソン、そしてトレーニーやランナーが心身のコンディションを整えるのにも有効なのだ。

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バイラヴァーサナ。アシュタンガヨガの3段階目にあたるアドバンスAに当たる難易度がかなり高いアーサナ。
バイラヴァーサナ。アシュタンガヨガの3段階目にあたるアドバンスAに当たる難易度がかなり高いアーサナ。

マユラアーサナ。「体幹の強さが求められる」と更科さん。アシュタンガヨガの2段階目で学ぶアーサナ。
マユラアーサナ。「体幹の強さが求められる」と更科さん。アシュタンガヨガの2段階目で学ぶアーサナ。

ガルバピンダアーサナ。胎児のポーズ。耳を覆うことで自分の呼吸がいつも以上に聞こえ、お腹の中にいたときのような感覚がよぎる。
ガルバピンダアーサナ。胎児のポーズ。耳を覆うことで自分の呼吸がいつも以上に聞こえ、お腹の中にいたときのような感覚がよぎる。

クルマアーサナ。亀のポーズ。股関節の柔軟性が求められるポーズ。
クルマアーサナ。亀のポーズ。股関節の柔軟性が求められるポーズ。

ブジャピダアーサナ。腕を圧迫するポーズ。自体重を支える力とバランス能力が求められる。
ブジャピダアーサナ。腕を圧迫するポーズ。自体重を支える力とバランス能力が求められる。

呼吸と動きを連動させて流れるようにカラダを動かすので、運動量が多く、エネルギッシュなヨガとされているアシュタンガヨガ。その第一人者である更科有哉さんによれば、アーサナと呼ばれるポーズをとることはヨガの一部であり、カラダをコントロールできるようになるための手段なのだという。

アシュタンガヨガはやるべきことが明確でシンプル。

——そもそも更科さんはどのようにしてヨガに出合ったのかを教えてください。

25歳のときに、友人に「ヨガはすごくいいからやってみなよ」と教えてもらったのがきっかけですね。太陽礼拝というベーシックなシークエンスだけ教えてもらって、それから3年ぐらいはずっと独学でした。

——スタジオに通わず1人で学んでいたのですね! どうして続けられたのかを教えてください。

そこはシンプルに気持ちが良かったからですね。フィジカル的にも、メンタル的にも。自分と向き合えるようになりますし、他の人と競わなくていいというのも良かったんだと思います。

独学でヨガを学び始めた更科さん。2007年より定期的にインド南部の都市・マイソールにあるアシュタンガヨガの総本山に通っている。
独学でヨガを学び始めた更科さん。2007年より定期的にインド南部の都市・マイソールにあるアシュタンガヨガの総本山に通っている。

——アシュタンガヨガにはどうやって出合ったのですか。

独学を続けていて、ある時、行ってみたいと思うスタジオに出会ったんです。代官山にある、外国人もたくさん通っているかっこいいスタジオで。当時はお金がなかったんですけど、どうしてもそこに行きたかったので、お金を貯めて。まずは、1か月間1日1クラス出られるチケットを買ったんです。そのときに体験できるすべての流派のヨガを試してみた中に、アシュタンガヨガがあったんです。

——アシュタンガヨガのどこに惹かれたのでしょうか。

きちんとインドで脈々と伝えられてきたヨガであること。それから、しっかりと体系化されていて、やるべきことも明確になっていて、わかりやすかったんです。

——2007年からインドにあるアシュタンガヨガの総本山で定期的に修練されているのとことですが、インドに行くようになったきっかけを教えて頂けますか。

先ほどお話した代官山のスタジオに、アシュタンガヨガを教えていたクランティ先生というイタリア人の先生がいたんです。ある日、その先生がいなくなっていて、フロントの人に、先生はどうしたのかって聞いたんです。そうしたらインドに行っていて帰ってくるのは2か月後だと言われて。

すでにクラスを持って教えている先生が長期間学びに行くっていうのが面白いなと思って、クランティ先生が帰ってきてからいろいろと話を聞いたんです。それで僕も行くことにして、翌年からインドに(笑)。

——行動に移すのが早い! 実際にインドの総本山に行ってみてどうでしたか。

そのストイックさとパワーに圧倒されましたし、自分はもっともっと練習しなければいけないなということもはっきりとわかりました。それからは年に一度、シャラ(学校)と呼ばれる、アシュタンガヨガの総本山スクール「シュリ・K・パタビジョイス アシュタンガヨガインスティテュート」に行って練習をしています。

ヨガを始めるのにカラダは硬くて問題ない。むしろ伸び代!

——今日も見せて頂いたように更科さんはものすごく柔軟性が要求されるアーサナ(ポーズ)をやすやすとこなしていますが、もともとカラダは柔らかかったのでしょうか?

もちろん最初は普通でしたよ(笑)。学生時代はサッカーをやっていて、その後スノーボードをしていましたが、特別柔らかいってことはなかったです。自己流でヨガをしていたときも、毎日やっていたんで、だんだんとカラダが変わって行くのが自分でもわかりました。

うまくできないアーサナがあったとき、どうしてできないのかの仮説を立てて、アプローチを変えながらいろいろとトライしてみるんです。それを繰り返して、できなかったアーサナができるようになることが、始めた頃はすごく楽しかったのを覚えています。

更科さんは、2010年には正式指導者資格である「Authorization」を、11年に「Authorization Level 2」を与えられている。14年に「Best of Yogi(by Yoga Journal Japan)」を受賞。
更科さんは、2010年には正式指導者資格である「Authorization」を、11年に「Authorization Level 2」を与えられている。14年に「Best of Yogi(by Yoga Journal Japan)」を受賞。

——カラダが硬くてもヨガに対して身構える必要はないということですね。

カラダが硬いからヨガができないっていうことはないと思います。アーサナは大事な要素ではありますが、それがヨガのすべてではありません。アシュタンガヨガには「八支則」と呼ばれる教えがあって、道徳や生活習慣、呼吸法などが記されています。アーサナはヨガの一部分ですし、できないってことは伸び代があるってことですから。

アーサナの習得のスピードは人それぞれ。すぐに進歩を求める人もいますが、自分の生活の中にヨガをフィットさせることが大切なんです。

——難しいポーズができなくてもいいと。

始めのうちはアーサナにとらわれがちなのは仕方がないですし、実際僕もそうでした。いろいろなアーサナができるようになるのが面白かったので。ただ、アーサナだけできても、そこに安定した呼吸がなかったら意味がないのも確かです。心をコントロールするのはすごく難しい作業ですが、それができるようになるために、まずは。がアーサナなんです。

毎日10分の太陽礼拝でカラダが変わる!

——例えば筋トレやランニング、サッカーやゴルフなどのスポーツをしている人にもヨガをすることはプラスになると思いますか?

ヨガは自分のフィジカル、メンタルのコンディションを確認することができます。競技によってはウォーミングアップに有効な部分もあると思います。継続していれば関節の可動域が広がりますし、カラダのコントロールも上手くなるので、スポーツをしている人にプラスになることはたくさんあるのではないでしょうか。

更科有哉さん/1977年生まれ、北海道出身。アシュタンガヨガ指導者。2020年春には「クラブターザン」会員向けのイベントとして、更科有哉さんを講師に迎えたヨガイベントが、スポーツクラブNASにて開催決定。詳報は、ターザン公式SNS(<a href="https://twitter.com/tarzan_mag" target="_blank">Twitter</a>、<a href="https://www.facebook.com/Tarzanmag/" target="_blank">Facebook</a>、<a href="https://www.instagram.com/tarzanweb/" target="_blank">Instagram</a>)などでお知らせします。
更科有哉さん/1977年生まれ、北海道出身。アシュタンガヨガ指導者。2020年春には「クラブターザン」会員向けのイベントとして、更科有哉さんを講師に迎えたヨガイベントが、スポーツクラブNASにて開催決定。詳報は、ターザン公式SNS(TwitterFacebookInstagram)などでお知らせします。

——ランナーやトレーニー、スポーツを楽しんでいる人がヨガを始めてみようと思ったときにおすすめのアーサナはありますか?

太陽礼拝でしょう! アシュタンガヨガの基本の基本ですが、絶対にプラスになると思います。ヨガを毎日1時間やってくださいと言われたら難しいかもしれませんが、太陽礼拝だけなら10分でできます。走る前、筋トレの前にぜひトライしてみてください!


実際に太陽礼拝にトライ!

太陽礼拝Aを5回行い、続けて太陽礼拝Bを3回行うことを目標に。毎日の習慣にすると、自分のコンディションの変化に気がつきやすい。更科さんによる実演動画を参考にぜひ実践を。太陽礼拝をする際には、鼻から吸って鼻から吐くように!

写真/大内香織 文/神津文人

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