ランで効率的に痩せる心拍数は、最大心拍数の60〜80%

どうせ走るなら、いちばん痩せるペースで走りたい。では何をするべきか。心拍数をモニタリングするのだ。

取材・文/井上健二

(初出『Tarzan』No.775・2019年10月24日発売)

この記事で触れた自覚的運動強度やニコニコペースといった感覚的な指標も頼れるが、運動経験が浅いと感覚にブレが生じるし、天候など条件次第でそのブレが大きくなるという弱点がある。

そこで活用したいのは、運動強度の客観的な物差しとなる心拍数。心臓が1分間に何回拍動したかをカウントしたものだ。運動強度が上がるほど筋肉が多くの血液を求めるため、血液を送り出す心臓の回転数がアップして心拍数も上がってくる。

体脂肪の燃焼効率が高く、消費カロリーも稼げて一石二鳥なのは、最大心拍数の60〜80%レベル。心拍数がこのゾーンに入る時間が長いほど、体脂肪は減りやすい。

運動中の心拍数を知るには、心拍数をリアルタイムに教えてくれる腕時計型の心拍計があると便利。心拍計がない場合、信号などで足を止めた際、手首内側の親指側に反対の人差し指から薬指までを当てて脈をカウント。15秒測って4倍すると心拍数が概算できる。

ラン中に守るべき目標心拍数の計算方法
ラン中に守るべき目標心拍数の計算方法。/最大心拍数は「220-年齢」という公式で概算。安静時心拍数は起床時にベッドで測る。30歳で安静時心拍数が70の人が最大心拍数の60%を目標心拍数とするなら、[(220-30)-70]×0.6+70=142(毎分)と計算する。
PROFILE
中野ジェームズ修一
中野ジェームズ修一さん/スポーツモチベーションCLUB100最高技術責任者。青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化を担当するなど、ランニングのスペシャリストでもある。