傾斜は? ペースは? 痩せランの味方・トレッドミルでの効果的な走り方

嫌いな人もいるようだが、トレッドミル(ランニングマシン)を使いこなすと痩せランの幅は広がる。

取材・文/井上健二 漫画/コルシカ

(初出『Tarzan』No.775・2019年10月24日発売)

設定すれば、屋外ランと同じ感覚で走れる。

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トレッドミルが置かれているジムなどは、一年中快適な室温と湿度に保たれている。日光は直撃しないし、雨や雪も避けられる。悪天候で外を走るのが厳しいときは、快適な空間で走ればいい。景色が変わらないからやや退屈だが、テレビも観られるから気が紛れる。近頃はネット動画が観られるマシンだって増えた。

トレッドミルはベルトコンベア状のデッキに上り傾斜がつけられる。ランナーなら傾斜をつけて走ろう。

フラットな状態では、回転するデッキ上を跳びはねるだけで蹴らずに進める。これでは下り坂を走っているようなもの。足腰がまともに働かず走力向上に結びつきにくい。監修の中野ジェームズ修一さんのお薦めは、1.0〜1.5%の傾斜をつけること。蹴らないと進めなくなり、屋外でのランと同じ感覚で走れる。

インターバル走に気軽にトライする。

トレッドミルは、速度が自由に変えられる。たとえば、ウォーミングアップでは0.5〜1kmごとに調子を見ながら時速0.5〜1kmずつプラスしてスピードアップ。息が上がる手前で速度を固定して痩せランを行い、辛くなったら同じように少しずつスピードダウンすればいい。インターバル走も簡単に試せる。

インターバル走は、辛い「ハード」とラクな「イージー」を交互に行うトレーニング法。体脂肪が燃える仕組みの活性化が期待できる。

トレッドミルを味方につければ痩せランは加速する

ハードは、自覚的に「きつい」か「かなりきつい」と思える速さ(こちらの記事を参照)。イージーは、ウォーミングアップレベルで自覚的に「楽である」と感じる速さだ。

基本はハードが4分、イージーが2分。これを4セット行ってみて、疲れて5セット目ができないのが理想。そうなるようにハードとイージーの時間を調整しよう。ただし、ハードを充実させるためにイージーの時間は最低2分以上取りたい。

他のマシンも試してクロストレーニング。

トレッドミルがあるジムには、それ以外にも有酸素運動が行えるマシンがいろいろ揃っている。お薦めは、クロストレーナー(エリプティカルマシン)とステップマシンだ。

クロストレーナーは、フットプレートに両足を乗せてハンドルを握り、スキーのクロスカントリーのような動きをする。腕の動きが入り、背中など上半身の筋肉も刺激できる。

トレッドミルを味方につければ痩せランは加速する

ステップマシンは、階段上りを延々と続けるもの。消費カロリーはトレッドミルに匹敵する。

クロストレーナーとステップマシンの共通点は、トレッドミルと違って着地衝撃がないところ。カラダに負担をかけず、体脂肪が効率的に燃やせる。

同じ運動を繰り返すと特定の部位に疲労が溜まる。トレッドミルで1時間走るより、クロストレーナー、ステップマシンを組み合わせて3種目を20分ずつ行った方が、疲労が分散されてストレスは少ない。

教えてくれたひと
中野ジェームズ修一
中野ジェームズ修一(なかの・じぇーむず・しゅういち)/スポーツモチベーションCLUB100最高技術責任者。青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化を担当するなど、ランニングのスペシャリストでもある。