はじめてのボルダリングで、手をどう使うか? 基本のホールディングを身につけよう
ボルダリングの動きを、初心者向けに解説。今回は「ホールディング」。「ムーブ」編、「フットワーク」編に続きパーソナルトレーナーの千葉啓史さんに教えてもらった。
取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 イラストレーション/黒木仁史 取材協力/千葉啓史
(初出『Tarzan』No.772・2019年9月12日発売)
4つの代表的なホールディング。
足はシューズに覆われているが、手は素手でホールドに向き合う。
それだけに多様な持ち方ができるけれど、千葉さんは「手を足のように使うのがポイントだ」と言う。足には土踏まずのアーチがあるが、同様に手にもアーチを作ってホールドする意識が大切だ。
そしてサッカーでボールを胸で受けてトラップする際のように、重心をやや下げるようにホールドを取りに行くイメージを持つ。
余計な筋力を使わないように、力を入れるのはホールドを摑んで引く瞬間だけ。あとは力を抜いても姿勢が保てるように支持する。
1. クリンプ
小さなホールドを持つ技術。指の第一関節は曲げず、第二関節を曲げて指先で支える。小指から人差し指までを揃えて持ち、人差し指に親指を重ねてギュッと握ると支持力アップ。
2. パーミング
丸くて大きく滑りやすいホールドは、手のひら(パーム)で押さえるように持つ。ホールドの上部に指先を掛け、手のひらが接する面積を広げると摩擦力が増して滑りにくい。
3. サイドプル
縦型ホールドやカンテ(凸角)などを横から引く(プル)ように持つ。親指を上に向けて横向きに手を掛けて、重心をホールドと逆側へ移すようにすると、ホールド力が上がる。
4. アンダークリング
下側が持てるようになっているホールド(アンダーカット)を、下から引き上げるように持つ。胸から膝までのエリアだと保持力が得やすい。肘を伸ばしてカラダを壁に近づける。
イラストで紹介した以外にも、ホールドを親指と他の4指で摘まむように持つ「ピンチ」、ポケットのように開いた穴に中指や薬指を入れてホールドする「ポケット」などがある。