飲むと毎回顔が赤くなる人はがんのリスクが高い?|酒とカラダの素朴な疑問(2)
酒をこよなく愛し、カラダにいい飲み方を提唱する肝臓のプロ、日本ソムリエ協会名誉ソムリエである秋津壽男先生に、正しいお酒の飲み方を聞きました。
取材・文/黒田 創 イラストレーション/井内 愛 取材協力/秋津壽男(秋津医院院長)
(初出『Tarzan』No.770・2019年8月8日発売)
顔が赤くなるのは、血行がいい証?
「飲むと赤ら顔になるのはアルコールが分解される際に出るアセトアルデヒドが大きく関係しています。アセトアルデヒドが血管を広げ、そこに血液が一気に流れ込むのですが、皮膚の表面に近い毛細血管でこの現象が起こると皮膚が赤く見える。これがフラッシング反応です」(秋津先生)
フラッシング反応が出やすいか否かは遺伝子による部分が大きく、治療法は存在しないが、病気になるリスクが異なってくるという。
「顔が赤くなる人はアセトアルデヒドを無毒化する分解酵素が少ないため、体内に長く留まり、ひいてはカラダを蝕む要因に。特に昔は飲めなかったけど、鍛えたら飲めるようになったというケースは要注意。
そもそも酵素が少ないのにアルコールで肝臓はダメージを受け、食道がんなどのリスクも高まります」