日本は「予選プール」をどう戦うか? ラグビーW杯の基礎知識(1)
ラグビーワールドカップ2019 日本大会(ラグビーW杯)開催が9月に迫っている。盛り上がりを見せる一方、正直ルールがよくわからん、この4年で観戦の仕方を忘れてしまった、なんて読者も少なくないだろう。そこで大学ラグビー部のコーチ経験もある菅原順二トレーナーに「これだけ知っていれば十分楽しめる!」というポイントを全4回に分けて教えてもらいました。第1回は前回大会の振り返りと、予選リーグについて。
取材・文/神津文人 写真提供/長岡洋幸
前回大会は40億を超える人々が観戦。
前回の2015年大会では、約240万人がスタジアムを訪れ、40億人を超える人たちがテレビ観戦したと言われているラグビーワールドカップ。紛れもない世界的なビッグイベントだ。
開催は4年に1度。今回が9大会目で、日本で行われるのは初めてのこと。この貴重な機会を楽しまないわけにはいかない! が、正直なところラグビーのルールや観戦の仕方がよく分からないという人もいるはず。
そこで、『ターザン』でお馴染みのトレーナー、菅原順二さんにラグビーワールドカップの楽しみ方を教えてもらうことに!
菅原さんは法政大学ラグビー部でプレーした後、「世界最高峰のラグビーを体感したい」と思いニュージーランドへ留学。ラグビーをプレーしながら、スポーツトレーナーの学校に通い、帰国後に大学のラグビー部のコーチ兼トレーナーを務めた経験もあるのだ。
前回大会で世界を驚かせた日本代表。
ラグビーワールドカップといえば、思い出されるのが前回の2015年大会。優勝候補と目されていた南アフリカ代表を日本代表が撃破し、大きな話題になった。これは決してにわかファンがオーバーに騒いだわけではなく、むしろラグビー経験者のほうが驚く出来事だったそう。
「ラグビーでは、ワールドカップの優勝経験があるニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、イングランドが4強と言われています。それに次ぐ強豪国が、フランス、スコットランド、ウェールズ、アルゼンチン、アイルランドあたり。
日本はワールカップに全大会出場していますが、決勝トーナメントに進出したことはありませんし、前回大会まではワールドカップで1勝しかしていませんでした。それに比べて南アフリカは、2度もワールドカップ王者になっています。
力の差は歴然としていたわけです。さらに、ラグビーは野球やサッカーと比べると、“番狂わせが極端に少ないスポーツ”だとも言われています。それだけに奇跡って言っても大げさではない勝利だったと思いますね」(菅原順二さん)
日本代表の決勝トーナメント進出に期待!
プール戦は5か国ごとの4つのプールに分かれ、上位2か国が決勝トーナメントに進出できる。以下がそのプール分けだ。
プールA | プールB | プールC | プールD |
---|---|---|---|
アイルランド | ニュージーランド | イングランド | オーストラリア |
スコットランド | 南アフリカ | フランス | ウェールズ |
日本 | イタリア | アルゼンチン | ジョージア |
ロシア | ナミビア | アメリカ | フィジー |
サモア | カナダ | トンガ | ウルグアイ |
決勝トーナメントへ進むと思われる国はどのあたりなのだろうか。
「プールAはアイルランドが本命で、対抗がスコットランド。日本はこの2強のどちらかを食うことを目指す感じでしょう。スコットランドは前回大会で唯一日本が負けた相手でもあります。雪辱戦ですね!」(菅原順二さん)
「プールBは本命ニュージーランドで、対抗南アフリカ。プールCはアルゼンチンが大本命。スーパーラグビーでもアルゼンチンは好調だったので、優勝候補と言ってもよいかもしれません。プールDの本命はウェールズで、ワールドカップイヤーの2019年、ヨーロッパチャンピオンにもなったので期待大です」(菅原順二さん)
プール戦では、1位突破をかけた強豪国同士のぶつかり合いと、前回大会で世紀の番狂わせを見せてくれた日本代表の試合を中心に楽しもう!