テレビを観ながら、全身を緩めるストレッチ|時間別ストレッチ

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/山内省吾 ヘア&メイク/天野誠吾 ストレッチ監修/中野ジェームズ修一(スポーツモチベーション代表)

(初出『Tarzan』No.765・2019年5月23日発売)

余熱でカラダが温まっている入浴直後はストレッチのゴールデンタイム。テレビやスマホ動画などを観つつ、ながらで筋肉を伸ばす習慣をつけよう。テレビCMは15秒か30秒単位だから、CM中に坐ってやると決めるといい。時間に余裕があるはずだから、1〜2セットでお茶を濁さず、2〜3セットはやってみるべし。

5種目から一つだけ選ぶなら、股関節の3ウェイストレッチを優先して。立って行う活動の大半は股関節の動きを伴う。股関節を駆動するのは、背骨(腰椎)、骨盤、太腿(大腿骨)をつなぐ腸腰筋。疲れが溜まっているし、運動不足だと硬くなりやすいから、柔軟性を復活させよう。

1. 背中の3ウェイストレッチ(左右各30秒×2〜3セット)

背中の3ウェイストレッチ

床に胡座をかいて坐る。両腕を上に伸ばし、右腕を根元から内向きに回す内旋し、左手で右手首を持つ。左手で左斜め上に引っ張り、右の背中(僧帽筋下部)を伸ばす。

次に、そのまま両腕を床と平行に下ろし、左手で左斜め下に引っ張り、右の背中(僧帽筋中部)を伸ばす。右腕を腰に回す。

最後に、左手を右側頭部に添える。肩と背中の力を抜き、左腕の重みで頭を左斜め下に倒し、右の首すじ(僧帽筋上部)を伸ばす。以上、左右を変えて同様に行う。

2. お尻と腰背部の3ウェイストレッチ(左右各30秒×2〜3セット)

お尻と腰背部の3ウェイストレッチ

床に坐り、両膝を立てて揃える。両手を後ろについて上体を後傾させる。両膝を揃えたまま左に倒し、右の骨盤の横(中臀筋)と腰まわり(腰背部)を伸ばす。

左足首の外側を、立てた右膝の外側にかける。お尻の力を抜き、左脚の重みで右膝を内側へ倒し、右の骨盤の横(中臀筋)、腰まわり(腰背部)、骨盤周辺(梨状筋)を伸ばす。

そのまま仰向けになり、両腕を体側で伸ばす。お尻の力を抜き、左脚の重みで右膝を内側へ倒し、右の骨盤の横(中臀筋)、腰まわり(腰背部)を伸ばす。右肩が上がらないように注意。以上、左右を変えて同様に行う。

3. 股関節の3ウェイストレッチ(左右各30秒×2〜3セット)

股関節の3ウェイストレッチ

左脚を前に出して膝立ちになり、右膝を大きく後ろに下げる。両手をお尻に添える。両手でお尻を前に押し出し、右の股関節(腸腰筋)を伸ばす。

耳を挟むように両腕をまっすぐ上げ、手のひらを向き合わせる。骨盤を前に押し出し、右の股関節(腸腰筋)とお腹(腹直筋)を伸ばす。

左手を左の太腿に下ろし、右腕だけ上げておく。右骨盤を前に押し出しながら、上体を左へ倒し、右の股関節(腸腰筋)、体側(外・内腹斜筋)、背中(広背筋)を伸ばす。以上、左右を変えて同様に行う。

4. 膝下と骨盤横の3ウェイストレッチ(左右各30秒×2〜3セット)

 膝下と骨盤横の3ウェイストレッチ

正座の状態から左脚の膝を立てる。右足首を曲げて爪先立ちになり、踵にお尻を乗せる。両手はそれぞれの太腿に添える。体重をかけて、右足の裏側(足底筋群)を伸ばす。

床に胡座をかいて坐り、右足の甲を両手で持つ。足裏を見るように足首を手前に捻り、右下腿の外側(腓骨筋)を伸ばす。右脚を床で左側へまっすぐ伸ばす。

左足を右脚の太腿の前につき、左膝を立てる。両手は前の床につく。上体を左膝に近づけるように起こし、右脚の体側から太腿外側(大腿筋膜張筋)を伸ばす。以上、左右を変えて同様に行う。

5. 上腕と前腕の2ウェイストレッチ(30秒×2〜3セット)

上腕と前腕の2ウェイストレッチ

両手、両膝をついて床で四つん這いになる。指を膝に向けて手のひらを肩幅で床につく。

両肘を伸ばしたまま、重心を後ろに移動させて、上腕の内側(上腕二頭筋)を伸ばす。手の甲を肩幅で床につく。両肘を伸ばしたまま、重心を後ろに移動させて、前腕(前腕筋群)を伸ばす。