足首がしなやかに動かないと…。
ヤンキー坐りはだらしなく見えるものだが、実は足首が柔らかくないとできないもの。和式トイレが減り、バリアフリー化が進んで足首を大きく動かすチャンスが減ったおかげで、足首が硬すぎて完全にしゃがめない人が急増中。
足首は地面にもっとも近い関節で、建物でいうなら土台に相当する大事な部分。足首がしなやかに動けないと、ドミノ倒しが起こるように膝関節や股関節にも連鎖的にダメージが加わりやすい。
逆に体重は最終的にすべて足首に加わるから、全身の使い方次第で足首は硬くなりやすい。
3つのポイントで足首をケア!
狭い意味での足首=足関節は、脛の骨(脛骨と腓骨)と踵上部の骨(距骨)が作る距腿関節を指す。広い意味での足首は、踵上部の距骨と踵下部の踵骨が作る関節(距骨下関節)を含む。
しゃがみにくいタイプは姿勢と動作を矯正。足首に負担のかかる重心のかけ方や立ち方を修正する。次に足首の関節の内部のズレをリセット。仕上げに周囲の硬い筋肉をほぐし、弱い筋肉を強くしよう。
姿勢や動きをやわらかく。体幹と骨盤を鍛えて足首にかかる余計な負担を軽くする。(10回×1セット)
1. フラダンス
椅子に浅く坐り、両脚を腰幅に開く。両手を腰に当てて、腰骨をつかむ。フラダンスの腰つきを頭に思い浮かべながら、上体をまっすぐに保ち、背骨を軸として腰をできるだけ大きく時計回りに回す。反時計回りも。
2. 水平膝蹴り
左サイドを下にして床で横向きに寝る。左肘を曲げて左手で頭を支え、右手は腰に添える。左脚をまっすぐ伸ばし、右膝を90度曲げて浮かせる。膝の角度を変えずに、右膝を前に押し出し、元に戻す。左右を変えて同様に。
3. 横向き壁ドン
左サイドを壁に向けて半歩離れて横向きで立ち、左手を肩の高さで壁につき、壁を強く押す。左膝を腰の高さまで浮かせ、右足から頭までまっすぐ保って、右のお尻の横(中臀筋)を刺激。元に戻る。左右を変えて同様に。
関節内をやわらかく。足首を構成する2つの主要な関節をしっかりアジャスト。(10回×1セット)
1. 指から運動
裸足になり、床に坐って片脚を伸ばし、反対の膝を立て、両手を後ろについて上体を安定させる。伸ばした脚の親指を、踵の外側に向かって斜め後ろに足首を曲げながら引き上げ、次に元の位置に戻す。続いて小指を踵の内側の方向に足首を曲げながら引き上げたら、元の位置に戻す。以上、左右を変えて同様に。
2. ボールころころ
椅子に浅く坐り、両脚を腰幅に開く。片足でミニボール(またはクッション)を踏む。ボールを押しつぶすように強めに圧迫し、膝の位置を固定して、前後、左右に動かし、時計回り、反時計回りに動かす。左右を変えて同様に。
3. 足首の押し込み
正座から左膝を立て、左手で左足首を押して固定する。上体を前に倒して左膝を前に押し、左手で左足首をさらに強く押し込む。左足の踵が床から浮かないように注意する。左右を変えて同様に行う。
関節外をやわらかく。足裏のアーチを支える筋肉を鍛えて、ふくらはぎを柔らかく。(10回×1セット)
1. タオルギャザー
裸足になって椅子に浅く坐り、両脚を腰幅に開く。床に縦に置いたフェイスタオルの端を左足の爪先で踏む。足の指の屈伸を使い、タオルを手前に引き寄せる。左右を変えて同様に行う。
2. 脛倒し
壁に右足の爪先をかけて、半歩離れて腰幅でまっすぐ立つ。両手を壁につき、右脚をまっすぐ伸ばす。右脚の膝を曲げて脛を前に倒して、ふくらはぎをストレッチしたら、元に戻る。左右を変えて同様に行う。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修/三枝 剛(理学療法士、都立大フィジオケア&コンディショニング)
(初出『Tarzan』No.702・2016年8月25日発売)
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