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世界初づくしの3Dプリント・カスタムシューズ《QUANT-U》の実力を、プロトレーナーが体験する
2019年2月20日、東京・新宿伊勢丹メンズ館の紳士靴売場に画期的なポップアップストアが登場した。デンマーク生まれのコンフォートシューズブランド〈ECCO〉が、日本初上陸のカスタマイズシューズ、《QUANT-U》(クアントゥ)のサービスをスタートしたのだ。
3Dプリンターを使った「自分だけのミッドソール」の履き心地を、トレーナー・菅原順二さんが体験した。
取材・文/黒田 創 撮影/大嶋千尋 体験/<a href="/tags/junji_sugahara/">菅原順二</a>(スタジオ〈アランチャ〉代表)
素材やカラーを自分好みにカスタマイズできるシューズは決して珍しくないが、《QUANT-U》が画期的なのはショップにある3Dプリンターを使い、短時間で自分の足型に合ったミッドソールを作ってしまう点。
自分のためだけに作られたミッドソールとは、一体どんな履き心地なのか、ぜひとも知りたい。そこで『ターザン』のエクササイズ指導でおなじみのトレーナー、菅原順二さんにシューズ作りを体験してもらうことに。
元ラガーマンである菅原さんは選手時代のケガの経験からピラティスを学び、Body Element Pilates マスタートレーナーの資格を取得している。
「運動する、しないに関わらず、人間の足元はカラダの荷重を支え、重力とのバランスをコントロールする大事な部位。ですので、その足に履かせる靴は本当にカラダに合ったものをもっとこだわって選びたい気持ちがあるんです。シューズとカラダの関係って、実は奥が深い。今回のシューズ作りをすごく楽しみにしてきました」
目次
なぜミッドソールに着目したのか
菅原さんにシューズ作りを体験してもらう前に、〈ECCO〉がこうしたシューズを手掛けるに至った経緯を紹介しておこう。
歩く時の履き心地の約7割はミッドソールの性能次第といわれる。つまりミッドソールの出来栄え如何でシューズはいい靴にも悪い靴にもなりえてしまうのだ。ならば履く人に合わせてミッドソールをカスタマイズできればいいのだが、これまでは技術的に難しかった。
しかし〈ECCO〉は近年各分野で注目されている3Dプリンターを使い、世界で初めてシリコーン素材のミッドソールを作ることに成功。今回の商品化を実現した。最新技術と新素材を用いたことで、理想的な形で具現化したのがこの《QUANT-U》というわけだ。
1963年にデンマークで創立した〈ECCO〉は、靴のデザインから原材料であるプレミアムレザーや靴の製造、出荷、店舗運営に至るまですべて自社で一括管理する稀有なスタイルを貫いており、世界約90か国でシューズやレザーグッズを展開している。徹底した管理体制も、すべてはシューズの履き心地のため。そんなポリシーを持つメーカーだからこそ、カスタマイズするミッドソールに至ったともいえるのだ。
新体験1|たった45秒で“足”を丸裸にする
いよいよ菅原さんによるシューズ作り体験がスタート。今回、特別に訪れたのは東京・千代田区にある〈ECCO〉のショウルームだ。まずは“3D足型計測器”という機器に乗り、足の指の形や部位ごとの膨らみ、土踏まずの形状など隅々まで立体的にスキャンする。
「前後の長さや幅だけではなく、各部位の形状まで計測することで本当の足のサイズがわかります。菅原さんの場合、右足の指が少し丸まっていることで左よりもサイズが小さく、甲高になっている。当然、足裏の形状も左右で異なりますし、直立したときの傾き具合の差も変わってくる。そうした部分もすべてデータ化してミッドソール作りに反映させます」(ECCOテクニカルスペシャリスト&トレーナーの照井昇さん)
データが映し出されたタブレットの画面を見て驚く菅原さん。
「たった15秒の計測でここまでわかるんですか! 右足の指は選手時代に靭帯を切った影響です。いつもはシューズの中にインソールを敷いて高低差を調整していたのですが、ミッドソール自体に微妙な高低差が落とし込まれるならもう必要ありませんね」
続いては専用の測定用シューズを履いてトレッドミルの上を約30秒間歩く。シューズにはウェアラブルセンサーとAIが搭載されており、靴内の温度や湿度、圧力のかかり方や加速度といった歩行パターンが解析される。
トータル45秒で導き出された菅原さんの足のデータは数値化され、〈ECCO〉が持つ数多くの構造シミュレーションパターンの中から菅原さんに最もフィットするものが厳選される。
「楽しみですね!ワクワクしてきます」と菅原さん。お次はお待ちかねのミッドソール作りだ。
新体験2|目の前で積み重なるシリコーン素材
3Dプリンターがウイーンと作動する。左右それぞれのミッドソールの製作作業が始まった!
「素材には弾性と耐久性、温度安定性に優れた専用のシリコーン素材を使用しています。シリコーンでミッドソールを作ること自体が世界初なんですよ。また、3Dプリンター自体も専用に作ったもので、先ほど取ったデータを基にミッドソールが作られます」(照井さん)
プリンターのノズルから熱せられたシリコーンが抽出され、外周、そして内側のハニカム(六角形の構造)と細いラインが描かれていく。このシリコーンの層を数十分間積み重ね続けるのだ。
ハニカムの大きさと角度は、個々人の計測結果を基に、それぞれ異なって抽出されるという。
「おお、これが自分用に抽出されたハニカムの大きさと角度ですか。さっき計測した足の荷重のかかり方によって六角形の角度がきまるんですね。これはすごい。ずっと見ていられますね」
目を輝かせる菅原さん。たしかに、シリコーンの層が出来上がっていくさまは近未来感に溢れている。いったいどんなミッドソールが完成するのか……?
新体験3|自分も知らなかった“歩きのクセ”が露わに
ミッドソールの完成を待つ間、菅原さんは自分の立ち姿と歩行時のデータに興味津々。客観的データを事細かに積み重ね、徹底的に人間工学的視点で作られる世界初のミッドソールに感心している様子だ。
「何より驚いたのは、立ち姿はもちろん、歩き方のクセまで全部わかってしまう点。特に歩いている時の荷重やねじれ、ピッチ、左右のブレや上下の揺れまで全部データになっていますよ」
現在はまだ準備段階だが、今後はこれらのデータはシューズ完成後、ユーザーが自由に閲覧できるようになるサービスも検討しているという。
新体験4|“合わない”がない専用ミッドソール
ついに菅原さん専用のミッドソールが完成した。3Dプリンターから取り出された文字通り「出来たてホヤホヤ」のミッドソール。
あとはあらかじめ13色の中から選んだアッパーとアウトソールを組み合わせて、シューズがついに完成。最初の計測から出来上がりまで約60分だ。
「シューズ選びって、基本的には既製品の中から自分の足に一番合うものを見つける作業じゃないですか。でも完成したこのシューズに足入れした瞬間、既製品でありがちな“少しここが合わないな”という感じが一切ない。そこがすごいんです。自分用にカスタマイズされたシューズなので、履いているうちにカラダに無理のない自然な歩き方になる気がします。もしかしたら数か月後、姿勢がむちゃくちゃ良くなっているかもしれませんね(笑)」
究極の「自分だけの一足」を手に入れた菅原さん。その少年のような笑顔が印象的だった。
東京では3/26まで展開中
《QUANT-U》は3/26までは東京・伊勢丹新宿本店 メンズ館地下1階 紳士靴売場、3/28~4/23は松坂屋名古屋店 北館1階 紳士靴売場に設けられるポップアップストアで実際に作ることができる。もちろん3Dプリンターがミッドソールを製作する過程も見学可能。スペシャルな体験ができる、またとない機会だ。
76,000円と聞くと高額に思えるが、このシリコーン製ミッドソールはほぼ劣化することなく長期間使用できるため、アッパーやアウトソールが劣化しても同じミッドソールを用いて新しいシューズを作ることができる。そう考えると決して高くはないだろう。
今後は名古屋でも期間限定でこのサービスを展開し、8月以降はレディスラインもスタートする。作ってみたい人は予約サイト(quant-u.jp)から申し込みを。
最新技術で作る、文字通り「自分だけの一足」。あなたのシューズの概念が変わること、間違いなし。
問い合わせ先
エコージャパン(TEL)0120-974-010
https://jp.ecco.com/