「食べなきゃいい」なら分かりやすいが…
本稿の監修者である森拓郎さんはボディワーカー(トレーナー)でありながら、「ダイエットの鍵は運動1割、食事9割」という趣旨の本を書き、運動が苦手なダイエッターの共感を集めている。けれど、本人は「食事=食事制限と誤解している人が多くて困っています」と苦笑いする。
痩せたい人の大半は運動を避けたいのが本音。運動をしなくても、食事を控えたら痩せられると太鼓判を押されるとホッとするだろう。
だが食事量とカロリーを減らすと、飢餓への防衛システムが作動。減らした摂取カロリーに見合うように代謝を落として消費カロリーがセーブモードに入る。そのために筋肉を減らすのだ。ダイエットを終えて食事量を戻すだけでは減った筋肉は戻らないから、代謝が落ちたままになり、太りやすくなる。
「食事量は大きく変えないで、栄養バランスの整った正しい食生活に修正することが、減量成功の鍵を握っているのです」
「糖質制限」にもワナがある。
糖質制限ダイエットはもはや定番化している。
糖質が多いのは、ご飯やパンなどの主食、イモ類、果物、お菓子など。日本人はカロリーの60%を糖質から摂っているから、糖質を減らすと余分なカロリー摂取も抑えやすい。加えて一度に糖質をたくさん摂ると血糖値が急に上がり、糖質を体脂肪に変える働きを持つインスリンが大量分泌されて太りやすい。糖質を控えると余計なインスリンの分泌も抑えられるから、痩せやすくなるというワケ。
だが我流で始めると、誤ったやり方に走りやすい。なかにはご飯を抜いてお腹が空いてしまい、間食にお菓子を食べた挙げ句、お菓子を食べたという罪悪感でまたご飯を抜くという悪循環に陥ることも。
ご飯は糖質以外にタンパク質やミネラルなどの栄養素を含むが、お菓子は糖質以外の栄養素に乏しいエンプティカロリー。真っ先に減らしたいのはお菓子で、ご飯ではないのだ。
教えてくれた人
森拓郎さん(もり・たくろう)/パーソナルジム〈rinato〉のオーナー兼トレーナー。トレーナーながら運動至上主義から距離を置き、食事の重要性を強調。運動嫌いでも理想のカラダを最小限の努力で作るメソッドを提供する。
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